DoubleEagleという中華メーカーのエアコキを買ってみました。
ボルトアクションライフルが好きなんですよ。ボルトアクションもエアコキよりガスのほうがいろいろリアルで好きなんですが、トイガンの世界ではボルトアクション≒エアコキなんですよね・・・。
そんなわけで、発売延期になってて初夏に予約したことを忘れてたDoubleEagleのエアコキM700proが年末に届きました。ベースになっているのはMagpulのM700Proですが、MagpulどころかPTSのライセンス製品でもないので、外観は細かい点でデフォルメがされています。とはいえ全体の雰囲気は間違いなくMagpulのそれで、妙にカッコいいのに税別3万円と安かったので衝動的にポチっちゃったわけです(忘れてたけど)。
すでに他の有名サイト含め、購入した人のレビューを見てみると、割と個体差があるようですが、概ね簡単な調整で結構いい性能になるようです。最低限行いたい作業は「ガタ取り」「チェンバーパッキンの交換」あたりでしょう。個人的には真っ先に「インナーバレル交換」しますが、これはもうおまじない程度のこだわりに過ぎないので・・・。
まず外装から。
金属パーツの多くがアルミ製で箱出しで持つと意外に軽いです。特にレシーバーとアウターバレルがどちらもアルミ製で軽量化に寄与している感じです。ボルトアクションは相対的に重いスコープを乗っけることになるので個人的にはうれしいところです。マガジンはリアルポジションですが、エアコキの宿命でエアガンとしてのチェンバーはかなり前方にあり、マガジンからチェンバーまでは25発前後の「給弾道」がある構造です。マルイのM40と同じらしいです(たぶん製品的に比較対象となるだろうM40は持ってないので比較できずすみません)。L96のボルトハンドルに連動したエスカレータで長距離移動で給弾するの、結構好きなんですけどね、あれやっぱトラブル多かったんでしょうかね。実際のチェンバーがかなり前にあるのは長いエアシリンダが必要だからで、エアコキの宿命としてこのシリンダを格納するためにアウターバレルのスロートは不自然に前方にあります。
暗視デバイス用にフォアエンドの上にもアウターバレルを跨ぐようにレールが用意されています。これ不要&嫌いなので外しておこうと思ったんですが、外すと、これに合わせて厚みを持たせたフォアエンドがアンバランスに見えるのと、先述の不自然なスロート位置がやたら目立つようになったので付けたままにしました。ちなみにこのフロントレールもアルミなので、つけておいても重量的なデメリットは殆どありませんが、エッジが鋭くて手を切りそうです(切削なんでしょうね、仕方ないのでラバーのレールカバーつけときました)。フォアエンドの左右と底部にはM-Lokスロットがあり、拡張性も十分です。モノポッド用にストック底部にもM-Lokが2スロットあります。ストックは折りたためる上、バットプレートの後退量やチークピースの高さはダイヤルで調整可能です。6角レンチが必要ですが、グリップ位置も前後に調整可能です。そしてレフティやサウスポーな方向けにアンビ対応になっています。セイフティはエンドキャップ両側にあり、チークピースは一度外してから左右逆向けに取り付け可能、ボルトハンドルさえ交換式ではありますが左用が付属しています。アンビであることを物語るようにイジェクションポートはレシーバー両側に開いていて、シリンダに螺旋のフルートが入っているのは、ボルトを引ききってもイジェクションポートにシリンダがあるエアコキにおいていいアクセントになっています(できればシルバーがよかったけど)。
そろそろ内部パーツも含めて見ていきましょう。
これは個体差あるとは思いますが、この製品は結構ガタがある印象です。他のサイトではボルトハンドル下ろした状態でシリンダが前後に1mmほど動くものもあるらしく、うちの個体はそこには全くガタはなかったんですが、アウターバレル基部の固定にガタがあったので、シールテープを数巻しておきました。ストックのヒンジやフックはスチール製で強度は十分ありそうですが、明らかにガタがあって、折り畳みのヒンジ部分には多少の調整が必要です。とはいえ性能には影響しないので、そこはお好みで。トリガーは電動っぽいファーストもセカンドもない感じで、引きの重さも変わらないままある程度引くといきなりバチンと落ちる気持ち悪いトリガーフィーリングです。これは完全にバラせばわかるんですが、シアとピストンの接触面が45度でピストン後退位置で保持するのにいろいろ余裕がないためです。とはいえ下手にいじると暴発しまくるところなので、トリガーの後退量を制限するだけで、自分を誤魔化します。適当な大きさに加工したアルミ板をトリガーの後ろに貼りつけるだけです。
チェンバーパッキンは半透明の妙に柔らかく、恐ろしいほど2点ホップを強調するものが装着されているので、ここは無難にマルイ純正パッキンに交換しておけばいいと思います。ホップレバーの突起が完全に2点式なので、マルイ純正との相性は良さそうです。僕はいつものpdiのWホールドパッキンにしました。逆にこのパッキンとこの銃のホップレバーの突起は相性が超悪い印象なので、適当に余ってた中空じゃない押しゴム(海外製GBBにいっつもついてるヤツ)をカマボコ型に切削して、ホップレバーの二つの突起の間に接着しときました。
インナーバレルは内側に変な溝があるうえその位置が微妙にセンターではない時点で信用できないので、個人的には真っ先に交換したいところですが、交換用のカスタムバレルを探すのが難しいです。というのも、ノーマルのバレルを見ると、チェンバーパッキンはGBB/VSR形状なのですが、インナーバレル固定用の溝の位置が電動と同じところにあるからです。普通にGBB/VSR用のインナーバレルだとモナカ構造のチェンバーがちゃんと閉じず、閉じるためにチェンバーの突起を削るとインナーバレルの固定が甘くなり精度に悪影響が出ます。グラインダーなどでインナーバレル側に溝を新設するか、GBBチェンバーなのに電動位置に溝があるバレルを探すか、二つに一つです。幸運にも手元にRa-TechのGBB用ステンレスバレルがあって(真鍮にニッケルメッキのやつもあったけど)、これがGBBチェンバーに電動溝の組み合わせでした。パッと調べたところ、この条件を満たすバレルはRa-TechとMapleLeafの一部製品しかないようですが、個人的に手持ちのRa-Techが有効利用できたので深追いはしてません。ただ内径が6.01mmなので、エアコキにタイトバレルってどうなのよ、という疑問は残ります。この問題は実射で確認するしかないです。
ピストンの交換はシアの交換と合わせて考える必要があり、今回は棚上げです。輸入代理店によるのかもしれませんが、ピストン内部にベアリングワッシャがついているものとついてないものがあるようです。国内パワーにデチューンする際に外されたのか、うちの個体にはついておらず、パワーは0.25gで82m/s前後でした。タイトバレルに換えて83m/s台になり、最終的にピストン内に1cm径のワッシャを数枚入れて、86m/s前後に調整しておきました。
スコープはちょうど余ってたVectorの初代Forester。最大倍率が5倍なので、物足りない感は否めませんが、エアガンの精度を考えても8倍は欲しいところなので、安くていいスコープを見つけるまではちょい物足りないけどこれで我慢します。
気になる命中精度は、このあとの写真でご確認ください。10mでのグルーピングは4cm以内にまとまるいい感じになりました。タイトバレルのせいか、ホップ調整をしていると30mあたりから弾道がバラけるように感じました。
価格が税別3万円程度なので、やたら高価になりがちなエアコキボルトアクションにおいては安いほうに属しますが、レシーバーやアウターバレル等の外装の金属部分がほぼ全てアルミ製で、1万円台の激安ボルトアクションとは確実に差異を感じさせるところがあります。トリガーフィーリングやストックヒンジのガタなど、この辺りは価格相応といったところでしょうか。
箱出し即分解開始の図。パーツ表は付属しているけど、名前も価格も書いてない。 中華ガンではおなじみの初速計測結果もついてました(内容は信頼度0%だけど)。 |
ストックはいろいろフルアジャスタブルでモダンボルトアクションライフルって感じ。 底部にはMlokが2スロット、さらに折りたたむこともできて至れり尽くせり。 |
グリップは前後に調整可能で、角度はかなり急。 M4グリップがつくようになってればよかったのに・・・。 |
グリップを固定するねじはこの細長いスペーサーが挟まれていて強度的に不安。 スペーサーの底に適当なワッシャを挟んでおかないとグリップ割れる、たぶん。 |
問題のインナーバレル比較写真。左上にあるのは付属パッキン。 手持ちのRa-Techでぴったり使えたのは2020年最後の奇跡。 |
10mでのグルーピング。なかなかいい感じになりました。やったことは、 パッキンとインナーバレルの交換、ガタとり、ホップ押す突起の改良。 |