■ KSC M9A3 (2018/12/02)


 1985年に1911から米軍制式の座を引き継いだM92Fは、制式名M9となり、四半世紀以上が経過しました。2010年代になり、次世代の制式銃を決めるコンペティションが実施され、紆余曲折の後2017年、SIGがP320でM17の座を勝ち取りました。
 ベレッタがこのコンペティション、通称MHS(モジュラーハンドガンシステム)に参加あるいは更新そのものを中止させるべく、MHS選定初期の2014年に米軍に提示したコンセプトモデルがM9A3です。同じくライフルが数度の更新の動きがありなからも、その度にAR15/M4の継続となっており、M92FS/M9も従来のリソースを利用することによるコストメリットをアピールして継続を狙っていたわけですが、残念ながら、グロックがすでに世界中のハンドガンのスタンダードを変えてしまった現在、M9ではMHSの要件を満たすことが出来ず、米軍は早々にベレッタに戦力外通告を出しました。
 そうして、真っ先にMHSレースから脱落したM9A3でしたが、M92Fファミリーの最新モディファイであるということから、製品として注目を集めており、民間への販売が開始された後は売れ行きは好調のようです。

 さて、KSCのM9A3ですが、真っ先に言えることは、金ピカ。タンカラーとかダークアースとかではなく、ゴールド。アホか。製品化の際に、ベレッタのサイトででも写真確認すれば明らかに色が違うことがわかったはずなんですが、何なんでしょうね。リアルさがウリのKSCももう台湾品質に落ちてしまったという左証でしょうか。
 実物のフレームはダークアースに近いメタリックで、金色ではありません。そのためスライドのダークアースがフレームと微妙に色が違ってて、とてもカッコいいのですが、KSCのはスライドもダークアースではなく、タミヤスプレーに近いタンカラーです。このため、M45のようにFDEなカッコ良さが微塵もなく、全体的に真っ黄色いチープさしか感じられません。そこで、購入翌日、早速塗装です。予算があれば、セラコート業者に依頼するのがベストなんでしょうが、外装はほぼ全て(スライド、フレーム、アウターバレル、グリップ)塗装するので、安上がりなスプレーでやりました。用意したのはインディのダークアースとコヨーテタン(3000円弱とスプレーとしての単価は高いですが、容量が多いので実はそれほど高価ではない)。フレームとアウターバレルはダークアース(メタリックは諦めました)で、スライドとグリップはコヨーテタンです。わざとグリップは薄めに吹いて、スライドと僅かに色が異なるようにしました。ホントはグリップは社外品に交換したいんですがね…。ハゲ予防のため、グリップ以外はフラットのクリアコートを重ねておきます。一応実射200、空撃ち200で400発ほど動作させましたが、スライドとフレームの接触部分に僅かなハゲがある程度で、これも分解しないと見えないところなので、サバゲーとかヘヴィデューティな使用でなければスプレーでもそこそこ大丈夫そうです。ま、ハゲたらまたそこだけ塗装すればいいだけですし。

 実射性能は申し分ない感じです。気温15℃での平均初速は0.25gで67.5m/s(0.57J 最高68.5 最低66.0 10発計測)で、この気温ではマルイの最新メカであるM45より強いリコイルで、G19と同等といったところです。リコイルはHWらしい強さがあり、Vertecのスリムなグリップは握りやすく、少し温めると撃つのが楽しい銃です。


箱出し状態。背景が明るいときれいなタンカラーに見えるが・・・
(スマホのお任せ機能がすごいと実感しました)


他のFDE銃と並べてみると、めっちゃ黄色い。光って見えるくらい。
M4のグリップやストックはMagpul純正なので、これが標準FDEかと。


わかりやすくマルイM45と並べてみる。めっちゃ黄色い。
何考えてこんな色にしたのか、本当に理解できない。


塗装後にM45と並べてみる。めっちゃカッコよくなった。
マグバンパーはあえて塗装していないのでやたら目立つ。


WAのバトルダメージとKSC旧メカのエリートと比較。
黄色いのはさておき、フロントセレーションは欲しかったな、と。


ホールドオープン。旧メカと違いフルストロークで止まる。
黄色いのはさておき、動作性はかなり高く撃ってて楽しい。


フレームだけ塗装した状態。スレッドカバーはスチール製に交換した。
このままでもいいか、とも思ったが、やっぱり全塗装することにした。


同じくフレームだけ塗装状態。こうやって見てみるとスライドの黄色さが気になる。
刻印については、グリップにベレッタロゴがなく、スライドのPBがPPになってる。


本当に色だけまともなら、文句のつけどころが殆どない製品。資金に余裕のあって全分解に躊躇しない人は、ぜひセラコートに出してほしい。
スプレー塗装でもお座敷撃ちではハゲないが、塗膜の固いクリアコートは必須かと。今回は塗装の上塗りだったので、プライマーやサーフェイサーは使っていない。







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