KSC初期を代表する製品となったSTIは、当初動作性能が非常に悪く、発足間もないKSCの評判を大きく落とすことになりました。しかしKSCはめげずに改良を続けSTIは十分競技でも使えるものになり、今でもSystem7にも更新され、ますます性能を上げて今に至っています。
実銃のプロフィール調べようとしたんですが、いろいろ検索しても何も出てこず断念です。日本語のサイトではどこも同じで「P7カスタムでお馴染みドイツ人ガンスミスのシューマッハ氏が手がけたヨーロピアンカスタム」という内容の説明ばかり。誰だよ、シューマッハって? 英語サイト検索しても、F1ドライバーの名前ばかりで手がかりすらありません。まさかKSCオリジナルのカスタムガンってことはないと思いますが・・・。
ベースになっているのはFalcon3.9で、2011フレームのオフィサーズサイズのレースガンですね。短いレースガンってどういう意味なのか、よくわかりませんが、世の中には特定のサイズのハコに収納できる銃のみ使用可能というレギュレーションもあるようですので、そういうものか、あるいはただ単に多弾数をできるだけ軽く持ち運びたいという過剰自己防衛マニア向けのカスタムなのかもしれません。ホントこのへん、実銃の資料なしなのでわからないことだらけです。
エアガンとしての出来はというと、KSCお得意のパーツ在庫処分のためのバリエーションモデルですが、お家芸の上質な後加工満載の逸品です。フレームはタイタンと同じくアルミ製。勿論従来製品と同じくプラのチェンバー、アルミのアウターバレルですので全体的に軽量ですが、ステンレスのリコイルスプリングガイドのおかげで前後バランスは結構いい感じです。スライドは穴あけられた上、側面の半分以上をフレームとツライチに削り落とされているので、強度的にかなり不安な状態です。付属の説明書の追加文章として、コレクターアイテムなので強度は低く高温下での射撃は避けるよう書かれてあります。スライドを金属にしろとはいいませんが、強度的に不安がある部分には内側に鉄板を仕込む等の補強策を講じてもいいんじゃないかと思いますが・・・。メカニズムはSTIのレースメカバージョンのままで、誰もが(え?誰がって? 少なくともここに一人・・・)期待しているSTIのSystem7化は今回も見送られた形です。
グルーピングはKSCのショートモデルにしてはいい方で、5mから6cmほどにまとまります。ただでさえ軽いABSスライドを3.9まで落とした上、穴あけて側面削ってあるので、ブローバックは軽快そのもの。確かに熱いマガジンで速射したら、BB弾と一緒にG18のごとくスライド前面まで飛んでいきそうですな。
年間数量限定生産品、とかいう限定と託けて売れたら再生産するというKSCの汚い商法モデルですが、同時発売のSTIカスタム3モデルのうち、このシューマッハエグゾーストのみ予約完売、発売日には流通在庫のみという状況でしたので、このモデルだけは来年あたり再生産される可能性あると思います。
スライドとフレームのシルバーに紫のグリップ、絶対売れないカラーリング再登場のKSCのハイブリッドリミテッド。とにかくこのカラーリングを第一に考えていろいろつけてみました。
KSCオリジナルの状態では、オールシルバーの本体にトイザらスパープルのグリップのみです。これにハイブリッドリミテッド2000のマウント自作&グリップ交換を行った際に余った(?)メタリックムラサキのマウントとマグウェルをつけてみました。そしたら、まあ、なんと、ケバい銃にも色彩の統一感が生まれて、おしゃれなレースガンっぽく見えなくもないじゃないですか。
ダットサイトもノーベルアームズの小型チューブのシルバーをつけてみました。ダサケバと紙一重のクールさを演出してみたつもりなんですが、なかなかイケてないですか?
実射性能はといいますと、同2000と違ってノンホップではありませんので、厳密にはグルーピングは若干落ちているはずですが、それでも並のエアガンよりも集弾性は上です。ボーマーのリアサイトがついていますが、マウントつけた時点で使えなくなりますので、サイティングはどう見ても狙いにくそうな小型チューブのダットに頼ることになります。射撃に慣れている身としては、標的に向けて銃を構えると、ある程度は標的に近い位置に銃口が向くので、ダットサイトが小さかろうが、ダットを見失うことはほとんどないわけですが、ホントに狙いにくいです、この小さいチューブは。
銃そのものの中身はSTIシリーズそのまんまですので、KSC製品にしてはよく動きますが、リコイルや耐寒性ではWAに一歩譲るといった感じです。
あと、標準のマグバンパーではマグウェルつけると入らなくなります。スペアマグを用意するときは要注意です。マグウェル対応のマグバンパーが入手できない場合は、バンパーの上半分をヤスリで薄く削ってしまえば、何とかなりそうですが。
レースガンのくせに見た目重視でセットアップ。性能もまあ悪くないけど、メッキが剥げるが怖くてバカスカ撃てない、なんとも無駄と矛盾だらけの代物ですな・・・。
STIはテキサスにあるメーカーで、ガバメントをハイキャパシティにしたメーカーとしては最も成功したところです。
ガバメントのハイキャパシティ化はいくつものメーカーが挑戦しており、STIの他にもパラ・オーディナンスやチップマコーミック等がありますが、STIはフレーム(シャーシ)とグリップ部分を分割し、グリップをプラで作るという設計のため、軽く薄く握りやすく、レースガンとして個性の出せるカラーリングも可能になり、アメリカのハンドガンシューティング競技において圧倒的なシェアを獲得しています。このハイキャパシティシステムをSTIは「2011」と呼んでいます。1911の100年後の姿というネーミングです。もうまもなくその年になりますが、このシステムを超えるハイキャパシティは出そうにないですね。
我がガンラックにはKSCのSTIが五挺ありますが、今回はそのうち二挺、タイタンとナイトホークです。
まずタイタンですが、これは名前が示すように、実銃はタイタニウム(チタン)のシャーシを使用して軽量化を計っています。それに倣ってKSCのタイタンもシャーシの材質がアルミになっており、重量的にはかなり軽く感じます。願わくば、アウターバレルをステンレスないしダイキャストやカッパーのステンレスメッキにして重心をもっと前に、フロントヘビーにして欲しかったのですが・・・。
ナイトホークは4.3インチワイドフレームモデルです。実はエッジが出たときから、このナイトホークかファルコン(オフィサーズサイズのナロウフレーム)をずーっと待ち望んでいたわけで、ハンターとかイーグルとか長い方にバリエーションが行ったときは泣きそうになりましたよ。フレームは亜鉛ダイキャストで、タイタンより小さいのにタイタンより重くなっています。しかしながらマズルまで延びたフレームのダストカバーのおかげでフロントヘビーになっており、ウェイトバランスという点ではベストです。ノバックサイトにはホワイトが入っておらず、使いにくいです。しかもホップに関係なく、サイトした位置よりも着弾点は5mの距離で4〜5cm上にズレるという問題点も。
珍しく、グルーピングを取ってみました。5mでレストして10発3回の平均グルーピングは53mm。なんとタイタンも同じ数値でした。ついでにハイブリッドも計測したら35mmでした。