マルイのコピー品メーカーに過ぎなかったWEが長物ガスブロを代表するメーカーに成り上がったのは、このG39Cがきっかけでしょう。WEは製品名に実銃の名前を付けないので、以後G36Cと表記します。
まずは簡単に実銃のお話を。ドイツは長らく7.62mmのG3をサービスライフルとしていましたがNATOで5.56mm弾薬の統一化が行われ、それに準拠する形で新型ライフルであるHK50をG36として96年に採用しました。G3で見られた芸術的なローラーロッキングからオーソドックスなガスピストン式になり、外装は樹脂で徹底されています。命中精度を低下させても軽量化と量産性(価格)を重視したともとれますが、用途から考えると正しい判断と言えるでしょう。ちなみにSCARが出る前、米軍がM4の次に正式採用を予定していたXM8はこのG36にモナカのガワ被せただけのものでした。案の定M4を置き換えるほどの大きなメリットがなくSCARと同じくキャンセルされましたが・・・。
で、このG36ではなくG39ですが、何よりも安い。販売価格は2万円代前半、僕は21000円ほどで購入しました。そして作動はとんでもなくよい! リコイルはWAのM4に匹敵し、目の覚めるような気持ちよさです。耐寒性もかなり高く、気温20℃以上でないとWAとKSCのM4は動きがもっさりしていてフルオートなんて興ざめするだけですが、このG39は17℃でもフルオートでそこそこ動きます。ちょうど春らしくなってきた時期ですので、気温20度で撃ってみると、まさにトリガーハッピーになってしまいます。
ところが、BB弾は頻繁にあらぬ方向へ飛んでいくし、フルオートで銃口から20発に一度くらいポロリするし、バラしてみるとチェンバーパッキンのバリが見たこともないほどひどい。ネットで調べてみるとマルイのハンドガン用パッキンと電動用ホップクッションに交換するといいらしいとあちこちで見かけるので、最寄りのガンショップにてマルイハンドガンパッキンを買ってきて(ホップクッションはなぜかゴロゴロ余っている)つけてみたところ、ホントにばっちり改善しました。右上の写真はそのパッキン。左がWEで右がマルイ。
Ra-Techの精密バレルも購入しました(後から知りましたがLaylaxからもインナーバレルが出ているようです;知ってればそっちにしたのに・・・)。グルーピングも向上しご機嫌になったところで、外装に取りかかりました。
まず刻印。ていうかシールですけど、製品名からもわかるとおり商標の問題を避けるためにHKやG36という文字はどこにもないため、リアル刻印を模したシールを買ってきて貼り替えました。このシール、いろいろあるようですが、手元にある実銃のG36K/G36Eの写真(G36の資料って意外と少なくて苦労しました;HKのサイトでもちゃんとした写真ないし)はいずれもこの配置のロゴです。「赤いHKのロゴが一番上にあってその下にG36と刻印されているものが実銃に忠実」という話も聞きますが、僕の手元で確認できる実銃の資料はどれも赤いHKのロゴ入っていません・・・。それからRASが欲しかったので電動G36C用のRASフロントを取り付け、CRANEタイプのショートサイレンサー、余っていた折りたたみ式のフォアグリップをつけました。ダットサイトはMP7につけてたけど低すぎたため外してしまったAimpoint-T1のレプリカ。フロントサイトのリングが邪魔だったのでばっさり切除(笑)。
実売2万円台でこの動作はかなりオススメです。まともな実射性能のためにはチェンバーパッキンの交換が必須ですが、そんなものこの動作性能の前では些細なことです。M4ばかりのガスブローバックライフルにあって新鮮さを感じずにはいられない大柄なレシーバーを暫く触っていると・・・、やはり何となくM4を見直してしまいます。人間も銃も華奢に見えるほど贅肉をそぎ落とした容姿が僕の好みというわけで・・・。
![]() ピン3本とバレルナット外すだけでここまでバラせる。 チェンバーブロックが異常に大きくて重いが結構ガタがある。 |
![]() リアル刻印を模したシール。印刷になるがオリジナルよりは数兆倍マシ(笑)。 レシーバーの他の部分にも一切刻印なし。ちなみにこのシールはアルミ製で750円。 |
![]() ボルト。巨大な亜鉛製だがかなり空洞でM4より若干重い程度。 ゴム製のリコイルバッファも含めて改善の余地ありと感じるところ。 |
![]() トリガーユニット。ハンマーにローラーあり。やたらネジが目立つ。 パーツ構成は結構複雑で、ばらすと戻せなくなりそうなのでやめた。 |
![]() ボルトオープンの状態。ロッキングラグやボルトフェイスの形状も再現してある。 ボルトストップはトリガーの前にある小さな四角いところでプラ製。解除しにくい。 |
![]() マガジン。亜鉛製のマガジンを半透明のプラで覆っている。リップもプラ。 装弾は非常にしにくい。付属のローダーはゴミだが他社のもので代用もできない。 |
まず外装から。AFG2とSureFireレプリカのレーザーサイトつけて、マガジンに弾が入っているように見せかけるシール貼りました。シールは近くで見るとかなり残念な出来ですが、遠目に見ると雰囲気が出ます。もう少しマガジン外側のプラの透明度を落とせばいい塩梅になりそうなんで、スモークの塗装でもしようかと考えているところですが・・・。AFG2は三角形の形が独特ですが、M4につけた初代AFGが意外にも持ちやすかったのと、見た目でもキャリングハンドルやストックに隙間のあるG36に合いそうだったのでつけてみました。最近の輸入レーザーサイトは国内の規制完全無視で清々しいですね。
それで今回の本題、ボルトにいろいと手を加えてみようかということです。というのも、このG39のボルトは隙間だらけで、リコイルバッファの当たる部分ですら大穴が空いていてバッファラバーの半分しかボルトに当たっていない始末。
そこで左写真のように隙間を埋めてみました。上の方の狭く深い隙間には鉛シートを折りたたんだものを詰めて、硬質ゴムで蓋をした後、耐衝撃性接着剤(乾いてもゴムのように弾力があるもの)で封印しました。真ん中の丸い隙間はリコイルスプリング入るところなので埋めません(笑)。下の方の広く浅い隙間は硬質ゴムを適当なサイズに切ってはめ込みます(雑すぎでちゃんと埋まってませんが)。写真取り忘れましたが、チューブ状になっているバッファーラバーも円筒状に切り出した硬質ゴムで埋めておきます。硬質ゴムはわずかに大きめに切り出し、ハンマーで叩かないと入らない位にします。
ついでにボルト前方についているコッキングハンドルを純正のプラからアルミ製に交換しました。質感もさることながら、純正ではボルトに対してわずかに上向きの角度になっている(上の方にある箱出しの写真参照)のが気になっていましたが、それもまっすぐになってすっきりしました。
実射してみると・・・ボルトが重くなった分、リコイルには鋭さがなくなりドスンとした印象になりました。よくなった、とは一概に言えませんが、個人的には好みの感触です。