アパっ、もといMP5です。VFCからGBBのMP5が出ていますが、欲しいと思いながら最終弾発射後にボルトが止まらない=空撃ちが続くという仕様がガッカリすぎて買わずにいました。そこに僕らのWEがその問題を解決したMP5を出してくれたので買ってみました。
MP5はSMGの歴史を塗り替えた傑作です。従来SMGは至近距離で弾をばらまくというのが主な用途でした。トンプソンの戦場での愛称はタイプライターやピアノではなくトレンチブルームやトレンチスイーパー(M1897トレンチガンと勘違いしやすいですが、塹壕の敵を一掃するという意味)でした。2次大戦後モーゼルの技術者はフランスでセトメライフルを造り、旧西ドイツに戻るとHKを立ち上げセトメをベースにしたG3を完成させます。そしてボルトの解放にG3と同じローラーロッキングを利用し、クローズドボルトで射撃を行う高精度のSMGを1966年にMP5として発売したのです。1977年のGSG9によるルフトハンザ機ハイジャック事件の解決にこのMP5が大活躍したことを受け、各国の警察・特殊部隊がこぞって採用を決め、今現在も主力装備の一つとして使用され続けています。
後に出てきたP90やMP7といった警察・特殊部隊向けのPDWがなかなか普及しないのは、安価な9mm弾が利用できて精度の高いMP5が浸透しているのが最大の理由だと言われています。
で、今回の商品名は「APACHE」。ハコにも取説にもヘリの絵に飛び出し文字のロゴがあしらわれており、カッコいいことこの上ない! この中華な感じ嫌いじゃないですよ、決して好きじゃないですけど。
MP5Kが先行して販売されていたようですが、ストックがついてない長物には興味がないので、買ったのはA4です。先述の通り、VFCがHKのライセンスを取ってGBBのMP5を出していて、欲しいとは思っていたんですがマルゼン製イングラムと同じで弾を撃ち尽くしても空撃ちが続くというのが、あまりにもガッカリだったのでスルーしていました。フォロアーの交換でKSCのイングラムと同じようにボルトが半閉鎖で止まるようになるらしいのですが、それってローディングノズル壊れないのかしらん、と思ってたときにWEからの発売の情報を知った次第です。
日本の代理店経由のものは高い(定価68000円!)ですが、これは消費税増税前に直輸入してるとこから税送料込みで37900円で購入しました。ヘリみたいな商品名はさておき、ショップによってはMP5A2とも書かれている場合がありますが、セレクターのポジション表記がアイコン(ピクトグラム)になっているのとバースト機能があることからA4になるはずです、たぶん。
外装は実銃でも目立たないHKロゴがないだけで、スチールプレスのレシーバー等リアルさ満点です。VFC製にはHKロゴがある反面、余計な6mmやライセンス刻印があるようですがWE製品にはどっちもありません。最終弾発射後にボルトを止めるギミックは独特で感心しました。相変わらず内部パーツはダイキャスト多用で脆そうですが・・・。
インナーバレルはACRと同じく半独自仕様。従来のWE用カスタムインナーを削らないと取り付け不可です。ACRはRA-Tech、今回のMP5はAngryGunのステンレス製インナーバレルをグラインダーで削って取り付けました。ホント面倒ですね。苦労する分だけカスタムした実感はありますがね。
リコイルはWEらしくかなり強め。しかもスピードが早く撃っていて滅法楽しい。意外に今までのMP5ではなかったバーストポジションがあって、これがさらに楽しさを倍増させてくれてます。気温25℃前後でフルオートでも20発くらい目まではサイクルが落ちません。他のWE製品と同じく耐寒性は高いと思います。ストックががらんどうなためか、射撃音が大きいのも特徴です。サイト調整の仕上げに1マガジン45発をバーストで一気に撃ちきったとき、耳に少し痛みが残るほどでした。マガジンはダイキャスト製で正面のフォロアー用スリットからBB弾が見えます。リアルなスチールプレスのガワ被ったものも別売りされていますので、錆を恐れずリアルさを追求する向きにも満足頂けるかと。
HK33につけてるマルイ純正のマウントが装着可能でしたが、レールが無駄に長いのでマルイMP5用のNBアルミ製ショートマウントを購入し、アウトレットで激安(3900円!)だったT1レプリカをつけてみました。何がアウトレットかと思ったらマウント部の不良で20mmレールにフィットせずガタガタ。T1のマウントは何故か低いのも高いのも余ってるので、交換して問題なく使用できるようになりました。銃の部品はガラクタでも置いておく物ですね〜。
![]() 箱出し、というよりまだ出してない状態。ハコの外はかっこよすぎて載せられない。 QDフラッシュハイダーが付属。取説の表紙のかっこよさにもシビれるぜ。 |
![]() さっそくバラバラに。インナーバレルはACRと同形状。 チェンバーを固定しているピンが鬼固くて苦労した。 |
![]() マルイ純正のMP5/G3用ローマウントベースが利用可能。 しかしT1つけたいのにレールが長くマルイロゴが見えるので却下。 |
![]() ボルトとリコイルスプリングとリコイルバッファ。バッファは樹脂製。 リアルさはVFCの方が上らしいが、リコイルはたぶんWEの方が強いと思う。 |
![]() 最終弾発射後、フォロアーが一番上までくるとレバーで バルブノッカーの動きを上方向にずらしてバルブを叩かなくする。 |
![]() グリップは薄い。モーターが入っている電動とは雲泥の差。 ACRはここが残念すぎただけに、素直に嬉しい。 |
![]() バーストポジションあり、小気味よく3点射可能。これは嬉しい。 ハンマーダウンの状態だとセーフの位置を過ぎて写真のとこまで回る。 |
![]() ボルトオープン。実銃と同じくボルトオープンで止める切り欠きあり。 実銃のMP5もボルトストップを持たず最終弾発射後ボルトは閉鎖位置で止まる。 |
![]() レシーバーはスチールプレス。マグネットのトロがひっつく。 ボルトはダイキャスト。小さいしスチールにして欲しかった。 |
![]() マズルもスチール製。マグネットのトロもちゃんとひっつく。 MP5らしいマズルのローレットは当然14mm逆ネジで取り外し可能。 |
![]() マグネットのトロがひっつかない! フロントサイトはダイキャスト、 付属のフラッシュハイダーはアルミ製。真ん中の丸いフタはスチール。 |
![]() マガジンにはバルブノッカーに連動したレバーを動かす突起がある。 弾入れたらこの突起も手動で下げなくてはならない。空撃ち機能あり。 |
![]() インナーバレルはKAC PDW用のAngryGun製ステンレス6.03mmを加工して利用。 下の真鍮が付属のもの。チェンバー側を5mmほど、マズル側を1cmほど削った。 |
![]() 当武器庫のHKライフルを並べてみた。左上のHK33以外は全てGBB。 口径をバリエーションと考えれば、HKの代表的な長物が揃った感じがする。 |