マサダ、もといACRです。電動のガスブローバックコンバージョンが出たときに買うかどうかかなり迷ったのですが、その手のコンバージョンには悪い評判しか聞かないので我慢しました。そしてついにWEから出たので買ってみました。
ACRはマグプルが開発していたライフルで、実際の生産・販売は軍用モデルはレミントンが、民生モデルはブッシュマスターが行っています。一般にはSCARに似た銃というイメージがあるようですが、僕はSCARよりもACRの方が好きなんですよね。SCARは嫌いじゃないんですが、7.62mmのモデルこそが真打ちで、5.56mmではバランスが悪いように思えてしまいます。5.56mmで見た場合、ACRの方がデザイン的に好きだと言うだけですね。機能的にACRとSCARと決定的な差異はバレル交換システムです。ACRはバレルを交換することで他口径へのコンバージョン可能である点を特徴としています。ただバレルを替えるだけでは不十分なのはあまりにも明白で、開発当初は5.56mmから7.62mmまでの複数種のカートリッジへ対応できるよう設計されていましたが、現在製造されているのは5.56mmとマガジンの互換性がある6.8mmSPCだけのようです。5.56mmと7.62mmでそれぞれ明確にモデルを分けたSCARの方が賢明だったと言えるでしょう。
ただこのバレル交換システムがエアガンでも再現されていて、電動を含めた今まで触ったことのあるライフルの中では圧倒的にインナーバレル・チェンバーへのアクセスがらくちん! これはカスタムの際に非常に助かります。また後述しますが、インナーバレルに一癖あるため、余計に重宝する機能です。
僕が購入したのはリアル刻印モデルと言われてるもので、リアルかどうかはさておき、レミントンのロゴがプリントされています。商標の許諾を得ていないためWEがこっそり売ってるらしく、届いた箱は無地、説明書も入っておらず、どこのメーカー製なのかわからないようになっています。SCAR-Lのように値崩れするのを待ってましたが、今後は無刻印モデルしか流通しないとも言われているため、今のうちに買っておきました。とはいえ、このプリント、うそっぱちもいいところで、Remington Arms はACRを販売してないし(軍用モデルは Remington Defence)、そもそも僕の知る限りACRにレミントンのロゴ入ってる写真なんて見たことないし、実銃はプリントじゃなくて刻印だし。Remington Defence ロゴの製品も出ているようですが、本当に刻印を気にするなら無刻印版を買ってトイガンの刻印サービスを利用した方がいいです。ていうかそうしなかったことを後悔してます(笑)。
そもそもWEに外観のリアルさを期待するのが間違いですが、雰囲気はかなり出てます。ケースデフレクタがないとかグリップが妙に太いとかセレクタが変な位置で止まるとか、気になる点は多々ありますが、ハンドガードはカッコイイし、各所のガタも殆どありません。TROYタイプ(ただし無刻印)の前後フリップアップサイトが付属していましたが、色が黒だったのでつけてません。アッパー以外のレールは最近のトレンドである必要なところだけつけるタイプで、長いもの一つと短いもの二つが付属しています。とりあえず、フォアグリップとAimpointM4のレプリカダットサイトをつけてみました。フラッシュハイダーはとにかく格好悪いので交換しました。今回見た目だけで選んだのはマグプルPTSがエアガン用に販売しているGriffin-M4SDIIというもので、SPRハイダーのように横向きに穴が空いています。
動作は気温10℃以上あればかなり快調に動いてくれます。夏場が楽しみです。グルーピング等の計測は暖かくなってからにします。グルーピングの要となるインナーバレルですが、従来のWE用とは微妙に異なる専用デザインになっており、市場にあるWE用カスタムバレルが使えないという意味不明の悲劇を引き起こしています。チェンバーパッキンも外寸はマルイのハンドガンやVSRと同じですが、バレルに合わせて内部の段差およびホップの突起位置が異なっています。外寸および切り欠き位置は同じため、従来のWE用バレルとマルイパッキンを組み込むことはできますが、ホップ調整が上手く機能しなくなり、弾ポロします。なんでこんな純粋な嫌がらせをするのか理解に苦しみます。長いホップ用のアームを自作すれば従来用のカスタムバレルが使えそうですが、弾ポロの危険性はゼロにできないので、どこかがACR用のカスタムバレルを作ってくれるのを待つのが得策だと思います。
もうちょっと各部ディティールをちゃんとしてくれればホントにいい製品になったと思うだけに残念ですが、作動製はかなり高く、そんなマルイぽさが実にWEらしいと言えるかも知れません。インナーバレル等、サードパーティからパーツが出ればかなり面白くなると思うのですが、肝心の銃本体が売れないとそれも難しいので、余り期待できないですね・・・。個人的には実銃にもオプションで用意されているグリップ交換可能なロアレシーバーやMASADAタイプの固定ストックとかショートアウターバレルとか欲しいんですけどねえ・・・。
![]() 箱出し状態。夜撮ったので色合いがおかしいのはご勘弁を。 フラッシュハイダーは外された状態で箱に入っていた。 |
![]() リアル刻印という名目だが、何もかもが間違ってる。ないよりは雰囲気はいいが。 セレクタはセミが写真の位置で止まる。なぜにこんな中途半端なポジションなのか。 |
![]() ホールドオープン。ボルトキャッチはトリガーガードの前方にある。 セレクタ、マグキャッチも含めてアンビになっている。 |
![]() ハンドガードの中に見えるバレル交換ハンドル。この銃の最大の醍醐味。 ハンドガードは削り出しらしく、エッジも表面も綺麗に仕上げられている。 |
![]() ピン四本を抜くだけで工具一切不要でここまでバラせる。 メンテナンス性の高さは長物エアガンの中でも抜群。 |
![]() ボルト。ダイキャスト製で形状やロッキングラグなどリアルにできている。 アッパーレシーバー内部にはボルト用のスチールのレールが組み込まれている。 |
![]() トリガーユニット。マルイが作りそうなダルいパーツ構成。 トリガーの重さはちょうどいいが、クリスプ感は乏しい。 |
![]() インナーバレル。まさかの独自形状。左が従来のWE用(Ratech製)、右がACR。 従来のバレルも組み込めるが難あり。この辺はじっくり調整してみたいところ。 |