2005年夏に5年にも及ぶ開発期間の末、ようやく姿を現したKSCのHK33K。上写真は別売り固定ストックつけたうえ、アウターバレルも取っ払って、サプレッサーつけてるので、結構印象変わってますね。発売当初より酷評され、ERG発売に伴い生産中止となりましたが、プリコックでツーステージのトリガーフィーリングはメーカー製電動では唯一無二のもので、僕の他にも未だに根強いファンがいるとかいないとか・・・。
HK33って言っても、なじみのない人も多いと思いますのですごく簡潔に実銃に関しての概略を説明しておきます。ドイツH&Kがセトメライフルを基に完成させた7.62mmのアサルトライフルが有名なG3ですが、G3とは軍が使用する制式採用の略号(略さないとゲベァー・ドライですね)で、メーカーであるH&Kでのライン名はHK31となります。同じ7.62mm口径でもAKで使用する7.62x39のHK32、そしてM16で使用される5.56mm口径のものがHK33となります。メカニズムはG3やMP5と基本的には何も変わらない、ローラーロッキングです。先進国での採用例がないため、ちょっと銃に詳しくても知らない場合が多いですが、KSCの取説巻末によるとチリやエルサルバドルなど案外採用国は多いようです。
KSCが開発を発表して、実銃リポートを中心に国内メディアにその姿が露出し始めた頃、僕が持った第一印象は「華奢なマガジンのG3」というものでしたが、これはG3の湾曲していないFALと同じようなマガジンがちょっとカッコいいと思ってたからかもしれません。発売延期を数度繰り返すうちに世間の注目も徐々に薄れ、やっと発売となった際も、話題に貪欲な銃雑誌でさえ、ろくに特集記事すら組みませんでした。マルイM14発売時期と被ったことは不運かもしれません。個人的にはM14は全く食指の動かないジャンルですが、前世紀末に国連平和活動から米軍が手を引く原因になったソマリアでの事件を描いた映画で、英雄的特殊部隊員が持っていたため世間的には割と人気があるモデルです。
このHK33、電動フルオートなのにシアが組み込まれています。つまり、マルイの電動ライフルにおいて、気にならない人は全く気にならないらしいですが、僕としては気になってしかたがない点、すなわち「トリガーを引いてから弾丸が射出されるまでのタイムラグ」(便宜上、以下ロックタイムと称します)が根本的に改善されているのが最大の特徴であるため、僕にはバリエーションを待って買うか、待たずに買うか、の2択しかないわけです。ちなみに、このシアがある電動ライフルにはマルイPSG-1という先例があるわけですが、箱出しでフルオート可の製品ではこのHK33が初めてです。
しかしながら、販売価格の安さには驚きです。定価45000円(実売価格30000円前後)は確かに高いように見えますが(同形状のマルイG3A4は定価29800円、実売価格18000円前後)、手に持った瞬間にその価格が激安に思えてしまいます。レシーバーが金属製(アルミ合金)です。マルイG3用のアルミレシーバーのみが2万円前後で販売されていることを考えると、それだけで安いと感じてしまいます。レシーバーの違いからくる剛性については、マルイのG3と持ち比べればその違いは歴然です。まず、きしみがない。そして、首周りのぐらつきが全くない。これ、ホントにすごいです。従来これほどの剛性を得るためには、マルイの銃本体に加えて5万円程度の出費が必要になります。現に僕のSR16も首周りのぐらつきはゼロに近いですが、これはレイルスリーブの追加とアルミレシーバーの交換によって得られたものです。これをノーマルの状態で実現しているというのは、驚くしかありません。またベアリングのギア軸受けを組み込んであるとKSCは言ってますが、これもマルイのノーマルに組み込まれている樹脂製軸受けに比べれば抵抗も少なく、マルイ製品であればカスタマイズに結構な手間と出費が必要な要素です。ただ軸受けについては諸説あり、僕個人的にはベアリング軸受けは費用の割に効果は薄いものだと思っています。またマルイの場合ベアリング軸受けは強度に関しての不安がありますが、KSCのHK33はセクターギアの軸受けがきちんと他の二つよりも大型になっており、強度の問題はさほど気にしなくてもよさそうです。
メカニズムにおける最大の特徴は、先述の通りトリガーが電気スイッチではなく、発射のためにシアを動かすための本当のトリガーであるという点です。この仕組みの副次効果としてバッテリーなしでもエアコッキングでの射撃が可能です。実銃と同じく、マガジンを入れたら初弾の装填はコッキングハンドルを引いて行います。このときピストンは圧縮され、シアにロックされた状態になります。トリガーを引くとシアが外れ、ピストンがリリースされて弾丸射出、ここでやっと電気的なスイッチが入ってモーターの力でピストンは再び圧縮され、セミオートであれば圧縮された状態で再びシアにかかります。このメカニズムによって生じる最大のメリットはロックタイムが実銃と同じく殆どない状態になります。本来トリガーには「遊び」があり、トリガーを引いてもシアが動かない状態(抵抗がトリガーないしトリガーバーにかかるスプリングテンションのみの距離)をファーストステージ、トリガーとシアが連動しはじめてシアが外れるまでの状態(ハンマーとシアのテンションによってファーストステージより抵抗が大きい)をセカンドステージといいますが、マルイ電動ガンにはそのどちらもありません。トリガーは電気スイッチを前後に動かすものなので、「これ以上トリガー引くと発射する」というポイントが掴めません。またトリガーで電気スイッチが入るとモーターが回り、ピストンを圧縮してリリース、発射というプロセスを経るため、ロックタイムは実銃の100倍以上、エアガンとしても最悪の長さとなります。カスタマイズによってそれは多少縮小させることはできますが、根本的な発射サイクルに起因することなので、どうしようもありません。KSCのHK33は、剛性とトリガーフィーリングともにマルイを遙かに凌駕する代物であります。
ではナゼ、世間一般では評判がよろしくないのか。これはトリガーフィーリングを追求したメカニズムゆえに構造が複雑になり、単純さが作動の確実性と信頼性を高めているマルイ製品に比べると、いろいろとトラブルが多いことに起因しています。数百発撃って「慣らし」をしてやらないとセミオートがバーストになったり、弾道が安定しなかったりします。ピストンがリリースされた状態で電源スイッチを入れるといきなりモーターが回ってコッキングするのもびっくりします。電動ガンは基本的にサバイバルゲームで使用する「兵器」であるため、実銃でもそうであるように、兵器に最も要求されるのは命中精度や気持ちいいトリガーではなく信頼性なのです。この複雑なメカニズムはゲームフィールドでのラフな取り扱いに耐えうるかどうか、という点においては疑問を払拭できません。またマルイのAKタイプスティックバッテリー互換のバッテリーを使用しますが、これも高性能大容量バッテリーが殆ど市販されておらず、大容量マガジンも未だ発売予定すらない状態ですので、レギュレーション制限のみでバッテリーやマガジンに制限のない殆どのゲームフィールドでは明らかに不利となります。またマルイ製品が単純明快な操作手順を徹底しているのに対し、コッキングや電源スイッチなどの余計な操作が必要であり、ピストンが中途半端な位置にある状態でバッテリーが切れてしまった場合の対処方法もお粗末なものです(取扱説明書には記述がなく、ショップで購入時に説明された内容では、電源スイッチを切ってトリガーを引いたまま力任せにコッキングハンドルを引く)。操作に一つ二つ手間が多いことに対しては僕は気にしませんが、世間一般はそうではないようです。
僕が購入したものも慣らしが済むまでは、セミオートでトリガーを引いてるのに、2回に1回は2か3のバーストでした。不満げに初めてフルオートで撃ってみたらで10発ほどで動かなくなりました。なんでやねん、と見てみたらヒューズ切れてました。箱出しのままですよ、コレ・・・。肝心のトリガーフィーリングは最高と言わないまでも、明らかにマルイと違ってとてもいい感じです。伝えにくいですが、セミオート時の発射音はマルイが「ウィ・パン」という感じですがHK33は「パン・ギッ」というような音がします。どっちが不自然か、という点については使用者の好みの問題でしょう・・・。
右の写真が5mからのセミオート20発のグルーピングです。5回のうち最も平均的なもので、並んでいる上がマルイSR-16で下がHK33です。コッキングで撃っても、セミオートとフルオートでも、10発に1発の割合でフライヤーが出ます。フライヤーを除けば、ノーマルのマルイよりも若干悪いかなという程度の命中精度です。1000発ほど撃ってますが、このフライヤーの出現頻度は改善される気配がありません。またホップ調整はハンドガードを外して行います。ホップ調整はそう頻繁に行うものではないし、工具もいらないので、マルイと比べて手間だとか面倒だとは全く思いませんが、KSC全製品共通事項として、ホップが強すぎるというのは問題だと思います。0.25gでもホップ最弱でちょうどいい感じです。パッキンがそれなりに摩耗してくることを考慮した設計なのかもしれませんが、慣らしの必要性もふまえると、箱出しですぐサバイバルゲームには使用できない銃である点は確定的です。ちなみに初速は平均0.75J程度でした。
マガジンは複雑な造形のリアルさ満点スチールプレスというKSCの十八番です。マガジンキャッチはトリガーガード前のレバーとM16と同じようなボタンと両方ついており、どちらでもマガジンリリースが可能です。なおM16のようにフリーフォールではなく、G3やFALやAKと同じちょっと斜めにマガジンをつっこみます。スチールプレスのマガジンは確かにリアルでいいんですが、いかんせんサビが気になるところです。素手で触った後は必ずオイルで拭くという手間を心がけなくてはなりません。昔のJACやMGCがそうだったんだから別にいいんですが、リアルじゃなくても、マルイのようなメンテナンスフリーのほうがよかったように思います。また付属のBBローダーはなぜか真鍮のごっつくて短いパイプで、80発満タンに装填するためには2回に分けて入れてやらなければなりません。マルイのBBローダーが使えるので、そっち使った方が絶対にいいです。マガジンに残ったBB弾をリリースするためのレバーがついている点は大いに評価できます。マガジンの品質にはバラつきがあるようで、給弾不良を起こすものが結構あるようです。本体購入時およびスペアマグ購入時にはしっかりチェックすべきです。この辺もマルイに比べると詰めが甘いと思うところです。
イジェクションポートはモールドで、表面加工や塗装には何の変化も工夫もないので、これはリアルさ重視のKSCらしくないと感じてしまう点です。実銃に起因する問題点としてストックが完全に縮んだ状態か伸ばした状態でしか固定できません。縮んだ状態ではUZIなんかと一緒で、パッドプレートがグリップを握る手首に当たってしまうため、射撃姿勢は限られてしまいます。グリップそのものは意外と薄く、中にモーターが入っているとはちょっと思えないほどです。
ま、外見だけでもキレイにしておこうと、マルイ電動G3/MP5用のローマウントベースにマルイM4/SR-16用ハイマウントアームで、タスコのダットサイトつけてみました。マルイのローマウントベースはガタもなく取り付け可能です。一般的にG3/MP5に使用されるマルイのハイマウントベースはガタがあって使えないそうです。実銃用のクリップアーム式等のマウントベースはKSCのことなので使えるかもしれません。また、ハイマウントアームがそのままでは装着不可能だったため、ヤスリと金ノコでちょっと加工してやらなければなりませんでした。ちょっと苦労しましたが、狙い通りデザインバランスは結構好みの感じになりました。またフラッシュハイダーのデザインが気にくわなかったので、KMファントムハイダーを買ってきましたが、実際につけてみてしばらく眺めていると、やっぱりこれもしっくりこないので、その昔APS2につけてたスリムサイレンサーを引っ張り出してきてつけてみました。H-BARやブルバレルみたいになりましたが、こういうスタイルがやっぱり好きなんですよねえ。
ちなみにバッテリーが切れる直前の動作も独特です。バッテリーがなくなってくるとモーターのパワーが弱くなるのでフルオート時のサイクルが遅くなるのはマルイと同じ。しかしシアがあるトリガーメカニズムのため、セミオート時には特に反応が鈍くなったりすることもなく、普通に動作します。いよいよバッテリーが切れかけてくると、トリガーが無茶苦茶重くなります。ギアが咬んだか、壊れたと思うほどトリガーが動かなくなります。無理矢理トリガーを引けば動作しますが、トリガーが折れるかというほど引かなくてはなりません。そして先述の通り、ピストンの途中でバッテリーが力尽きると、面倒な手順が必要になります。トリガーフィーリングを優先したメカニズム故に、いろいろと問題が発生しているのは事実であり、このあたりは単純なメカニズムで高い信頼性を確立しているマルイには抗う術なしといった感じですね。ちなみに、完全充電状態のKSC純正バッテリーで撃てる数はおよそ1000発以下です。マルイに比べると燃費も悪いです・・・。
マルイと違ってフタではなくバーが通っているため 反対のレシーバーからもセレクタの状態がわかる。 |
トリガーガード内トリガー前にある電源スイッチ。 後ろにスライドさせるとオン。ちょっと硬め。 |
バッテリーはストックを外して収納する。充電器は マルイと共用可。勿論KSC純正品も販売されている。 |
ストックは金属製でパッドはラバー。ただし基部は ABSのため、多少のガタがあり、強度にも不安がある。 |
コッキングハンドルは引いた状態で固定可(意味はない)。 引く重さはノーマルAPS2程で、腕力なくても十分引ける。 |
SR16との大きさ比較。ストックをのばせば同サイズ。 HK33は長く感じるがやはりカービンだということか。 |
KSCのHK33は撃てば撃つほど、愛着のわく不思議な銃です。そもそもある程度撃たないと良さがわからないわけですが。
ノーマルでも十分な剛性と何よりもシアに絡むトリガーフィーリングに僕はかなり魅入られてしまっているわけです。しかし、問題はこいつの命中精度の低さ。徹底的にカスタムしたマルイSR-16なんかと比較するのも気の毒ですが、ノーマルのマルイ銃に比べても明らかに劣っているグルーピングをどうにかしたいと、今回はバレルの交換に着手したわけです。
マルイ銃と違ってカスタムパーツは殆ど販売されておりません。数少ない製品の中から最も評判のいいものが、PDIのインナーバレルです。カスタムパーツメーカー各社は如何に自分たちの製造したインナーバレルが精密であるかを、web等の媒体で吹聴しておりますが、このPDIもしかりで、いろいろご託を並べているものを簡潔にまとめると、コーティング等は一切なしのステンレス製内径6.05mm誤差±0.004mmだということです。PDIはメーカー直販ながら6.01mmの超精密バレルも作っており、こちらにはかなり惹かれたのですが、タイトすぎるバレルは弾詰まりをはじめとするトラブルの元なので、6.05mmの方にしました。またついでにサポートバレルという商品名の、ハンドガード内のアウターバレル代わりのパイプとインナーバレルの隙間を完全に埋めてしまうただのアルミパイプも一緒に買ってみました。
組み込みは結構手間がかかります。サポートバレルというアルミパイプをつけなければ簡単に済みますが、アルミパイプを仕込むのにフロントサイトを外して、力任せにアルミパイプを押し込んでやる必要があります。しかしこのアルミパイプ、がっちりインナーバレルを保持するので、組み込み後、インナーバレルのブレは完全にゼロになります。オススメアイテムですが、径の合うアルミパイプをホームセンターや東急ハンズとかで探した方が安上がりだと思います。KSCのノーマルインナーバレルはチェンバーのホップパッキンとその真下のBB弾ホールド用のパッキンのために、上下に2カ所穴が開いており、発射前のBB弾は遊びのあるバレル内で2点によって保持されています。このため保持位置に微妙なズレが常時存在し、これがグルーピングを大きく落としている原因となっています。PDI製インナーバレルはホップパッキンの穴のみとし、BB弾保持位置のズレを最小限になるようにしてあるため、タイトなバレル内径と相まって非常に良好なグルーピングを叩き出します。左の比較図は5mという近距離からレストで計測したものです。
またタイトな内径は初速の向上にも一役買います。0.25g弾使用でノーマルの初速は73.66m/s(0.68J 低72.56高75.11)、バレル交換のみで平均86.69m/s(0.94J 低85.51高87.45)という大幅アップとなり、あと0.05Jで間もなく公布のくだらん規制法に引っかかってしまうところでした。
BB弾ホールド用のパッキン穴がなくなったと言うことは、BB弾の保持する力が弱くなったと言うことで、ポロリしちゃいます。銃口からチェンバー内の弾がこぼれてしまいます。頻度は3マガジン180発撃って9発でしたので、20発に1発程度ですが・・・。これはかなり問題ですねえ。一応どうにかならないかいろいろ試してみたんですが、解決策は見つかりませんでした。ローディングノズルを削ればひょっとしたら・・・と思いましたが、他に問題が出そうだったのでやめました。
HK33はすぐ壊れます。壊れると自力での修理は難しいです。壊れてKSCに修理に出すことを考えると、できるだけノーマルのパーツ構成を保っていた方が賢明です。交換して外したインナーバレル等のパーツはまた組み込み直せるように保管しておきましょう。そんな手間をかけたとしても、見合うだけの効果はあります。ポロリもありますが・・・。
久しぶりにHK33引っ張り出して撃ってみたら、リコイルがないけどやっばりこの銃は面白いと実感しました。プリコックといわれるトリガーを引く前にピストンを後退位置で保持する方式と、ピストンのリリースはシアで行うという他にはないメカニズムで、同社のERG含め他の電動とは明らかに違う撃ち味が楽しめます。KSCが当初言っていたように、電動エアコキというのがしっくりきます。そして手動エアコキで撃てるのも特徴です。ERGの時も書きましたが、HK33はERGでも改善されていないトリガーフィーリングの問題が改善されている唯一無二の電動です。もしこれにERGのリコイルがついたら、と妄想すると涎が止まりません。 ところがKSCもついにHK33シリーズを生産中止にしてしまい、故障したら自分で直すことはまず無理そうなこの製品をどう扱うか悩むところですが、一度ゲームに持ち出してみたいと思うようになってきました。しかしながらスペアマグがもうどこにも売っていない・・・。青く輝く締麗なスチールプレスのガワ被ったマガジンは、5年ぶりに引っ張り出してみても全く錯びてなくて一安心でしたが、キャパ80のこれーつではゲームには心もとありません。ネットで調べると電動AKのマガジンを加工すれば使えるらしいとのことで、早速挑戦してみることにしました。錯びの心配のいらない樹脂製かつ、150以上のキャパというAKマガジン(当然ながら中でジャラジャラ鳴る多弾数マグは論外)で激安のものを購入しました。作業としては、AK用のキャッチがかかる突起を削り落とし、HK33のキャッチがかかる凹みを切削、給弾ロを横にずらす、というもので、全部樹脂の加工なので面倒なだけで難しくはありません。 HK33の問題点は大きく三つあります。ひとつはノーマルでの命中精度の劣悪さ、ふたつめが高圧バッテリーでの故障率、みっつめがマガジンのスタックおよび入手性の低さ。命中精度に関してはインナーバレル交換の文章を参照して頂くとして、ノーマルではフライヤーが出やすい傾向にあり、5mでも5cmほどに散らばるため20m先のマンターゲットはとても狙えませんが、PDIのインナーバレルに換えるだけでいきなりカスタムしたマルイと同等程度に劇的向上します。僕は交換後稀に弾ポロするようになったのですが、ホップが弱かった(ダイヤルで最大に調整しても0.25gでは殆どかからない)のが原因だったため、ホップレバーを嵩増しして0.25g適正ホップに調整すればポロリしなくなりました。なお、PDIがHK33用バレルを生産していた時期は非常に短かったため、既に入手は絶望的です。バッテリーについてはHK33をLipoで運用しているという情報がネットにも殆どなく、昔々9.6VのNiMHで壊れたという言い伝えから、誰もが躊躇しているのだと思えます。関西圏ではゲームでも基本的にセミオートしか使わないので、7.2VであればLipoでも大丈夫だと思います。ためしにミニSサイズのLipoでセミオートで20発ほど撃ってみましたが問題はありませんでした。しかしHK33はバッテリーが少なくなってレスポンスが落ちても気づきにくいので、過放電してしまう恐れがあります。それよりKSC純正のNiCdが10年ぶりに充電しても使えたことに驚きました(NiCdは長期間完全放電状態でも数回充放電すればある程度復活するようです)。そもそもプリコックのHK33は高電圧バッテリーの必要性がありません。フルオートのサイクルには影響するので、各パーツへの負担等も考えると本当に8.4Vが適切だと言えます。純正NiCdは容量が少ないのが難点ですが、まだ入手容易なので数揃えてもいいと思います。ちなみにコッキングせずに電源を入れると壊れるという話も聞きますが、僕は何十回とそれをしてますが壊れたことはありません。とはいえコッキングせずに電源を入れると初弾は空撃ちになるので、先にコッキングしておいたほうがいいです。また撃ち終わったら電源を切って一発撃っておかないとずっとピストンが後退位置になったままなので、メインスプリングがヘタってパワーが落ちてしまいます。マガジンの弾上がりが悪いという話もよく聞きますが、僕のものは全く問題ないです。しかし先述のとおりスペアマグの入手が困難なため、弾上がりの改善策でもあるAKマガジンの加エ流用が現実的です。HK33ではなくHK32になってしまいますが・・・。