相変わらずいいもの作るのに世間の評判がイマイチなKSCですが、このM4も元祖WAや国内メーカー最後発のマルイに比べて過小評価されています。とことんカスタマイズしてやれば、WAだって超えられるんです!(マルイは知りません、持ってませんので・・・)
まず最初に取り上げておかなければならない点は、価格でしょう。定価47040円、実売価格は4万円前後。これはWAの同型機種より17000円ほど安い価格です。しかもレシーバーは箱出しで金属製、勿論フロントサイトやフラッシュハイダーも金属製。WAのM4は樹脂製のため、このメタルパーツへの交換の費用と手間が結構かかるんですよねえ。
レシーバーの刻印やバッファーチューブ、アウターバレルの表面仕上げはWAより遙かに上等。先の香港コピーといい、WA純正はダメな点ばかりが目立つようになってしまいましたね。ただし低価格化のしわ寄せか、レシーバーは染めではなく塗装です。そのため多少の傷で剥げてしまいます。これはレシーバー上面のレールには致命的です。アウターバレルは染めのようで、マルイ用のアクセサリをつけられるように、マズルは14mm逆ネジです。あと気になったのはトリガーフィーリング。セミオート時のファーストステージが少し長い。ちゃんとシアにかかるセカンドの感触はしっかりしているので電動ガンよりは百億倍マシですが・・・。
何よりもいいのがマガジン。レシーバーに突っ込んだ状態ではピンが全く露出しない。ガス注入口もマガジン底部にあるため、外観上はWAよりも遙かにリアルです。反面、装弾数は少なく40発です。個人的にはゴツいシリンダー容量の所為で夏場でさえ10発もフルオートで撃てば興ざめするほどサイクルが落ちるんだから、装弾数が少なくなってもガス注入口を底部にしたほうがいいと思います。ちなみに空撃ちストッパーはなし。マガジンの値段はWAの半額とはいえ、曲げたハリガネと細いスリットで実現できる機能だけに、付けてほしかったですね。
肝心の実射に関しては、WAよりも上ですが、手放しでは褒められない感じです。グルーピングは実によく、7mから3cm以内にまとまります。初速は0.25gで10発平均74.73m/s(0.7J 17℃ 最高79.52/最低70.61)で安定性にはやや欠けますが、このパワーに関しては後ほど少し詳しく取り上げます。リコイルはWAには一歩譲る感じで、致命的なのは耐寒性が低い点です。マガジンを人肌程度に暖めてやれば、WAに匹敵しそうなリコイルで動作しますが、連射したり気温の低下でマガジンが冷めると、リコイルが弱くなるどころかまともに動かなくなります。しかしながら、一度完全に分解してエッジを落としたりグリスアップした上で、「慣らし」てやると俄然動きがよくなります。個体差あるとは思いますが、箱出し状態ではかなり動きが渋かったです。あ、書くまでもありませんが、弾ポロは勿論ありません。
初速の低さについてですが、ボルトのノズル見ればわかるとおり、かなりをパワーを絞っています。これによりマズル直前までの長さのインナーバレルが搭載できており、命中精度の向上に繋がっています。WAのM4は初速がありすぎるためインナーバレルが短く、かつタイトな内径のカスタムバレルも1Jオーバーになるため市販されていません。このバレル長で0.7Jに押さえていると言うことは、アフターマーケットでのカスタムバレルの登場も期待でき、さらなる命中精度の向上もあり得るというわけです。
例のごとく、M4そのままのスタイルは面白くないので、今回はマグプルのMOEスタイルにしてみました。ストックのCTRタイプは、マグプル純正が約1万円もするため半額以下で買える中国製パチものつけてみたので、そこだけ色が微妙に違うんですよね。MOEは「Magpul Original Equipment」の略で、マルイ等のエアガンにつけるトレーニング用アクセサリとして、マグプルのトイガン部門であるMagpulPTSから発売されている一連のパーツです。今回はハンドガード、グリップ、トリガーガード、それからストック(中華コピー)を交換しました。フロントサイトはノーマルの三角ポストのままにするつもりでしたが、やはりダットサイトの邪魔になって仕方なかったので、レール付きガスブロックにしました。フラッシュハイダーはマルイのSR16のものを移植。光学サイトはG&PのAimpointのM2もどきに2xブースターつけてややスナイパー風にしてみましたが、長くてリアサイトの位置が決められず、どうつけても格好悪かったので、アイアンサイトはなし!という思い切った決断を・・・。実はマグプルの前後サイトセットのMBUSも買ったんですがね・・・。
箱出しの状態。ハンドガードやストックも無駄にリアル。 WAと同じくキャリングハンドルも無駄に綺麗な金属製。 |
WAと同じくColt刻印だが、レーザー刻印らしく非常に綺麗。 レシーバーは染めではなく塗装。そこは安さのしわ寄せか。 |
ボルト。亜鉛製だが至る所に燒結金属のインサートがある。 WAでもボルトの摩耗は激しいため、後発だけに研究している感じ。 |
ボルトフェイス。ノズルにはガス流量を絞るために真鍮のパイプが仕込まれている。 補強し切れていないWAと違って、燒結金属はかなり頼もしい印象。 |
ボルトオープンの状態。ロッキングラグやボルトフェイスの形状はWAと同じくほぼ完璧。 レシーバーが塗装のため、この辺りやレールの塗装がすぐハゲてしまう。 |
テイクダウンも当然可能。メカニズムはWAに似たり寄ったり。 ハンマーのローラー等、内部パーツも後発の強みが見られる。 |
マガジン。左がKSCで右がWA。ちなみに値段はKSCがWAの約半額。 継ぎ目やピン等はレシーバーに隠れるため、WAより遙かにリアル。 |
今回の外装の要はMagpulPTSのMOE。色はマグプルらしいFDEでお洒落なツートンに挑戦。 グリップ等はWA用でポン付け可。ハンドガードはデルタリングで固定するが、僅かにぐらつく。 |
KSCのM4は命中精度は高いんですが、WAに比べるとリコイルも弱いし、撃っててあんまり楽しくないなあ、よく当たるんだけどなあ、と思っていましたが、この度夏も我慢できないほど暑くなってきたので、表題の作戦を発動いたしました。
とはいえ、たいそうなカスタマイズではなく、KSC純正のライトウェイトスチールボルトとAngryGun製のアルミ製リコイルバッファに換装しただけという、何の芸もない内容です・・・。
左写真、上の方はリコイルバッファの比較。純正の樹脂性バッファ撮り忘れるというダメっぷりには目を瞑って頂いて、並んでいるのは左からWAのハードリコイルユニットのバッファ、AngryGun製SC用アルミバッファ、AngryGun製WE用ステンレスバッファです。まあ言わずもがなですが、基本的にバッファチューブの内径はWAもKSCもWEも同じですので、互換性はあります。ただし長さによってはボルトストップが機能しなくなるので、自分のM4の状況を見て選びましょう。ちなみにうちのKSCのM4はバッファーチューブごとUBRレプリカに換装し、中にはホームセンターで買ってきた24mmワッシャを重ねて入れてあります。写真の三種(WA製でさえも)きちんと動作しボルトストップもかかります。AngryGun製のバッファはやっと出たか、と思った逸品で、WAがハードリコイルユニットを出したときに、この形状のバッファの効果が絶大だったため、大陸系パーツメーカーがコピーするだろうな、と思っていたんですがなかなか出ませんでしたね。重量はKSC純正が44gに対し、WAハードリコイルユニットは64g、AngryGun製KSC用アルミが79g、AngryGun製WE用ステンレスが193gです。
次に左写真の下の方、ボルトですが、これも左からWAハードリコイルユニットのボルト、KSC純正ノーマル、KSC純正ライトウェイトスチールボルトです。ブローバックの馬力というか力強さは、KSCはどうしてもWAに劣るようで、動作に問題はないんですがどうにもリコイルが弱い。じゃあ馬力に見合うようボルトを軽くしちゃえ、という発想のライトウェイトボルトなんですが、これがどうして、見違えるように調子が良くなる不思議アイテムです。KSCもショートモデルのCQBRからボルトの設計を見直しており、ただ単に軽くなっただけではないということなんでしょう。重量は、WAハードリコイルユニットが252g(真鍮製ウェイト込み)、KSC純正ノーマルが246g、KSC純正ライトウェイトスチールボルトが193gです。
ライトウェイトスチールボルトとAngryGun製アルミバッファの組み合わせはなかなか驚異的で、WAのM4に肉薄するリコイルになります。ステンレスバッファにするとさらにリコイルは強く感じられますが、スピードが落ちるため夏場でなければ厳しそうです。実際どうかはそのときになってみないとわかりませんが、軽量ボルトとバッファの組み合わせは冬場での動作性能に期待が持てます。現にフルオートで撃った場合、気温32度でさえもWAのハードリコイルユニットでは10発程度で明らかにリコイル・サイクルとも落ちてきて、20発頃にはかなりしんどそう、30発は息も絶え絶え、といった感じですが、KSCのライトウェイトにアルミバッファだと10初程度では変化が感じられず、20発でサイクルちょっと落ちたかな、30発でリコイルもサイクルも確かに落ちてる、と感じる程度です。
ちなみにAngryGun製バッファにはバッファスプリングも付属しており、このスプリングの外径がバッファチューブギリギリのため、撃った後のスプリングの震える音が殆どしません。またノーマルスプリングとソフトスプリング等を無理矢理つけて撃ってみましたが、リコイルは付属スプリング使用のときが一番大きく感じられました。またKSC用のアルミバッファにはバッファ終端に入れるワッシャが付属していましたがWE用にはありませんでした。いずれにせよ、このバッファ自体に固いスプリングがついている場合、バッファチューブ終端にゴムが仕込まれているとリコイルは大きく減じられます。ゴムが入っている場合は外すか金属製のワッシャを入れるようにしましょう。
AngryGun製のバッファはかなりおすすめのパーツだと思います。ステンレス製の重さからくるガツンとしたリコイルもいいですが、個人的にはアルミ製のシャープなビシっとしたリコイルの方が好みです。それは昔撃った実銃に近い感触だからかも知れません。
さて、ガスブロM4については、世間では相変わらずどこがいいのかわからんマルイ製が人気高く、次いでWEとWAの名があり、KSCはイマイチな評価しか受けていない様子。個人的には、間違いなくガスブロM4の中ではベストな性能だと思うんですが・・・。そこでぱっとしないミリタリーM4なこいつを中も外もイカした感じにしちゃうべく頑張りました。
写真の通りノーマルの面影はほとんど残っていないのですが、コンセプトはKACらしい構成。数点を除き外装はKACパーツで揃えました。なんだかんだ言っておきながら、結局KSCでも外装は全交換になっていまいました。外から見えるKSC純正パーツはトリガーとボルトフォアードアシストノブ、あとはフルオートシアピンの3つですね。GBBのM4はWAから始まり、KJ、KSC、VFC、WEと続き、現在最後発でマルイも製品化、KJ(タニオコバ)はなかったことにして、KSCはこの中ではマイナーなため対応パーツは実に少なく入手困難です。さらにKSC製でも初期生産分(Ver1)、MagpulやMEGA(勝手にVer1.5と呼んでます)、2015年に一新されたVer2、と各々のパーツ互換性が乏しいのも問題です。Ver1はそれほど豊富ではないもののカスタムパーツが出ましたが、すでに殆どが製造中止、かといってVer2用のパーツはほぼ存在しません。幸か不幸か、僕が持っているのは最初期生産分で、長期戦でパーツを揃えることができました。KSCの初期ロットは何かと評判悪いですが、今回は初期ロット買っといてよかったと心底思いました。
先っぽから見ていきますと、まずハイダーはSPR。専用弾薬を用いて223ロ径とAR15の限界を超えようとした野心作の特徴的なハイダーです。汎用の逆ねじ仕様なので入手は比較的容易で(それでも人気ないので売ってる店殆どなかったですが)Laylaxのアルミ製とKingArmsのスチール製を入手しました。肉厚なアウターバレルはIronAirsoftのアルミ製で、KSCのGBB用アウターでは唯一入手可能だったものです。直輸入しているショップでエンテン経由の半額程度で購入しました。これも生産数/輸入数が少なく入手困難です。ハンドガードはIronAirsoft製のURX3。3.1ではなく3でこのサイズの場合、レール先端にフロントサイトが組み込まれています。電動用ですが各社GBBにも問題なく取り付け可能です。個人的には国内で安価で入手可能なハンドガードはURX3/3.1がー番好きです。昔は4面びっしりレールがカッコイイと思ってたんですがね・・・。
Ver1純正ではモナカ状で耐久性に問題があったアッパーレシーバーですが、なんとVLTORのMUR1に交換しましたよ。KACパーツに囲まれて思いっきり浮いてますね。これはH-Gunという聞いたことないメーカー製ですが、精度や仕上げに関しては何ーつ問題ありません(高価ですが)。スポット生産らしく、購入できたのは幸運だったとしか言えません。ロアレシーバーはきれいなKAC刻印入りですが、これ実はメーカー名不明(ショップではRa-techと言ってましたがバルク品のため真偽不明)の無刻印レシーバーを業者に依頼してKAC刻印とセラコート塗装で仕上げたものです。KSC用のレシーバーは上下とも入手困難な上、選択の幅もなく、そんな中で自分好みに仕上げられる無刻印レシーバーが入手できたのも本当に幸運でした。ロアレシーバーについてるセレクターはCrusader製でKSC用。生産数が多いのか、KSC用にしては珍しく入手容易です。アンチローテーションリンクもCrusader製で実はVFC用。キャップネジの頭の形が微妙に他製品と異なり実銃用に近いと思えたのでこれを選択しましたが、KSCに取り付けるには少し加工が必要です。マグキャッチはKingArms製の電動用アンビマグキャッチ。KACのアンビマグキャッチといえばでかくてダサいのと、ロアレシーバーが専用設計になっているものの二つが有名ですが、どちらも論外(前者は個人的にイヤ、後者はそもそもKSC用レシーバーがない)なので安くてカッコイイNorginタイプにしました。WAやVFCに使えるGBB用のマグキャッチは取り付け不可ですが、電動用なら多少の加工で取り付け可能です。ダストカバーはVFCのHK416用です。一般的なスチール製より厚みがあるので樹脂製なのに丈夫そうに見えて気に入っています。きちんと閉じませんが、閉じる必要がないので、気にしません。トリガーガードはかなり以前に500円で買っておいた電動用ジャンク品ですが、KACプリントなので(本物は社名ロゴではなく甲胃ロゴのはずです)これも加工して取り付けました。グリップはMagpulのMOE-Kです。KACぽさを削ぎますがこの細さとアングルに病み付きになってます。チャージングハンドルはCrusader製。VFC用でこれも取り付けには加工が必要です。ストックはもちろん(?)固定で、SR25タイプです。G&P製のWA用ですがほんの少しの加工で取り付け可能です。アッパーがSR25のように角ばったMUR1であるため、組み合わせるとMUR1なのにKACぼく感じませんかね?? ちなみにSR16が登場した当初は固定ストックだったため、マルイの電動もSR16は固定ストックでした。やっばりKACといえば固定ストックだと思うんですよ。
内部パーツについてはさすがに全取替えにはなっていません。曲者だったのがインナーバレル/チェンバーでした。入手可能なインナーバレルはKM企画とRa-techしかありません。Ra-techはVer1/1.5ユーザーのためにVer2用のインナーバレル&チェンバーをセットで販売しており、これの組み込みに挑戦したのですが、結果はKMのテフロンコートバレル&旧チェンバーに落ち着きました。詳細は省きますが、僕のパーツ構成ではVer2チェンバーは強ホップにしないと弾ポロが頻発したためです。STIのときにも検証しましたが、チェンバーの新旧による集弾性の差は本当に僅少で、旧チェンバーでも全然問題なしです。あとバルブノッカー(ファイアリングピン)をGuarderのスチール製に交換しました。KSCのハンマーは焼結金属のためダイキャスト製のWAみたいに折れることはほぼないですが、ハンマーが叩くバルブノッカーはダイキャスト製で耐久性に疑問があるためスチールに替えておいたほうが無難です。ボルトは以前にお伝えしました純正オプションのライトウェイトのスチールボルト、リコイルバッファはAngryGun製のハイスピードアルミバッファです。ボルトストップは純正品の磨耗・変形がひどくなっていよいよストップかからなくなったので、Newage製のものに交換しました。ボルトストップは消耗品なので純正でもなんでもいいんですが、特売で安かったので。ちなみに焼き入れの硬化処理しておけば長持ちしますよ(ボルトストップの変形防止は後程)。
光学はSPRハイダーに固定ストックという容貌から、マルイ製のショートスコープにしました。最低倍率は1.5倍でダットサイト的な使い方もできるのでこいつにはびったりです。リコイルの強さはWAやWEにはちょっと及びませんが、耐寒性はWAよりはかなり高くWEに迫ります。そして命中精度は電動には及びませんがGBBライフルの中ではトップクラスです。最新のVer2がノーマルでどれほどの性能があるのかは知りませんが、KSC製品はもっと世間で評価されてもいいと思うんですがねえ。毎度ファーストロットの詰めの甘さは弁護できませんが・・・。
ボルトストップの変形防止について考えてみます。マルイがGBBのM4出した時にとにかくウリにしたのがボルトストップの変形を防ぐ複雑な機構でした。GBBのM4はボルトストップあるいはボルト側のストップがかかる部分の変形が避けられません。状況によりますがほんの数回でボルトストップが変形しストップしなくなります。いろいろ試行錯誤した結果、ボルトが後退しきってバッファチューブの底にぶつかって戻る際、ボルトが戻る勢いが強い(速度が早い)とボルトとストップがぶつかる衝撃で変形するものと僕は考えています。そのためハイスピードリコイルバッファを組み込んでいる状態だとボルトの戻る勢いが強すぎて、ストップがあっさり変形してしまうのだと思います。ではどうやって防ぐのか。残念ながら完全に防ぐ方法はありませんが、大幅に軽減する方法はあります。まずはボルトストップ自体を焼き入れして硬化します。WA純正以外はボルトストップはフルスチールのワンピースですので、ガスバーナーやガスコンロで赤熱するまで炎って、氷水でー気に冷却すれば硬度が増します。反面粘りがなくなりますが、刃物ではないので粘りは不要です。ボルト側はフルスチールでなくてもダイキャストにスチールの補強がされていれば問題ありません。そしてボルトが最も後退した位置でストツプがかかるように、バッファチューブ内に大きなワッシャや金属製スペーサーを入れて調整します。殆どのリコイルバッファの後ろ側にはゴムかスプリングがついていると思いますが、これらが僅かに縮んだ状態でかかるようにするのがベストです。つまり、チャージングハンドルを軽く引いてボルトを最後まで後退させてもストップがかからず、少し強めに引いたときにかかるようにしたいです。こうすることでボルトのスピードがゼロに近い状態でストップがかかるようになるので変形しにくくなります。副作用としては、マガジンが冷えてボルトが勢いよく後退できない場合はストップがかからなくなります。
くっきりきれいなKAC刻印。かっこよすぎて涎出る。 セラコートはアッパーのアルマイトと比較しても遜色なし。 |
SPRハイダーにURX3ハンドガード。好みの組み合わせ。 フロントは総アルミなので、見た目より軽い。 |
操作系。トリガーを変えようか悩んだが、とりあえずノーマルのまま。 上下レシーバーは別メーカーだが幸運なことにガタは一切なし。 |
ホールドオープン。ポートカバーはHK416用で樹脂製。 わかりにくいけど、こっち側にはKACの所在地刻印がある。 |
俺にはある野望があった。去年秋、知り合い達とガスブロM4を持ち寄って見せ合いっこした時、ガスブロの魅力は即ちリコイル、ならどれが一番リコイルが強いか、という話になり、その場にあったそれなりにカスタムされた5つのメーカーを撃ち比べた。俺には自信があった。存分にカスタムした我がSR16なKSCが一番だと・・・。しかして最下位はVFCとマルイで争うことになり、最強リコイルはWAとKSCとWEのうち、満場一致でWEに軍配が上がったのだ。満場一致ということは、俺自身も認めた。手塩にかけられたWEの強さを・・・。そこで俺は野望を抱いた。このWEのリコイルを超えてやると!
KAC刻印入れたKSCのM4カスタムから2年。実はその直後からコツコツ特売やらスポット入荷のパーツを集めてまして、漸くパーツが揃ったので、今更ながらKSCのM4A1 Ver2 をこれまた特売でゲット、ショートモデルにカスタムしていきます。冒頭に熱く語ったように、今回の目的はグルーピングとかじゃなくてリコイルです。実際ただ単にリコイルを大きくしたいだけならWAにスチールボルトとステンレス製のラージサイズのリコイルバッファを入れればいいだけなんですが・・・。
まず、ハンドガードは初めてERGを買った時に着けようと目論んで買ったけど、バッテリーが収納出来ず押し入れにしまってあったURX3。アウターバレルはKSC用の製品がほぼ市場にないため、WA用アウターを取り付けられるアダプターを購入し、WA用アルミ製9インチアウターを取り付けます。ただポン付けだとチェンバー位置が後ろになりすぎて、ボルトキャリアを2mmほど押し下げることになり、弾ポロ等の動作不良の原因になりますので、バレルワッシャをアウター基部とレシーバの間に数枚挟み込んで調整しました。
ハイダーは1.5インチのエクステにURXに合わせてインコネル、あるいはURXの内径にピッタリフィットのKX5をTPOに合わせてチョイスします。
インナーバレルとチェンバーが実は最後まで揃わなかったパーツで、先月漸くMapleLeafから出たタイトバレルとチェンバー(どちらもステンレス)と、精度の良さそうなチェンバーパッキンを組み込みます。
グリップは細くて大好きなPTSのMOE-Kで、ストックは今回は小さいのを試してみたくて、MOE-SL-Kのiron製レプリカを着けてみました。
小物ではセレクターはアンビのPTS製SSG。デザイン的にはボテっとしててイマイチなんですが、それは操作しやすさを優先したためと納得できる操作性です。マグキャッチはNorginタイプのアンビですが、これはKSC純正パーツです。過去に出てた海兵隊仕様のモデルについてたものを、HK33の補修パーツを取り寄せるときについでに注文しました。チャージングハンドルもKSC用はPTSの高いものしかないので、Crusader製のラッチだけ買って付け替えました。
ボルトはとりあえずノーマルなんですが、リコイル重視カスタムのため、安くて入手しやすいVFCのハイスピードバッファを入れます。実はKSCのM4はバッファチューブが曲者で、レシーバとのネジピッチが他社のガスブロM4と違うため、交換ができません。そして、なぜか内径が途中から僅かに狭くなっているため、バッファが短いとチューブ中程でバッファが詰まって戻らなくなります。VFCのバッファも当然詰まるので(ていうか知らずに組み込んで詰まって取り出すの大変でした)、チューブの底にかさ上げのスペーサーを入れる必要がありますが、VFCパーツに付属のものを含めて一般的なスペーサーはバッファが詰まるのと同じ理由でチューブの底まで入りません。スペーサーになりそうなものを片っ端からチューブに突っ込んでたどり着いた方法が、10円玉です。これでかさ上げしてやれば、バッファがチューブで詰まることないうえ、10円玉の枚数でボルトの後退距離調整も出来てます。以前にも書きましたが、チャーハンを思い切り引いたときにストップがかかるくらいで調整します。そうすればボルトキャッチが変形しにくくなります。
インパクトハンマーの交換は必須です。ここがKSCのM4の問題点で、パーツ材質に原因があります。KSCM4はハンマーダウン時に、マガジンのバルブを直接ハンマーが叩くのではなく、アルミ製の円筒形パーツ(バルブブッシュ)を叩いて、その円筒形パーツがバルブを押すという仕組みになっています。またハンマーダウンの状態でマガジンを抜き差しできるよう、ハンマーの先端をインパクトハンマーという別パーツとして稼働できるようになっています。マガジン側のバルブブッシュがアルミ製で、インパクトハンマーは亜鉛ダイキャストなので、どちらも変形/破損しやすいという欠点があります。解決するには両方のパーツをスチールにするしかありません。片方だけスチールにすると硬さで負けるもう片方の変形がひどくなるのでお勧めしません。どちらもスチール製がGuarderから発売されています。ただ、インパクトハンマーは現物合わせの調整が必須なので、要注意です。
特売の理由かも知れませんが、買った本体はアッパーとロアのレシーバのガタがひどく、セミオートもたまにバーストになる不具合がありました。完全にばらして、ハンマーとセミ用シアをヤスリで調整して、マジックピン差して改善しました。
光学は1万円前後で買える低倍率スコープでは評判が高いVectorOpticsのForesterを購入(最近新型出たようですけど、買ったのは旧型です)。評判通りのいいスコープです。イルミは暗いわけではないですが、レティクルの交差位置のみの発光で、レティクル全体あるいは一部を発光させる他スコープに比べると発光部分が小さいです。これが狙いやすいかどうかは人次第でしょう。
NOVESKEといえば火を吐く豚さん。 スリムなKX5はURXにぴったり収まる。 |
VFCのバッファ。安くて手に入りやすいので本当に重宝する。 スペーサーはAngryGun製バッファの余り。あとは10円玉で調整。 |
ボルトキャッチ。赤矢印のところがボルト受けるところ。 ちゃんと調整すれば、20回以上ストップかけても変形なし。 |
マガジンとローディングノズルの密着度を上げるための小細工。 ガスの無駄が減り、初速上昇、リコイルも当然強くなる。 |
KSCM4の最大の弱点、インパクトハンマー。これはノーマル。 200発ほど撃っただけで変形がひどい。真っ先に交換する。 |
アングル違うけど、スチール製インパクトハンマーに交換した。 この先端や可動部を削っての調整が必須。ポン付けでは全く弾が出ない。 |
KWAのRadian model1。厳密にはKSCではないけど、KSCと同じメカニズムなので、ここにまとめてしまいます。
PTSがRadianのモデル1をガスブロで出すと聞いたのは、2019年のまだ肌寒い時期だったと記憶しています。その頃はKSCから出るだろうなあ、と思ってて、行きつけのガンショップでもPTSとKSCのライセンス待ちという噂を聞いていました。ところが、海外で発売になってもKSCからのアナウンスはなにもなく、これはマサダのバリエーション展開(*1)と同じパターンか、と思えてきたので、値段も手頃だったことから、KWAの製品を購入してみました。
M4系はお腹いっぱいと言いながらも、これを購入したのは、発作的に民間用モダンARが欲しくなったからで、海外製電動ガンにありがちな、実銃に存在しないオリジナルデザインは絶対にいらないし、実銃にあるパーツの組み合わせも飽きてきたので、実銃で実績のあるメーカーコンプリートモデル、安くて再現性の高いオフィシャル製品、そしてKSC/KWAシステムならマガジンも使い回せる、と思ったからです。
Radianは最近になってよく聞くメーカー名ですが、元々は知る人ぞ知るAXTSで、2017年に今の名前になっています。多くの米国ARマニュファクチャラーと同じく、アッパーモジュール(*2)の他にコンプリートモデルも販売しており、そのラインナップは長らくmodel1と呼ばれる1種類のみで、バリエーションはバレル長や使用弾薬が異なる程度。これは民間用ARの完成形という自負の表れだと言われています。
KWA製品について購入前から外観で気になっていたのは、ハイダーがAACではなくバードケージなのと、ストックがPTSオリジナルのEPS-Cだということでした。ストックは本来はCTRかMOE-SLなんですが、PTSは本家マグプルとは袂を分かったため、MOE-SLに近いPTSの製品として、EPS-Cが選ばれたんだと思います。グリップもMOE-K2ではなくEPGになっていますが、これは形がよく似てるので違和感ないですね。あと、細かい点で言うと、ロアレシーバーのRadianロゴの下にメーカー所在地の刻印がない、ボルトキャリアが普通のAR用で形状も違うしロゴマークもない、ガスブロックの位置が後ろすぎる、という点も気になりました。
個人的にはmodel1は10.5インチバレルのグレーが一番カッコいいと思うのですが、製品は14.5インチのブラックとなります。セラコートに出そうかしら。あとこれも個人的な好みでいえば、SBRではなく14.5インチとしたなら(*3)、フルオートはオミットして、45°セレクタで民間用を完全再現してくれれば最高でした。
特徴的なロアレシーバーのマガジンハウジングのモールドは、マグプルのPMAGと合わせろと言わんばかりですが、KSC/KWAのガスブロPMAGは生産終了から随分経ち、事実上入手不可なのが残念すぎますね。しかもPTSとマグプルが分裂した以上、再生産は絶望的でしょう。ちなみに付属のマガジンはEPMで、注入バルブは海外仕様(Oリング外せば国内仕様になるタイプでした)。
内部パーツはKSC/KWAのまんまですが、ボルトキャリアはスチール製です。ロゴもなければ穴もないし、Radianてガスピストン式やったっけ? そして相変わらずバレルナットが外せないほど固く締め付けられています。これはマジでやめてほしい、KSC/KWAの最大の問題点です。勿論インナーバレルを交換しないと気が済まないのですが、今回はメーカーに頼れないので、何とか外します(後述)。
実射性能は、マガジンを暖めないとこの季節ではまともに動きません(当然か)。リコイルはそれほど強くないですが、いつも通りリコイルバッファを替えれば改善しそうです。初速は箱出しで75m〜78m/s(0.25g/15℃)とそこそこの高さでした(このあたりは輸入代理店次第ですが…)。インナーバレルはアウターの先端ギリギリまで入っているので、タイトバレルに交換してもギリギリ法定内に収まりそうです。
*1:KSCもPTSのMASADAのGBBを販売していますが、製品はノーマルとFDEカラー、ブラックの10.5インチの3種類のみ。海外ではレールハンドガード含め多くのバリエーション展開されている。
*2:アッパーレシーバーからマズルまでのパーツ構成。米国ではロアレシーバーが銃として登録されるため、アッパーのみだと銃購入の手続きが不要になることから、こういった販売方法が多い。命中精度やパワーはもとより、5.56mmマガジン互換であれば弾薬種類もアッパーに依存するため、既に手持ちのロアレシーバーがあれば組み合わせても実用上の問題もほぼない。
*3:米国ではバレル長16インチ未満かつストックがついた銃はショートバレルドライフル(SBR)と呼ばれ、民間での所持には個別申請・登録が必要になる。許可が下りるまでに時間がかかるのと結構な額の税金が必要になるので、軍用で一般的な14インチに近いバレルにハイダーを溶接してバレルと一体化することでバレル長を16インチとして、SBRとなるのを回避している。
レシーバー左側面。これぞ民間用モダンARって感じ〜。 本来はこのRADIANロゴの下に所在地が彫られているはず。 |
レシーバー右側面。ポートカバーを樹脂製に替えたい。 本来はADACのロゴの下にPTSロゴなんて入っていない。 |
マズルあたり。PTSやMagpulのサイトは好きじゃない。 ハイダーはバードケージ。バードケージ、いくつ余ってるだろ・・・。 |
ストックとグリップもPTS製。このストックは似合わない。 PTSはMOEみたいなCTRクローンをなんとか用意すべき。 |
ロアレシーバー内。基本的にKSCといっしょ。 ボルトストップだけは結構違う(アンビだし)。 |
ボルトはスチール製。マグネットのトロがくっつく。 とはいえリアルさとは程遠い形状なので残念。 |
最近よく見るRaptorチャージングハンドル。実はRadianが本家。 前身のAXTS時代はこれとADACロアレシーバーで有名になった。 |
MapleLeafのバレルとチェンバー。変態の・・・?? 現状、このパーツしか交換用の選択肢がない。 |
ディスクグラインダでバレルナットを切削して取り外した直後の状態。 色々思うところはあるけど、結局これが一番早くてレシーバーも痛めない。 |
外した後のレシーバー側のアップ。やはりネジロックは不使用。 ただ親の仇を絞め殺すような強さで絞められているだけ・・・。 |
■カスタムしました
年末年始の休みを利用して行ったカスタムをご紹介いたします。
<外観>
・AACハイダー:意外と製品ないんですね。ローレット部分のエッジがダルダルな格安品は嫌だったので、探すの苦労しました。
・CTRストック:Amazonで1500円で買いました。値段の割に出来はいいです。ただガタガタなので、アルミ板で調整しました。
・グリップ:結局そのままです。ガスブロ用のMOEK2レプリカを買ったのですが、出来がイマイチで未だにつけるか悩んでいます。
<内部>
・ローディングノズル:後部のOリングをシールテープで嵩増ししてボルトとの気密を上げ、少々寒くても動くように調整しました。
・インナーバレル&チェンバー:MapleLeaf製の内径6.02mm、全長37cmに交換しました。初速はこの冬場に0.25gで86m/sとヤバめな感じ。
・リコイルバッファ:例のごとくVFCのスピードバッファに交換、10円玉と適当なワッシャをスペーサーにしました。
インナーバレル交換する場合にはバレルナットを外す必要がありますが、これがKSC/KWAの製品では一筋縄ではいかない作業です。ただ「硬く締め付けてある」だけなんですが、個人で外すことは不可能と断言しても構わないでしょう。僕が試した内では、ERGのセンチュリオンCM4とGBBのVer2はバレルナットレンチで外せましたが、ERGのMagpulとMATEN、そしてこのRadianは不可能でした。MATENに至っては万力で挟んで専用ツールであるバレルナットキーを使って思いっきり回したら、レシーバーに亀裂が入る始末・・・。KSC製品の場合は、KSCに送れば工賃1000円くらいで綺麗に外してくれますが、往復の送料も含めると結構高くなるうえ、KWAに至っては頼る先もないので、グラインダーで削り落とします。一般的なバレルナットの場合は、完全に壊しても適当に買える(G&P製とかリアルサイズで1000円ちょいなので助かる)のですが、Raidianのナットは独自形状なので、交換しない前提で最低限の切削で外すようにします。ハンドガードの固定が左右なので、ナットの上側を削り、それで動かなければ下側も削ります。グラインダーは手工芸用の卓上タイプと日曜大工用のガチなディスクタイプがあります。前者は夜中に部屋で使っても階下の人に振動が聞こえるかな、という程度ですが、後者は部屋の中で使うものではありません(耳栓が欲しくなるレベルの騒音です)。ただパワーは20倍以上違うので、今回はディスクグラインダーを使って、10分ほどで外しました(卓上グラインダでは2時間以上かかると思います)。
実はその前に馴染みのガンショップで外せないか相談したところ、電動ガンなどではバーナーで炙って金属を膨張させると外しやすくなる、とのことで、その場でやってもらったのですが、結果外れませんでした。因みにバーナーで炙ると中のパッキンの他に樹脂製の「アジャストリングガイド」というパーツが溶けて交換が必要になりますが、このガイドはカスタムパーツとしては存在しないので、KSCから取り寄せることになります。KSCの場合、電動でもGBBでもバーナーで炙ると、溶けてメーカーから取り寄せるしかないパーツがあるので、バーナーよりグラインダのほうがいいでしょう。