東京マルイのガスブローバックの評判を一気に高めたのは、コンパクトモデルながら命中精度の高かったG26でした。とはいえコンパクトにしては、という前置きが必要なのは確かで、実用に足る精度となったのはフルサイズのG17以降でした。
実銃の世界では最近、グロックのレースガンも多数見られるようになりました。今回はそんな中でも最も注目度の高い Salient Arms International(SAI)のグロックの内、3rd Gen フレーム(中年のガンマニアにとってサードジェネレーションというとどうしてもSWオートにエイリアスされてしまいますね・・・)の G35 を東京マルイの G17 をベースに可能な限りレースガンに仕上げてみました。
グロックはハイグリップが可能かつポリマーフレームで軽量とレースガンに理想的な要素を持ちながらも、ストライカー方式のためトリガーフィーリングが絶望的に悪く、レースガンとしてはユーザーもメーカーも長らくあまり支持してこなかったのですが、1990年代後半になってからグロックをレースガンにするガンスミスが徐々に増え、スティールチャレンジのような大会でもグロックを使用して上位入賞を果たすシューターが目立ってきました。たしかグロックが Team Glock を立ち上げて競技に取り組み始めたのが1994年頃だったと記憶しています。僕はカスタムされた実銃のグロックを撃ったことがないので、実際トリガージョブがどの程度効果があるかは知る由もありませんが、ノーマルのグロックのトリガーは粘っこい感じで撃っていてもあまり楽しくはありませんでした。
エアガンの場合、機構上の理由でストライカーは再現できません。発射時のパワーソースとなるガスがチェンバーではなくマガジンにあるため、フレーム側に発射機構を持つ必要があり、どうしてもハンマーを利用することになります。マルイもKSCも内蔵型ハンマーで動作します。そうするとあの粘っこいトリガーフィーリングは無関係となり、エアガンにおいてはグロックは理想的なレースガンとなり得るわけです。しかし常にSAからの射撃となるわけで、サムセイフティがないのは問題だと思います・・・。
で、なんでG35かというと、レースガンと言えばロングスライドだからで、現状これしか選択肢がなかった・・・。G17LやG24といった6インチバレルのモデルはグロックのカタログからも落ちて久しく、SAIのメニューにはあるもののエアガン用アルミスライドは発売されていません。となるとG34かG35しかないわけで、SAIのG34はスライド側面の肉抜きがカッコイイのですがクリス・コスタが使っていたということで人気が高く、今回方々探しましたがどこも売り切れでした。個人的にクリス・コスタは好きな理由も嫌いな理由もなく、全く無関心なんですが・・・。そんなわけでG35にしましたが、このスライド、所々かなり薄い! 軽量化のため、そこかしこがえぐられたデザインのためで、耐久性にはかなり疑問符がつきます。更に穴が空いているG34だったら、夏場は怖くて撃てないと思うので、結果G35でよかったと思います。
外装ではマルイ製パーツは殆ど見えません。フレームのトリガーピンとリアシャーシを留めているピンのそれぞれ頭、そしてリアシャーシのレール後端が見えるだけです。スライドは Airsoft Sergeant 製。ゴールドのバレルは付属で真鍮製、錆びないようにメタルプライマー吹いておきましたが、すぐハゲそうです。前後サイトはスチールの Detonator 製。このメーカーのサイトは蓄光材を銀色の金属リングの中に入れているため、昼間でも夜間でも非常に見やすくて、大変気に入っています。唯一最大の問題は某半島製というだけで・・・。フレームは Guarder 製で、OCT STRATEGIC というショップにSAIフレームの加工を依頼しました。シリアルプレートとマグウェルも Guarder 製。スライドロック(スライド外すときに下げるヤツ)とスライドストップは Guns Modify 製のシルバー。マグキャッチはKM企画のステンレス製。実銃にあるカタチのものかは不明ですが、押しやすくいいアクセントにもなって気に入りました。
トリガーはSAIのロゴ入り。Guns Modify 製でアジャスト可能ですが、アジャストできるのはファーストステージ、つまり「遊び」の量で、ガバ系のようにリセット距離を調整できるわけではないので残念です。ただしアルミ製で質感や見た目はとてもよく、トリガーセーフティもアルミ製で金銀黒が付属、今回はバレルに合わせて金色にしてみました。
内部パーツも納得のいく限り交換してみました。今回期待しているのはインナーバレル。Laylax が出した6.00mmというハンドガンだから許される超タイトバレルです。これに PDI のチェンバーパッキンを組み合わせてみました。リコイルスプリングガイドは個人的に気に入っている Laylax のベアリングタイプ。テフロン加工されていて徹底的に滑らかに動かそうという姿勢が◎。ただし付属のスプリングは120%となっていて、冬場はしんどい。そのためスプリングだけ Protec 製にしています。AIP 製アルミ製ブリーチは劇的に軽量化でき、強度も得られる逸品ですが、アルミ削り出しのため実売6000円弱と高価。その中に Silver Back 製のピストンを入れました。ピストン付属のアルミ製フローバルブは効果はさておき満足度高いですが、ハンドガンでは初見の負圧式シリンダヘッドはアルミブリーチには取り付けできず残念。Guns Modify 製の Zero Hammer Ver3 は抵抗が少ないと標榜しているハンマーですが、気のせい程度にノーマルハンマーよりコッキング時はスムーズに感じました。先のアルミブリーチとの組み合わせでは若干の調整が必要でした。
では各種計測を。諸事情で初速は正しく計測できませんでしたが、何発か計測できた平均値は0.65J。当初気温が10℃以下でも0.8J超えていたため、夏場と燃費を考えて調整しました。重さは813g、マガジン抜きで514g。実銃のG35が1020g/695g、SAIモデルは未公表のため不明ですが、ちょっと軽い気がしますね。グルーピングは意外に奮わず、5mで5cm程度。バレル周りのクリアランスをタイトに調整してみようと思います。それでダメなら期待していたLaylaxのインナーバレルを別の物に交換してみます。
概して、満足度は高いカスタム結果となりました。価格に釣り合うかどうかは微妙なところです。
スライド長くなったので+2マグバンパーで全体のバランスを取ってみた。 フレームの滑り止め処理は痛いくらい。糸くずがよくひっつく(笑)。 |
ホールドオープン。後退量はG19やG17と同じだが全長があるため迫力に欠ける。 切り欠き部分の変形を防止するため、スライドにはステンレス棒を埋め込んだ。 |
マグキャッチは実銃にあるかわからないカタチの物だが、押しやすく見た目もいい。 フレームもマグキャッチが押しやすいようえぐられている。コメット加工というそうな。 |
トリガーガード付け根はさらなるハイグリップのためにえぐられている。 やっぱりフィンガーチャネルはない方がいいと実感。見た目にも感覚的にも。 |
SAIのG34/35スライドの一番いいポイントはマズル下の斜めカット。 完全なデッドウェイトの部分を排除し見た目もスマートになり一石二鳥。 |
実銃でさえプラ製のストライカーカバーもブリーチと一体型のためアルミでシルバーに。 リアサイトのかさ上げに真鍮棒を使用。わざと一部塗装せずバレルの色と合わせてみた。 |
スライドトップの肉抜き穴はノーマルのG35と同じと思われる。 穴以外にも至る所が薄くされている。アルミなので強度的に心配・・・。 |
SAIロゴ。グロックの他にM&PやXD等もあるようだが、本家サイトの完成度が低く確認不可。 ちなみに今回の構成に一番近い状態をSAIのサイトで見積もりだしたら2800ドルだった。 |
スライド内部。純正パーツはホップレバー含めたチェンバーブロックだけ。 既に100発近く撃っているが、アルミブリーチは思った以上に摩耗していない。 |
フレーム内部。見えない部分とはいえ、平気でプラスネジ使うのがマルイの嫌なところ。 スチール製トリガーバーの購入も考えたが、ノーマルが摩耗してからでいいと判断した。 |
G26から順に長さで並べてみた。やはりG19のバランスが一番いいと感じる。 この写真ではG26だけアルミスライドではない。G26はカスタムする気が起きない。 |
グルーピング。なかなかまとまらない。もう少し調整をする予定。 これは3回計測し、良くも悪くもないものを選んだが、どれも似たようなもの。 |
2013/03/03追記:
グルーピング向上のためにガタ取りに精を出してみました。インナーバレルとアウターバレルには殆どクリアランスがなく、マスキングテープ1枚も入らないタイトさ。そのため小細工は殆どがスライド側に集中することになりました。ただ、前述の通りこのSAIのスライドは所々が非常に薄く、スライド側を削る加工は御法度です。ちなみに側面に穴の空いたG17とG34のスライドが再生産されたので、近所のガンショップで見てきましたが、側面と上面の穴が位置的に重なっており、案の定強度はかなり心配過ぎる代物で、コスタ好きじゃない僕はG35にしといてよかったとしみじみ思いました。
下写真左側から説明します。まずスライド前面のバレルが通る穴の内側にはガタ取りとバレルの擦り傷低減のために、電工用の絶縁テープ(アセテートクロス;PCから銃まで重宝するテープです)を張っています。着弾点が狙点より左にずれるため、ここでバレルをやや右向きになるよう調整も兼ねています。またリコイルスプリングガイドのガイド付け根あたりから、前方にシルバー、後方にゴールドの手作り感全開の部品が仕込まれています。シルバーのものは0.5mm厚のアルミ板を「ひ」の字状に切り抜き折り曲げたもので、フレーム前方とのガタをなくすためです。ゴールドのものは0.5mm厚の真鍮板を同様に加工したもので、スライドとの間に耐衝撃性接着剤を厚めに塗布してあり、夏場の強いリコイルでスライド内側が変形しないようにするためです。
下写真右側ですが、スライド後方の左側を内側から見ています。以前も触れていますが、スライドストップがかかるところには1.2mm径のステンレス棒を入れてあります。ただこれを入れるに当たって、本当にスライドが薄いため、レールを塞ぐように入れるしかありません。幸運にもマルイのグロックはスライドストップあたりのレールが塞がっても動作や分解に何の支障もないので助かります。そしてちょうどシリンダのガスルート開口部の上あたりのレールにはステンレステープを貼り付けてあります。これは左右ともで、ガタ取りのためです。他にも写真では全くわかりませんが、ブリーチとスライドの間にはスムーズにシリンダが前後するように薄いスペーサーをかましてあります。
なをフレーム側はスムーズな動作となるよう内側のエッジを落としたり、レールを研磨した程度です。
さて、これでガタ取りはほぼ完了。問題のグルーピングは・・・。次回、KSCのグロックと比較してどっちがいいかという企画を計画しているので、そのときまでお楽しみに(ただ単にまだ寒くてまともに計測できないししたくないだけです・・・)。
サバゲーでラフに扱っても構わない、かつ使える性能をGBBでというコンセプトでマルイのG17をいじってみました。
十分な初速を得るためにタイトかつロングなインナーバレルをと思い、Laylaxの6.00mmインナーのMP7用を取り付け、マズルからはみ出た分を隠すためKM企画のスリムサイレンサーをつけてやりました。
果たしてこれで本当にサバゲーで戦えるのか、と問われると、誰よりも早くセイフティゾーンに戻ってくる僕には答えられませんよ・・・。
サバゲー要件1:高い可搬性のためBlackhawkのレプリカホルスターにはまること。 ※レプリカはスムーズな抜き差しができないため内部を必死に削ることに・・・。 |
サバゲー要件2:十分な初速と集団性を得るためのインナーバレルであること。 ※初速は0.8Jに若干届かない程度。15mでマンターゲットには当たる。 |
サバゲー要件3:ラフな扱いに耐えるためシャーシをピンで固定。 ※マルイのフレームのネジ穴はすぐ割れるので、編み出した苦肉の策・・・。 |
サバゲー要件4:視認性を高くするための集光アクリルサイト。 1500円で買ったコスパ抜群のアルミ製サイト。ホコリついてるのは見逃してね。 |
さて、先日徹底的にカスタムしたマルイグロック。それに併せて(?)KSCのG17もロングスライドG34にカスタムしました。それで、突き詰めていくとどっちがパフォーマンスがいいのか、ここで白黒はっきりつけたいと思います。
マルイグロックは先日の通り、内部パーツも換装が著しいのですが、KSCはそもそもパーツが販売されていない、という悲しさ。換装しているのはバレルをPDI製パルソナイト6.01mm、リコイルスプリングガイドをlaylaxのマルイ用にしてある程度です。スライドはPrimeのG34アルミスライド。写真ではダットサイトが載っていますが、これはいろいろ悩んで付け外ししてるだけで、計測の際はアイアンサイトで行いました。
KSCグロックは2013年春にチェンバーの改良が行われています。今回はちょうどその発表直後にKSCのG17、チェンバー改良前のものを購入しました。STIのSystem7版を購入して比較した際にこの改良チェンバーによる改善が殆ど見られないことが判明しており、精密バレルへの交換ができない(どこも作ってない)という致命的な問題があるため、慌てて購入しました(よく考えてみれば初期ロットのG18持ってるので、それからチェンバーは流用できたなと)。
フレーム側の刻印がウソ刻印ですが、KSCも初期ロットはリアル刻印でした。今回はその初期ロットのG18のフレームを使用しています。KSC最初期ロットのフレームはよく言われることですが、独特のテカりがあって安っぽく見えます(実銃の質感はどうなんでしょうね、撃ったことあるのに覚えてない・・・)。しかしテカりは気になるならフラットクリアで塗装してしまえばいい話です。このKSC初期フレームの最大の特徴は、左写真にあるように、トリガーピンの上、メタルシャーシ固定用のピンが金属別体パーツになっていることです。エアガンではKSCもマルイもシャーシは内側からネジ止めなので、このピンは完全にダミーで、マルイはモールドで再現、KSC現行ではモールドさえありません。マルイ用の定番Guarder製のリアルフレームも当初はモールド、2012版では銀色のシールになっており、僕のSAIカスタムのように金やら銀があちこちにあれば気になりませんが、ノーマルのオールブラックでは不自然に目立ちます。是が非でもKSCにはこの初期ロットフレームを復活させて欲しいところです。
まず数値的な比較の前に実射のフィーリングについて述べましょう。リコイルはKSCの方が遙かに上となりました。マルイでもかなりいいんですが、KSCはリコイルスプリングガイドを交換、シリンダのクリアランス調整等で驚くほど調子が良くなります。速射時のスピードダウンも殆どないことから、耐寒性も上と見ていいでしょう。トリガーはマルイはSAIのアジャスタブルにしていることもあり、質感やストロークはマルイの方が良くなりました。特にトリガーリセット距離はトリガー交換に関係なく、マルイの方が短いので速射性も上です。
では次に初速です。気温29℃、0.25g使用で下表のようになりました。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | Average | J | KSC | 85.8 | 83.7 | 87.2 | 86.5 | 86.9 | 87.6 | 78.7 | 88.7 | 86.7 | 82.8 | 85.5 | 0.91 | Marui | 64.7 | 67.2 | 72.6 | 71.3 | 68.4 | 69.8 | 71.0 | 69.0 | 73.4 | 73.7 | 70.1 | 0.61 |
KSCの初速の高さが目立ちますが、安定性は似たような結果になりました。KSCは10発に1発くらい初速の低い弾が出るのが気になります。
グルーピング計測に当たっては、両者ともガタ取りを行っています。特にマルイのG35SAIは組み上げた当初の結果が思わしくなかったのですが、面目躍如となりました。
いつものターゲット、中心の黒い円は直径4.5cmです。距離は5m、赤はレスト、青は速射です。時間の問題でそれぞれ2回ずつしか計測できなかったので、良かった方の結果です。
レストでは殆ど拮抗しています。サイトがどんぴしゃり合っているマルイの方がいいように見えますね。速射ではリコイルの強さが影響しており、反動のきついKSCがかなりバラけたのに対し、リコイルが弱いとはいえマルイのまとまりは驚異的です。
まとめます。できうる限りカスタムをする、という前提で比較した場合、作動性ではKSC、精度ではマルイがそれぞれいいという結果です。ただどちらも僅差です。しかしながらKSCはカスタムパーツが少ない、フレームも現行はウソ刻印なのにリアル刻印のサードパーティ製もない、という実に悲しい状況です。寸法的に同じグロックなので、マルイ用のパーツで使えるものもありますので、そのへんの工夫次第とも言えます。
グロックがアメリカでシューティングマッチに力を入れ出した90年代に登場した、異色を放つロングスライドがG17Lです。
G17に代表されるグロックのスタンダードサイズのバレル長は4.5インチと、実はガバで言うところのコマンダーサイズです。ガバのスタンダードに近い5.3インチはG34やG35、そしてグロックのカタログで最長バレルの6インチがG17L(40SWはG24)となります。欧州ではカタログ落ちしているようですが、米国ではまだ現行モデルです。
今回は光学サイトをマウントした競技用グロックを用立てようと、G17Lで組み上げました。マルイ用G17Lスライドを販売しているのはPrimeしかなく、これは購入検討時にはメーカー品切れで入手不可でした。カスタム系スライドも存在するのですが、後述の理由によりスライドはノーマル形状である必要があり、已む無く、マルイのコピー品を販売するDoubleBell製を購入しました。撃つ前にバラしたので、このノーマルG17Lの性能はわかりません(笑)。このマルイコピーのG17Lから利用するのはスライドとアウターバレル、あとはリアとフロントのシャーシくらいです。
まずフレームはGunsModify製のSAIフレームです。GunsModifyのフレームはマルイグロックの弱点であるシャーシ固定用ネジ穴が金属ナットになっていて、強度的な不安が随分軽減されているのが特徴です。なにより、以前SAIのフルカスタムを組んだ時と違って、今はもうステップリングされたものが普通に購入できることに隔世の念を禁じえません。なおトリガーも同社製SAIのストレートタイプです。
そしてマウントはいろいろ出ていますが、マグウェルついてて6000円ほどで買えるAFGタイプにしました。T1を直マウントできるので、スライドライドのDoctorやOptima並みにローマウントが可能です。
内部パーツはGunsModifyのスチールハンマーとシア、LaylaxのMP7用6.00mmインナーバレル等ですが、今回の目玉はブリーチにあります。Volante Airsoft製の「ストラトスブローバックユニット」というヤツです。ノーマル樹脂製スライドは破損すると注意書きがされているアレです。このブリーチを入れたかったため、スライドは最も強度があるG17Lノーマルが必要だったというわけです。なおこのブリーチに交換すると、ガスルートパッキンを専用のものに交換したマガジンでしか撃てなくなります。つまり、他のマルイグロックとマガジンが共用できなくなるのです。そこまでのデメリットを背負ってまで見せてくれるブローバックはかなり強烈です。こればかりは文章や数値でお伝え出来ないのが残念ですが・・・。またガス消費量も大きく、体感的にはノーマルの倍以上、GBBライフル並みにガスを喰います。あと残念ですが、耐寒性は向上しません。寒いとノーマルと同じくらいショボくなります。
StratosBlowbackUnitとノーマルブリーチの比較。重量は1gしか違わない。 |
同裏側。下にあるのがそれぞれのガスルートパッキン。 |
グロックをカービン化するキットは、他のハンドガンのものより多くの種類が開発・販売されています。今回はある目標をもって、このグロックカービンを組んでみました。
その目標とはズバリ「軽量化」! 今回はあえてノーマルの樹脂スライドや樹脂アウターバレルで軽量化を図りつつ、強度は可能な限り犠牲にしないということに主眼をおきました。
購入したキットはSRUのPDW-P3。3Dプリンタで出力されたもので、樹脂を積層しているため、ポリゴンぽいカクカクした曲面や表面の層が珍しいです。組み込んだのはマルイ製G18C。箱出しで撃ってみて、今更ながら動作の良さにちょっと驚きました。他に用意したパーツは、5KU製コッキングハンドル、GunsModify製スチールハンマーとシア、Laylax製スプリングガイド「プロ」、そしてインナーバレルとチェンバーパッキンはPoseidon製エアクッションブースターシステムというものです。
グロックのハンマーはノーマルの亜鉛製は摩耗や損傷が激しいので、必ずスチール製に交換することにしており、シアも1000円弱で買えるので一緒に組み込んでいます。リコイルスプリングガイドはKSCのグロックでいろいろ試した結果、Laylaxのベアリング付きが最もよかったので、マルイグロックでも引き続き使っています。今回は「プロ」バージョンとやらで、スライド後退量を制限するスペーサーが入っているものにしました。フルオート時のサイクルを上げる効果があります。5KU製コッキングハンドルはG17用として1000円弱で販売されていますが、エッジを軽くヤスリで落とすだけでG18に使えます。ただしG18では付属のネジでは固定できないので、ホームセンターや東急ハンズでM2.5ないしM2.6の長いネジを買ってきましょう。G17でも付属のネジでは固定が浅く、ネジロックを使っても緩んでしまうため、長いネジに交換したほうが無難です。
さて、問題のカービンキットですが、このPDW-P3というやつは言ってしまえばグロックのカスタムフレームです。一般的なカービン(コンバージョン)キットがグロックをそのまま内部に格納するモナカ状をしているのに比べ、これはフレームから内部パーツを全部取り出して移植する一体成型タイプになります。このため、グロックひとつで「ある時はピストルある時はカービンその正体は」みたいな使い方はできないのですが、特徴的なブルパップスタイルとなり、全長を抑えながらバレル長を確保でき、結果軽量化にも有利という大きなメリットがあります。またブルパップな構造になるため、トリガー位置がストックから見てかなり遠くなるので、人によってはこの違和感は耐えられないかもしれません。僕はむしろこの遠い距離のほうがしっくりきましたけど。
なおキットへのG18Cの組み込み自体は全部ポン付けできてしまい、そのまま動作も絶好調、と面白みのない作業でした(笑)。組み込みや作動させる上でキット本体で加工が必要だった個所はなかったのですが、ストックを畳んだ際に固定するフック部分が上に出っ張りすぎてて、固定時にストックのヒンジ部分への負担が大きそうだったので、そこはヤスリで適当に削りました。またトリガーはテカテカしてる上に側面の積層模様が気持ち悪かったので、ペーパーで側面を均したあとつや消しブラックの塗装をしました。そしてトリガー上部にタッピングネジをねじ込み、トリガーストロークを調整できるように小細工をしました。樹脂製のマウントもテカテカだったのでつや消し塗装をし、側面のレールは外して、ホールドしやすいようにKACのURX3のハンドストップを加工して取り付けました。長いインナーバレルを隠すためのサプレッサーはLaylax製の外径30mmで長さ100mmのものです。当初はGUARDER製のマズルに逆ネジ切られているスチールアウターでサプレッサーをつける予定でしたが、動作に問題が出た(頻繁にスライドが閉鎖しない)のと、軽量化を優先するため諦めました。サプレッサーはマウントに強力両面テープで張り付けているだけです。両面テープはすぐ取れそうと思いましたが、セミ/フルどちらも500発以上合計1000発以上撃っても小動(こゆるぎ)もしていないので、当面このまま使います。
さて軽量化のもう一つの目玉が、Prowin製アルミマガジンです。下の写真はガス・BB弾を全部抜いた状態で重さを量ったものです。
マルイ製ノーマルショートマガジン。装弾数25発、重量300g。 |
マルイ製ロングマガジン。装弾数50発、重量539g。 |
Prowin製アルミマガジン。TTI風ベースパッド付で装弾数36発、重量200g。 |
Prowin製アルミロングマガジン。装弾数52発、重量217g。 |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | Average | J | マルイ純正50連マガジン | 85.1 | 81.5 | 80.7 | 80.1 | 81.4 | 80.6 | 75.1 | 78.3 | 79.6 | 79.7 | 80.2 | 0.804 | Prowinノーマルバルブ | 65.7 | 67.8 | 71.4 | 71.3 | 68.2 | 69.5 | 71.0 | 68.1 | 70.4 | 70.7 | 69.4 | 0.602 | Prowin+KM企画バルブ | 67.9 | 71.9 | 72.2 | 77.2 | 75.4 | 67.7 | 67.4 | 70.8 | 76.0 | 74.9 | 72.1 | 0.650 | Prowin+タニオコババルブ | 76.4 | 75.4 | 77.7 | 73.7 | 78.4 | 74.0 | 76.9 | 77.9 | 78.5 | 71.5 | 76.0 | 0.722 | Prowinノーマル改造バルブ | 79.2 | 75.2 | 78.3 | 78.4 | 77.8 | 75.6 | 74.0 | 78.1 | 77.1 | 76.8 | 77.0 | 0.741 |
改造したバルブ(左)とノーマルバルブ(右)。ガス放出孔を繋げて広くとった。 |
マグキャッチ。G17と違ってG18Cはアルミで強化されていた。唯一調整のため加工が必要だったパーツ。 |
マルイ純正マガジンで平均0.8J超えるのに、Prowinアルミマガジンでは0.6Jという結果でした。KM企画とタニオコバのバルブは確実に初速が上がるのですが、これらがノーマルのバルブと比べて何が違うのかというと、ガス放出孔の広さでしかありません。ならばノーマルバルブの放出孔を広げてやれば、カスタムバルブ並みになるんじゃないの?とずっと思っていたので今回試してみました。改造バルブの結果はタニオコバのカスタムバルブと同じくらいになりました。改造方法は至って簡単で、ガスルートパッキンからボールペンの替え芯のような細いものを入れてバルブの上側に印をつけます。そのあとバルブレンチでバルブを外して、印のついている上側に一番近い放出孔ふたつの間の真鍮をヤスリで削り取ってしまうだけです。作業は簡単なんですが、作業後は真鍮の削りカスを徹底的に落とす必要があります。バルブを再び組み付けるときは、ちゃんと削り取った部分が上になってるか、ガスルートパッキンの中を覗いて確認しましょう。
またキット自体は全てポン付けでOKだったのですが、マガジンはかなり強く押し込まないとロックされなかったので、マグキャッチのマガジンがかかる部分(アルミで補強されている部分)を0.5mm程度ヤスリで削り、アルミマガジンに傷がつきにくいようエッジを丸めておきました。
フルオートはリコイルの鋭さとサイクルの速さから全く弾道がまとまりません。スマホで射撃中を録画して音声ファイルを切り出し、波形で分析したところ、気温25度でサイクルは秒間23発に達し、1380rpmとなりました。たしかノーマル電動ガンで秒間16発超えるとピストンクラッシュしたよなあ、と思いながら調べてみると、マルイのハイサイクル電動ガンが秒間20〜25発らしいので、まあ結構な連射速度です。しかもフルストロークでブローバックしとるのにね・・・。
今回初挑戦で注目のバレル、エアクッションブースターシステムとやらですが、撃ってみた感じ、なかなか良いと思います。初速は上記の通りで、ホップが安定していてロングレンジに向いていると言われていますが、5mでのグルーピングを見てもかなり優秀です。ただし、10〜20発に1発フライヤーが出る傾向があり、それがBB弾の精度の問題なのかわからないので、後日複数種類のBB弾で試してみたいと思います。仕組みはBB弾下部のエア(ガス)流量を上げて上向き回転を与えるという、ホップアップ黎明期に大阪のシェリフが開発したLRBに似たコンセプトですが、LRBと違いエアの流れる溝がチェンバー付近とマズル部分のみになっており、チェンバーパッキンによるホップとのハイブリッドな感じです。溝があることに加え内径6.05mmとタイトバレルではないため初速は抑え気味となりますが、LRBとかSCSとかをリアルタイムで知ってるガンナッツ世代には注目のアイテムですよ。
購入直後。初めからマウントやトリガーが組み込まれている。 トリガーバーにつける内部トリガーとマグキャッチ固定パーツが別袋に入っていた。 |
マウントやトリガーはテカリがすごいが、恐らく強度の高い素材だと思う。 ヤスリ掛けをした際の感触が本体部分の素材と全く違っていた。 |
フロントシャーシが収まるあたりの内部の様子。 3Dプリンタによる積層が気持ちいいくらい見える。 |
左上は今回の供物G18C。またマルイ純正フレームが余る・・・。 パーツは本当に全てポン付けで終わった。肩透かし。 |
マズル・トリガー付近。マウントとトリガーはつや消し塗装した。 サイドレールは外してURX3のハンドストップを加工して固定。 |
逆さだけどV2との刻印あり、恐らくセカンドロットを示している。 トリガー上部にネジを付けてトリガーストロークを調節可能にした。 |
左側面。セレクタに少し干渉しているがコッキングハンドルはかなり便利。 またスライドストップは解除しやすいよう力技で少し外側に広げた。 |
右側面。グロックのスライドが乗っかってる感が強調される。 一度こっち向きにコッキングハンドル付けたが、使い勝手が悪かった。 |
ホールドオープンしたところ。この状態から1mm程しかスライドは後退しない。 また影で見えないがマウントあたりにインナーバレルがむき出しになる。 |
ストック。必要最低限の形をしているが、R部分が斜めにカットされている。 これが曲者で、肩へのフィット感が弱く、すぐズリ落ちそうになる。 |
ストックを畳んだ状態。フレーム全長は49cm→26cmになる。 この時にフレーム先端のデザインに合うようにストックが斜めにカットされている。 |
5mでの10発グルーピング。左上のみフルオートのもので3発しか着弾していない。 12時方向の四角い穴は固定時のもの。右2枚ではどちらも5時方向にフライヤーが出ている。 |
M4(KSC ERG)との比較。M4で最大に伸ばした状態でストックの長さはほぼ同じ。 ストックから見るとPDW-P3のトリガーはM4のマガジンハウジングあたりになる。 |
P90(マルイ電動)との比較。意外なことにP90のトリガー位置はM4と同じ。 P90はこのサイズ(サプレッサー抜き)でインナーバレルが25cmあるんだからすごい。 |
T1型ダットサイトとアルミマガジン込みの総重量は驚きの1142g。WAのHWガバと同程度。 ダットサイトをオープン型にすればもっと軽量化できると思うとオラわくわくすっぞ。 |
比較用にと重さを量ったほぼノーマルのマルイM45A1は825g。 HWでもないしアウターバレルも樹脂なので軽い。 |
撃ちに行った先や知り合いや前回の記事を見た人からいくつか質問があったので、まとめてお答えしておきます。
まずこのキットについては僕はかなり後発なので、先人の方々のレビューなどをまずご参考ください。実射の様子等はマック堺氏のYouTube、組み込み方法等は L.A.HobbyShop のブログあたりが参考になりますので、検索してみてください。
・組み込みは簡単か?
マルイ(およびそのコピー)のグロックはフレーム側のパーツがフロントシャーシとリアシャーシに分かれて組付けられており、それらシャーシはごっそり抜き出せるので、ガバ系のフレーム交換よりは簡単です。自信がない場合は組み込み済みで販売しているショップを利用するのもアリかと。僕のようにハンマーなどを交換したければ、自力しかないかと思いますが・・・。
左写真が現在のフレーム内部です。軽量化のために、本来左端のほうにあるはずのフロントシャーシの出っ張り(亜鉛製のウェイト)をざっくり切り落としてあります。
・マガジンの抜き差しはスムーズか?
たぶんセカンドロットで修正されたと思われる個所です。マガジンはマルイ純正もProwinアルミマガジンも自重で落下し、かつマルイ純正フレームよりマガジンを挿した状態でガタが少ないです。ただ、形状的に自重で落下する必要はなく、むしろ軽く引っかかってくれたほうがよかったと思います。マガジンチェンジをする際は、SMGに似たような操作となり、右利きの場合は左手でマガジンを掴んで親指でマグキャッチを押して引き抜くことになるからです。
また左写真のようにマグウェル部分は面取りされているので、マガジンも入れやすいのですが、全体の写真を見てもらえばわかるように、マガジンが入る部分のモールド(SRU PDW P3って刻印のある部分)の角度とマガジンが挿さる角度が微妙に違うので、慣れるまではマガジンを挿すときに違和感を感じます。
・トリガー調整の方法をkwsk
撃ってもらうとトリガーストロークの短さに気づく人が多かったので、簡単で効果の高いカスタムですね。
左写真赤丸の位置にタッピングネジをねじ込み、挟むワッシャの数でネジの出っ張りを調整するようにします(写真左側の長いパーツがトリガー、右のネジ付けたパーツはトリガーをフレーム前方から押さえるパーツです)。これでトリガー引き初めの遊び(ファーストステージの量)を調整できます。トリガーの後端(写真で言う左端)にスペーサーを挟めばハンマーが落ちた後の無駄なトリガー移動距離(オーバートラベルの量)も調整可能になりますが、僕の場合は調整しなくてもギリギリ(0.2mmのABS板挟んだらハンマーが落ちなくなったくらい)だったので、むしろ個体によっては削る必要があるかもしれません。
またトリガー自体の左右のガタが気になったので、トリガーの厚み+0.5mm程の幅のアルミ板をトリガーの後ろ側に接着剤で固定してあります。
・エアクッションブースターシステムとやらはどうなのよ?
キットとは関係ないですが、インナーバレルマニアとしては、結構重要に思っている点だったりします。長さ20cmなので写真のようにかなり飛び出てますけど。
現在、内径の狭さや素材・表面加工ではなく、機能的な面で他製品との差別化を図っているのはこのPoseidonかMapleLeafくらいしかないと思います。昔はもっとあったんですがね・・・。MapleLeafのバレルは持ってないので比較できませんが、ホップの弾道はノーマルよりフラットになったと感じます。緩やかに下がる弾道ではなく、まっすぐ飛んで、比較的急角度でドロップする感じです。ただし前回の計測の通り、20発に1発程度のフライヤーが出ます。
キットの問題点としては、G17はもちろんG34やG17Lのスライドでさえ、組み上げた場合キットの先端よりインナーバレル先端が後方になるため、右利きの場合は左手がキット先端を持つスタイル(P90みたいな)だと、左手を撃ってしまうことがある(BB弾の射線上に手が行かないようにするハンドストップのような構造がない)点です。それを防ぐためにもキット先端より飛び出すくらいのインナーバレルと、それを覆うもの(今回はサプレッサー)をつけるというのは我ながら妙案だと思うので、皆さん僕をもっと褒めてくれていいですよ。
実は真鍮製のインナーバレルは他に選択肢がない場合に限ると決めている(好みの問題です)ので、MapleLeafは買わないんですよ・・・。
・サプレッサーを両面テープで固定ってダサくね?
おっしゃる通りです。ダサいです。そこでねじ止めに変えました。
でも両面テープ(強力タイプ、分厚いヤツ)をなめたらあきません。実用上、何の問題もなかったです。ただ触ると多少グラつくのと軽くぶつけただけで平行がズレるという見た目だけの問題がありました。位置決めの際に何度もやり直し(貼り直し)ができるので、この後のねじ止め加工をする際も両面テープで固定しておいたほうが失敗がないです。
左写真のように、マウントとサプレッサーに穴をあけ、ネジとワッシャで止めてあります。マウント貫通の穴は1か所、サプレッサーは2か所空けて、サプレッサーの二つ目の穴には短いナベネジをつけて、平行を出すためにマウント内側に窪みを掘ってそこに嵌め込むようにしてあります。2か所貫通で固定しなかったのは、平行出すのに失敗してもやり直しができるようにするためで、現に一度失敗して穴空けなおしています(写真一番手前にその穴があります)。あと適度なスペーサー挟んで、インナーバレルに対してセンターを取るように調整してあります。
この方法だと、動作性を犠牲にせず、軽量化にも貢献しますが、スライドを外す際にはまずマウントを外さなくてはいけなくなります。僕の場合、スライド左側にコッキングハンドル付けたので同じことですが・・・。
このキットの一番いいところは撃てばわかる面白さです。それを更に引き立たせるために、軽量化や、動作性耐久性の向上、使い勝手を良くする等のカスタムを考えるのもまたホビーとして楽しめます。
反面改善できない悪いところはというと、実銃には存在しない、デザインが独特すぎる、といった実用性には関係ないものの他、セイフティの類が一切ない(マルイグロックのシリアルプレート利用のセイフティもトリガーセイフティもオミットされる)のと、マウントの形状だと思います。マウントも3Dプリントの樹脂製で、ここはアルミにしてほしかったという点はさておき、左側面でのみ固定されている構造上、左利きのシューターには右手をどこに置くか困ることになります。僕は右利きなので、マウントにハンドストップを取り付けて左手の理想的な置き場所を作りましたが、左利きだったらこういった工夫もできなくなります。長めのキャップネジとナットを別途用意すれば、マウントを左右逆につけられそうですが、ストックは畳めなくなりますね。因みに、左右スイッチ(ストックを当てる肩を右と左に切り替えること)はトリガーを引く手を変えずに可能なので、左右両利き対応にこだわる必要はありません(右利きの場合、ストックが右肩で左手がキット先端を掴んでいる状態が通常として、ストックを左肩に変えてもグリップぽい部分を掴む右手の角度は不自然にならないので、左手の位置をマガジンのあたりに変えるだけでスイッチ完了)。ただしスイッチ時等、いつもと違う構え方をした際にうっかりスライドで顔を強打しがちなので、絶対にストックの三角突起より前に顔が来ないよう常に注意が必要です。
発売して優に1年以上経過しているので新製品とは言えませんが、まだ各ショップ在庫があり入手は容易、かつキット自体も13000円前後とそれほど高くはないので、気になる方はとりあえず買っておいていいと思いますよ〜。
こういう手探りでいろいろカスタマイズできる余地があるエアガンっていいですよね。今回は軽量ポイント2か所と精度アップの切り札です。
まずはチェンバー。チェンバーはマルイGlock汎用で他にMapleLeafからも発売されていますが、高いのでGuarder製にします(MapleLeafは全て揃えると4000円前後、Guarderは1000円弱です)。純正パーツは亜鉛製で重量23gですが、Guarderアルミ製は10gと半分以下になります。アルミ製に替えることで精度も上がったような気分になりますね。
次にブリーチ。ブリーチはG18CとG17では形状が違うため、G18C専用のパーツが必要です。GunsModify等からも発売されていますが高価(8000円前後)なので、これもGuarderのブリーチ(2500円前後)を使います。実は過去にG17用にAIP製(6000円)とGuarder製(2000円)の両方を買いましたが、Guarderの方が断然調子がよかったので、G18C用のブリーチもGuarderが製品化するのを待ってました。国内で取り扱っているショップがまだ少ないようですが・・・。重量はG18C純正が48g、Guarderアルミ製が19gとこれも半分以下です(ちなみにGuarder公称は18gですが、純正と交換されるパーツだけを厳密に実測しました。この後の写真参照)。軽くなるので、リコイルは速く弱くなります。軽量化とリコイル強化は両立できませんね。なお強度(耐摩耗性)については、アルミ合金の素材の違いで価格に反映されている点ですので後述します。
精度を上げることについては、バレルシュラウドと化していたサプレッサーの中のスポンジを抜き取り、1cmほどの最も短いアウターバレルエクステンションを、サプレッサーの中からねじ込み、そこにインナーバレルを通すことでインナーバレルのブレを最低限に抑えます。
チェンバーの重量比較。左が純正、右がGuarder。 Guarderは付属品によって2種類売られているので買い間違いに注意。 |
ブリーチの重量比較。左が純正、右がGuarder。 Guarderはスライド後端のプレートが樹脂製になりリアルさが増す。 |
バレルエクステンションをサプレッサー内側からねじ込む。精度アップには効果的。 |
7mグルーピング。ゼロイン後、時間がなかったので1回しか計測していない。 そんなに変わってないか・・・。 |
あとできちんと書きますが、WEの樹脂マガジン。わずか111g。 |
気になる総重量は、WEの樹脂マガジンをつけて、1010g。なんとか1kgを切りたかったのだが・・・。 |
SAIのGlockはユーザーが細かい個所まで指定し受注生産されていますが、完成品として流通させるために作られた製品がBLUです。この銃を買ったのはLoneWolfのフレームが欲しかったから、というところなんですが、果たして・・・。
EMGは台湾メーカーで、電動ガンでは有名ですが、ご存知の通り僕は電動に興味がないので名前しか知らないメーカーでした。これはSAIの正式ライセンスを取得して、そのEMGが発売した製品です。内部はWEコピーで、ローディングノズルとガスルートパッキンの形状がマルイと異なりますが、基本はマルイと同じ構造です。
グロックのグリップアングルは1911より僅かに直角に近く、1911に慣れた状態で構えると銃口が下がってしまいます。実銃でもこれを嫌う人が多いようで、1911に近いグリップアングルのフレームがLoneWolfより発売されました。たしか10年近く前だったはずです。そのうちエアガン用にパーツが出るだろうと待っていたのですが、どこも作らず、諦めていました。BLUはフレームにLoneWolfのものを加工して使用しているため、エアガン化されるということは、初のエアガン用LoneWolfフレームだと喜んで購入した次第です。
フレームのスティップリング加工は粗目のシボに変更されています。製造コストを考えればやむを得ない処置ですが、個人的には、スティップリングは素手には痛く、グローブも痛めるので、シボ加工の方がうれしいです。肝心のグリップアングルは、大して変わってないように思えます・・・。残念。
内部パーツはちょっと交換しないと、不満な出来でした。まずブリーチはGuarderのアルミに交換し、作動性を上げます。同時にリコイルスプリングがヘボすぎるので、ガイドごとGunsModify製に交換。あとマルイ系Glockの宿命であるハンマーの摩耗ですが、どうせすぐ摩耗して交換することになるので、ここでついでにGunsModify製スチールハンマー&シアに交換しておきます。これで満足に動くようになります。
箱出し左側面。いつも思うけど、海外製品の初速表のデタラメさは詐欺レベル。 |
同じく右側面。ネジ部分が着脱可能なので、外したところ。 |
中身はマルイコピーのWEを更にコピー。赤いノズルがWE形状なので、余ってたマルイ純正に交換した。 |
マズルの着脱パーツ。このスレッドカバー超ダサくない? |
さて、ブルパップカービンのところでも軽量マガジンを取り上げましたが、新たに3種類の軽量マガジンを入手したので、ここでまとめておきたいと思います。
まずはAce1Armsのアルミマガジン2種類です。ショートとロングの2種類で、基本はどちらもProwinのコピーです。Prowinとの違いはリップにProwinの刻印がないことと、TTIベースパッドが樹脂製になっていることです(ロングのベースパッドもTTI風)。またボディ部は刻印等に違いがありますが、他にもマグキャッチの切り欠きがアンビ仕様になっています。実銃ではGen4以降、マグキャッチの向きを変えて付けなおすことで、左利きに対応していますが、エアガンでは現在Gen4以降をモデル化しているのは海外メーカーだけです。それらも含め、Gen4やGen5、19x等の最新モデルを入手した際にサウスポーな方は有難いかもしれません。ショートはKSCでお馴染みのフォロアーを一番下でロックする機能がついています。結論から言うとこの機能はオミットするに越したことないです。まずマルイマガジンの特徴であるスリットの広い箇所がなく、装填はリップからのみとなります。そうなるとBBローダーを使っての装填でないと面倒なので、結局ロック機能は使い道がありません。それどころか、ローダーを使うと36発入ります。フォロアーをロックして手で装填すると29発しか入りません。ローダーで36発入れて撃つと、お分かりですよね? 7発しか弾が出ず、8発以降ずっと空撃ちです。フォロアーが引っかかるからです。そのためローダーを使用する場合、ロック機能をオミットしておく必要があります。ロングではオミットされています。またベースパッドに刺さっている銀色のピンが長く上に突き出ているので、ショートだとマグウェルを付けているGlockだとマガジンが奥まで入りませんし、どちらにしてもマグポーチから出すときに服とかに引っかかる原因になります。ピンもアルミ製なので適当な長さに切断しておくことをお勧めします。個体差があるのかもしれませんが、ガスルートパッキンがWEタイプでマルイのようにラウンドしておらず、かつショートは嵩が高くローディングノズルを押し上げすぎるため、ブローバック後スライドが完全閉鎖しませんでした。ガスルートパッキンはProwinと互換性ありですが、マルイとは全く互換性なしですので、Prowinの保守パーツが入手できない以上交換不可の状況です。ヤスリで削ってマルイ形状に成形するか、WEと同じ嵩になるようパッキン上部をカミソリなどで薄く削ぎ落す必要があります。ロングの方も同じでしたが、スライドが閉鎖しないほどではなかったので、微調整で済みました。悪いところばかり指摘しましたが、いいところもあります。まずは価格。Prowinは36連も52連もこれまた1万円近くしますが、Ace1Armsは36連が6500円、52連が7500円前後です。尤もProwinも海外では40ドルくらいなので、国内販売店がぼったくり過ぎているだけなんですけどね。あと、重量はProwinと比較して、なぜか36連ショートは軽く52連ロングは重いという結果に・・・。
編集ヘタなのはご勘弁。上がロック状態、下がフル装弾。 フル装弾で撃った場合、途中でロックがかかり、7発しか撃てない。 |
Prowinと違って底のフタは円形。注入バルブは海外仕様だが、 お馴染みWE用国内向けに換装可能。Prowinは多分独自寸法。 |
再掲。樹脂製は驚異の軽さ111g。 |
タンクはアルミかと思っていたが、樹脂にフタしてあるだけ。 |
バルブ | 装弾数 | 重量 | 平均初速 | 最大初速 | 最少初速 | 平均J | 比率 | マルイ純正ショート | ノーマル | 26 | 300 | 80.89 | 83.97 | 77.73 | 0.818 | 100.0 | WE樹脂製ショート | ノーマル | 26 | 111 | 80.72 | 82.97 | 77.69 | 0.814 | 99.6 | Prowinショート | KM企画製 | 36 | 200 | 82.52 | 84.51 | 81.39 | 0.851 | 104.1 | Ace1Armsショート | ノーマル | 29(36) | 171 | 82.80 | 84.29 | 80.50 | 0.857 | 104.8 | マルイ純正ロング | ノーマル | 50 | 539 | 82.02 | 83.17 | 80.47 | 0.841 | 102.8 | Prowinロング | カスタム済 | 52 | 217 | 87.39 | 88.29 | 85.43 | 0.955 | 116.7 | Ace1Armsロング | ノーマル | 52 | 238 | 85.74 | 88.51 | 84.14 | 0.919 | 112.3 |
冬場に向けて現状ではちょっと初速高めです(笑)。比率はマルイ純正ショートマガジンを100とした場合の%を表しています。Ace1もWEもProwinと違ってバルブ交換をしなくてもマルイ純正以上の十分な流量が出ています。注入バルブはどちらも注入音も吹き戻しもしない海外タイプです(Prowinは初めから国内タイプがついていました)。軽量マガジンではWEの樹脂マガジンだけが何の手間もいらずに買ってすぐ使えます。軽量ロングマガジンは、以前の検証の通りProwinはバルブのガス流量が低いのでバルブの交換か加工が必要、Ace1はガスルートパッキン周りの微調整が必須、とどちらもそのまま使えないのは問題ですね・・・。
【2019/10/21追記】
Guardarからアルミ製のマガジンケースが発売されましたので、さっそく組み込んでみました。この製品はマガジンの「ケース」つまりマガジンの本体部分のみなので、それ以外のパーツを揃える必要があります。個人的にパーツ間の相性が悪くガス漏れするのが怖かったのと軽量化のため、同社製の「アルミマガジンベースマウント」(マガジンの底のフタ、Oリングと注入バルブ付き)を一緒に購入しました。
結果を申しますと、重量は124gとなかなかの軽さ。数字ではWE樹脂マガジンには及びませんが、両方を持ち比べても違いが判らない程度です。ガス漏れはありませんでしたが、マルイ純正のマガジンリップを流用したためか、リップとケースの境目でBB弾がスタックしてフィードされません(リップ下部で弾が詰まって上まで上がってこない)でした。リップ内部を加工して解決しましたが、現物合わせで面倒な作業でした。Guardar製のリップならスタックしないのかな?気になるところではあります。
もちろんマルイ系グロックでは問題なく使用できました。気になるVFCにG19xにも使えましたが、僕のG19Xは他マガジンが使えるように加工していますので、未加工の場合は使えそうにないです。
WE樹脂マガジンに比べてアルミ製なので冷えからの回復が早く使いやすいです。費用的にはケースだけで2500円以上するので、ほかのパーツも揃えると5000円超えてしまうので、全然安くありません。手持ちのマガジンのケースだけ替えて軽量化という使い方が想定できますが、リップがポン付けではスタックするという問題点と、あと20gの軽量化のためにベースマウントの交換が必要という点をどう考えるか、ですね。
M45に続いて、従来モデルのバリエーションと見せかけて、内部パーツの再設計でリコイルアップを果たしたG19です。
G19はG17のコンパクトモデルで、銃身長は4インチ、つまりガバでいう所のオフィサーズに近いサイズです(G17が4.5インチでコマンダーサイズ、G34が5.3インチで1911よりちょい長い感じです)。僕自身もそう思うのですが、このG19のサイズ感こそ、グロックで最もバランスがいいという人は多いです。
マルイが今までGBBでモデル化した代表的なグロックはG26、G17、G18C、G34、G22で、G19やG23に関しては、マルイメカをコピーした海外製品があるのみでした(マルイ互換でなければKSC等がありますが)。そして先日漸くラインナップに加えられたG19は、シリーズ他製品と異なり、内部パーツの互換性が乏しいながら、大幅なリコイル増大を狙ったものでした。
まず誤解がないよう言っておくと、従来のマルイグロックのリコイルはそれほど弱いものではないです。最初の製品であるG26が2000年、その後2006年にG17が発売されており、両者の間では若干のパーツ形状の見直しがされていますが、基本メカニズムは同じで、G17のパーツ構成はその後のG34やG22でもほぼそのまま使用されており、フルオートのメカがあるG18Cでも、フルオートシアやセレクタのために形状に少しの差異がある程度です。それほど過去の製品ながら、最新製品に劣らないリコイルがあるのは確かです。
マルイはM45発売時にシリンダのボアアップを中心とした内部パーツ形状の大幅な見直しによリファインを計りました。結果、箱出しでガチガチにカスタムしたマルイガバより良く動く、ということでM45は人気商品になりました。今回のG19はそのグロック版といったところですね。
スライド側内部。上がG17、下がG19。シリンダ径は変わったのがわからないくらいだが、 先端部の内側の形状は大きく変更されており、動作性や耐久性に気を使っているのがわかる。 |
フレーム側内部。上がG19、下がG17。さっきと反対で申し訳ない。 G17はカスタム済みなので、ノーマルとは形状が異なる。 |
驚くほど複雑な見た目になったチェンバーとバッファが仕込まれたリコイルスプリングユニット。 ホップ調整はスライドを外さなくてもできるようになった。 |
表面が粗目の仕上げになり、雰囲気が良くなった。他にもスライドには改良点が多い(後述)。 刻印もアルミスライドのように深くくっきりになって、マルイにしては珍しく出来がいい。 |
マガジンは従来品と互換性あり。G17マガジンを挿すと少しはみ出る。 写真下部のリングはKSCのG23についてたはみ出し部分を隠すものだが、マルイには微妙に合わなかった。 |
100発ほど撃ち込んだ後の、7mグルーピング。 右上にフライヤーが出やすい傾向があるが、なかなかよい纏まり。 |
マルイG19用のG19Xコンバージョンキットが出る気配すらないので、VFC/UmarexのG19Xを買ってみました。Gen5! クロスオーバー! MHS!
【開封編】
まず外観。雑誌やネットでの実銃の写真と見比べてみても、非の打ちどころのない再現度です。G19Xにはスライドに「Gen5」刻印がないんですよ。実はGlockはG19XはGen5に分類していないらしいです。G19Xはもともと米軍のハンドガントライアル「MHS」に提出されたもので、MHSはP320が勝ち取ったわけですが、G19Xはサムセイフティ等の機能をオミットして市販されました。その後もっとGen5的で色をブラックにしたG45も登場しており、G19スライドにフルサイズグリップというクロスオーバーピストルににわかに注目が集まりました。Gen5の何がいいかって、ついにGlockで最も邪魔でカッコ悪かったフィンガーチャネルがなくなったのですよ。アメリカではこれを嫌ってGen2を使い続ける人も少なくなかったとか。僕もSAIのスティップリング加工を業者依頼したときはフィンガーチャネルを落としてもらいました。
マルイG19と比べてみましょう。まず重量は、VFCの方が軽い。マルイG19がマガジン抜きで395g、VFC G19Xはマガジン抜きで370g。これはマルイG19はフレーム先端までウェイトが入っているためでしょう。気になったのはG19Xはバネ類が強い。まずトリガーが重いです。グロックらしくてリアルといえばそうなんですが・・・。G19Xは軍用ピストルなので、重いトリガーの方が合ってますね。他にもハンマースプリングも固い。ハンマーダウンからのコッキングがやりにくいほどです。アンビになったスライドストップを戻すスプリングも強すぎて問題です(後述)。肝心のリコイルは・・・、予想以上に強いです。今のところ、マルイ系グロックで箱出しで最も強いリコイルなのはマルイのG19だと思うのですが、G19Xはそれには及ばないものの、G17やG18よりは強いリコイルです。
ホップはなんとスライド前面のリコイルスプリングガイドの先端の穴に六角レンチを差し込んで行います。アイデアは悪くないのですが、調整に工具が必要なうえリコイルでズレたりしそうですし、ここは素直にマルイコピーでよかったと思います。また0.25gのBB弾だとホップ最大付近で適正となり、真ん中以下では弾ポロする始末。初速は0.25gで65m/s前後。チャンバーやインナーバレルの精度が悪いと思われ、グルーピングはなかなかの最悪ぶりです。
さて気になるマガジン互換性ですが、グリップ底部の独特なデザインから、物理的に使えないマガジンがあります。TTI風のベースパッドや、+2ベースパッドなどがついたマガジンは干渉して最後まで入りません。Magpulのスピードプレートやマルイ純正、WE純正の薄いベースパッドは問題ありません。次にガスルートパッキンですが、マルイと同形状なので、マルイ互換、WE互換のどちらも使用可能です。ところが、二つ大きな問題があります。一つは簡単に対処できるのですが、スライドストップを戻すためのスプリングがマルイと違ってコイルバネになっていて、これが強すぎるため、付属マガジン以外ではスライドストップがかからないか非常にかかりにくいです。分解して、原因のスプリングを取り出し、二巻きほどカットすれば改善します(切りすぎに注意。かなり現物合わせの調整です)。次にリアシャーシの前後の厚みが大きいのか、ほとんどのマガジンの脱着が固くて苦労します。そしてマルイ純正マガジンは入らないと言っても構わないほど固く、無理やり挿してもちゃんと動作しません。リアシャーシを取り出してヤスリがけすれば改善しそうですが、もう少し観察してみます。
右側面。Gen5の特徴であるテクスチャとフィンガーチャネルなしグリップ。 Gen4以降はマグキャッチは左右入れ替え可能、スライドストップもアンビ。 |
箱出し。グリップを太くするアダプタは付属していなかった。いらんけど。 付属の検査証では0.2gで89m/s出るそうですよ。お馴染みチャイニーズジョークですね。 |
マルイG19とスライド内部を比較してみる。 結構違う。ローディングノズルはG17と同じに見える。 |
フレーム内部の比較。先端のウェイトがない。 リアシャーシ内部はフルオートシアのないG18といった感じ。 |
リコイルスプリングがKSCも羨みそうなリアルな造形。 独特なホップ調整システムが目立つが、なんでこんな変な構造にしたのか。 |
50発ほど撃ち込んだ後の、5mグルーピング。 こんなに当たらない銃は久しぶりでワクワクする。 |
【カスタム編】
今回のカスタムは、珍しく他の皆さんにも役立ちそうな実用的かつ最低限のことだけやります。
もしVFC純正以外のマガジンを利用する予定なら、先述のスライドストップのスプリングを弱める作業と、リアシャーシを取り出してマガジンと接触する面をひたすらヤスリ掛けします。その面のモールド(というか謎の段差)がなくなってツライチになれば、マルイ純正マガジンを固いながら挿すことができるようになり、利用可能になります。
次にハンマーについているメインスプリングが強すぎるので、マルイ純正に交換したいです。しかし手元に予備がなく(GunsModifyのハンマーについてる150%のやつなら大量にあるんですが)、仕方なくGuarder製を購入して交換しました。
そして肝心要のインナーバレルとチェンバー周りに取り掛かります。少し上にある写真でわかる通り、ノーマルでは致命的にグルーピングが悪く、さらにホップを最大に調整しても0.25gでは最適に少し届かない。そしてなんとノーマルのインナーバレルはアルミ製。アルミのインナーなんて不信感しかないので、絶対交換必須ですね。しかし事前に確認しなかったのは失策ですが、命中精度の悪さの最大要因はインナーバレルが短すぎてアウターバレルの内部にあるセンター出しのためのリブに届いていないことでした。それに気付かず同じ長さのインナーバレルを買ってきてしまいました。もし皆さんがインナーバレルを交換される場合は、ノーマルと同じ84mmではなく、少し長めの87mmを用意しましょう。僕が買ってきたのはMapleLeaf製の内径6.01で、パッキンと放出バルブがセットになっているものです。バルブはいつか使うことにしてしまっておきます。パッキンはホップ部分が長めなので、今回はホップアームを加工して長掛ホップにします。アルミ板を加工して接着剤でくっつけるだけです。くっつけた後、ホップがチェンバー内部の前後で均等にかかっているか確認しながら、アルミ部分をヤスリで調整します。説明すると長くなるので端折りますが、このアルミ板の調整には分解と組み立てを繰り返すことになります。
短いバレルを買ってしまったので(とはいえノーマルと同じ長さなんですけどね)、センター出しをします。Oリング付けて調整したかったのですが、ちょうどいい大きさのがなかったので、テープを厚めに巻いてみました。サイトで上下左右の調整ができないので、このテープの厚みでサイトの位置に合わせる形にしました。
前回さらっと書いたスライドストップのバネカットのバネは赤矢印のやつ。 切りすぎると射撃中に不意にストップがかかるようになるのでカットは慎重に。 |
相変わらず加工前の写真撮らないので超わかりにくくて申し訳ないが、 アルミ板を加工して貼り付け、ホップアームを長掛けにしている。 |
インナーバレルとパッキン。上がノーマル。下がMapleLeaf。 MapleLeafの先端にはセンター出しのためにテープを厚めに巻いた。 |
諸々作業して調整後のグルーピング。 これもリコイルも外観も実射性能も満足できる。 |
【外観調整編】
VFCのグロックをひと手間でよりリアルにする小細工の数々をご紹介します。
まずエキストラクターがせっかく金属製の別パーツなのにまったく活かせていないので、そこを修正します。定番のシャフト部分の塗装を落として銀色にしたら、くすまないようフラットクリアを吹き付けておきます。そしてブリーチのエキストラクター背面にあたる部分を黒く塗装しておきます。エキストラクターの隙間から銀色が見えてしまうのを防ぐためですので、きれいに塗る必要はなく、黒いテープ貼るだけでもOKです。
次にアウターバレルのショートリコイルを改善します。VFCのG19Xはホールドオープンでもアウターバレルがぐらついて、スライド閉鎖時と同じ位置まで戻ってしまうので、過去のVFCグロックにはついていた(らしい・・・他にVFCグロック持ってないので・・・すみません)引きバネを追加します。用意する引きバネは外径3mmのもので、長さは現物合わせで調整します。チェンバー下部の穴に引きバネを固定するピンを刺す穴をあけます。僕の場合は0.5mmのドリルで穴をあけて0.5mm径のステンレス丸棒をピンとして差し込みました。このピンは突き出さず面一になるように注意しましょう。チェンバー・インナーバレルをアウターバレルに装着したら、アウターバレル下部の穴に引きバネを引っ掛けます。穴の位置等はこの後の写真を参照してください。前述のとおり引きバネの長さ(強さ)は現物合わせです。チャンバー部分を摘まんで銃口を下に向けてもアウターバレルが引き戻されるギリギリの長さを見つけてください。引く力が強すぎるとスライドが完全閉鎖しなくなります。引きバネの長さが決まったら最後に引きバネを固定したピンが抜けないよう接着剤等で固定しておくほうがいいでしょう。構造上抜け落ちないとは思いますが万一のためです。
あと些細なことですが、VFCのG19Xはスライド閉鎖時にチェンバーの位置が低いので、これも修正します。Gen5のグロックって実銃の写真見てもチェンバーとスライドの天面が面一にならないようです。なので、ちょうどいい感じになるようにフロントシャーシのアウターバレルがハマるレール部分をアルミ板で嵩上げします。これも厚みや長さは現物合わせなので、この後の写真を参考にしてみてください。
リアルさとは関係ないですが、前後サイトは見やすいものに交換したかったので、苦労してみました。まずマルイ用のパーツは根本的に形が合わないので付きません。またG19XやGen5系はスライドの形状が微妙に違うと思われ、VFC用として販売されているサイトもポン付けできないものが多いようです。僕はGunsModifyのVFC用が特価で売られていたので購入してみましたが、リアもフロントもポン付けできませんでした。具体的にはスライドのフロントサイト差し込み用の穴が小さくて入らず、フロントサイト付属の固定用ねじの頭が大きくてスライド内部に取り付けられずリアサイトもスライド側の溝が狭くて入りません。穴や溝は削ればOKですが、削った後は塗装も必要なので、かなり面倒な作業です。フロントサイト固定用ねじは純正ねじを流用するタイプなら問題ないのですが、純正サイトは樹脂製なのでねじもタッピングになっており、金属製サイトには使えません。長さとピッチの合う頭の小さなねじがあればいいのですが、探すのも面倒だったので、僕は付属ねじの頭をグラインダで小さく削って取り付けました。
ブリーチ側面の赤丸個所を黒くペイントする。適当でOK。黒テープでもOK。 これはエキストラクターの背後が銀色という外観の致命的問題を解決するため。 |
エキストラクターは金属製パーツなので、シャフト部分の塗装をはがし、 銀色にしてフラットクリアを一吹き、ガタツキをとるために接着剤で固定してしまう。 |
赤丸位置にドリルで穴をあけて適当な棒を通し、外形3mmの引きバネを固定。 棒の先端が突き出ないよう長さを調整、抜けないよう適宜固定しておく。 |
チェンバーに固定した引きバネをアウターバレルの赤丸位置に引っ掛ける。 引きバネの強さは銃口を真下に向けてもアウターを引き戻せるギリギリで調整する。 |
赤丸位置に厚さ0.5mm程度のアルミ板を接着剤で張り付ける。 アウターバレルを現物合わせでアルミ板の長さを調整する。 |
前後サイトはG19Xに取り付け確認済みと明記されている製品以外は ポン付けできないと思ったほうがいい。もちろんマルイ用はつかない。 |
短期集中企画、全3回中の1回目、まずは以前G35のSAIカスタムとして作ったものを、スライド交換でキャリバーコンバージョンできるようにしたG34/G35のSAIカスタムです。
マルイグロックはたくさんの種類のスライドが発売されており、特売品を衝動買いしたはいいけど、またフレーム側を調達することを考えて億劫になる・・・、というわけで、Prime製のG34スライド(SAI/FDE/RMR)を特価6800円で買ったので、G35とフレーム共用で組むことにしました。
Primeのスライドは実はG18C用。ちょい加工でG17にも付くんじゃね?と軽く考えていましたが、結果はちょい加工で付きました。製品にはリアサイト・フロントサイトがついていますが、ブリーチは付属していないので、Guardarのアルミ製ブリーチを購入してつけました。ポン付ではハンマーがコックされないとか問題がありましたので、アルミ板を切った貼ったすればOKです。
サイトはRMRでFDEのものにしました。本物と違ってスイッチが黒くない出来の悪いレプリカですが、これも安かったので・・・。
しかし、SAIも有名ブランドになりましたね。G35カスタムを組んだ頃は、クリス・コスタが使ったことで有名になりかけていた頃でした。あんまり資料がないのでうろ覚えの記憶ですが、たしか2012年のアーロン・ハリスのカスタムグロックがSAIの始まりだったんじゃなかったっけ? だとすれば間もなくSAIも10周年か・・・
左側面。実銃のSAI/GriffinモデルのFDEはもっと濃いブラウンなのだが・・・ |
ホールドオープン。G34/35のサイズだとホールドオープンに迫力がない。 |
9mmと40SWのコンバージョンピストルという脳内設定。 |
スライド内側の様子。G18C用ブリーチを加工して使用した。 |
グロックのカスタムメーカーで最も有名なところはやはりSAIでしょう。しかしグロックカスタムのパイオニアは間違いなくZEVでしょう。GlockworxとしてAro-tek等と並びグロックカスタムの黎明期から続く老舗ですね。
今回のテーマは脱SAI&金色禁止ということで、SAIぽかったりゴールドのパーツは一切使わないという制約で作成したZEVのSilencerCoカスタムです。これもNova製スライドを特価の約7200円で買ったのが始まりですが、せっかくだから今まで使ったことないようなフレームを使おうと思い、Polymer80のグレーフレームを買ってみました。トリガーもマグキャッチもZEVタイプにしたのですが、マグウェルはZEVのがやたら高かったので、余ってたGuarder製です。前回のG34と違って、スライドはG17用でRMR対応のアルミブリーチも付属しており、特価とはいえ割安感半端なかったです。前回書き忘れてますが、前回も今回もRMR対応のハイプロファイルのアルミ製の前後サイトがスライドに付属しています。安くスライドを買えたときの盲点がアイアンサイトなんですよね。下手したらスライドと同じ値段になるので・・・。
せっかくのSilencerCoなので、オスプレイサイレンサーでもつけようかと思ったのですが、高いうえにデカいので、あれ付けたらブローバックしなくなるな・・・と判断して、マルイのFN45用のサプレッサーを買ってきました。これは16mmネジなので、14mm変換しています。ただマガジンが冷えた状態ではこの小型サプレッサーでも動作がもっさりしてしまいます。寒いときはハイダー程度の大きさしかないLaylaxのスリムサプレッサーにしときます。
Polymer80フレームは、あんまり好きじゃなかったんですが、実銃に存在していてグレーでSAIぽくないもの、と条件に合うのがこれしかなく・・・。とはいえ、意外とZEVスライドとの親和性高くないっすか?? 製品としては、スティップリングは程よく粗目で、持ちやすいですが、シャーシ固定のねじ穴が前後とも補強等のない樹脂素材のままで、耐久性にはかなり不安を感じます。
Laylaxのスリムサプレッサーつけてみた状態。寒いときはこっちのスタイルで。 |
ホールドオープン。サプレッサーついてると妙にカッコよく見えますな〜。 |
サプレッサー外してスレッドカバーつけた状態。 |
同ホールドオープン。 |
短期集中企画、全3回最終回です。最初に何も説明していませんでしたが、最強というテーマでありながら、実際はダットサイトつけたグロック3連発っていうオチです。今回はRMRのようなスライドライドではなく、シューティングマッチで使えそうなカスタムです。
見た目はSAIのUtilityなマッチガンですが、よくご覧ください。フレームはG17サイズですがスライドはG19でコンプつけています。STI2011でよく見かける、フルサイズのフレームにオフィサーズスライドとコンプっていうアレをグロックでやってみようという思い付きです。しかしながら、マルイのG19はG17とパーツ互換性が乏しく、この組み合わせでカタチにするのはかなりの作業が必要になります。実はまだ満足な動作には達していないので、作業の内容等は後日詳しくお届けできればと思っています。
以前G17L組んだ時のフレームを使っています。ストラトスブリーチのG17Lスライドは別のグロックのコンバージョン計画に使います(これも後日で)。
ホールドオープンしたところ。勘のいい人はスライドの後退量に気づくかと。 |
同右側。アウターバレルはステンレスの高級仕様。特価でないと買えない・・・。 |
右側。 |
マウント外したところ。スライドがG19サイズなのがよくわかる。 |
軽量化、それを主眼にしたグロックカスタムを行いました。ただそれだけじゃつまらないので、懐かしのGen2フレームを使いました。目指せエアコキより軽いガスブロ!
SRU PDW-P3 で軽量化に勤しんだ結果、グロックのアルミ製軽量マガジンが手元に増えました。電動の樹脂製HoneyBadgerでも軽いことが面白いと感じたので、軽量マガジンを使ってハンドガンとしてグロックも可能な限り軽量化やってみよう、と思い立った次第です。ちょうど以前にサバゲー仕様と銘打っていた銃のODフレームが再起不能なほど割れてしまったので、その補修も兼ねて。
外装はもちろんマルイ純正の樹脂スライドと樹脂アウターバレルを使い、たしか製品に付属していたと思われる純正蓄光サイトをつけました。リコイルスプリングガイドはマルイ純正はジンクなので、KSC純正の樹脂ガイドを加工して使用しています。チェンバーとブリーチはGuarderのアルミのものに交換、ローディングノズルはCowcowのボアアップのものを使ってみました。インナーバレルはMapleLeafのステンレス6.02mmです。フレームはGuarder製のGen2フレームです。懐かしさに泣きそうになります。僕が初めて買ったガスブローバックがMGCのG22でした。調べてみると93年1月発売らしいので、約30年前になりますね・・・。GuarderのGen2フレームは実銃と同じでグリップのパネル部分がラバーじゃないんですよ! 閑話休題、シャーシはアルミ製が高価なので、ジンクの純正を使っています。ただフロントシャーシの前方に突き出したウェイト部分は切り落としました。トリガーはマルイ純正、トリガーバーはGuarderでハンマーはGunsModifyです。マグキャッチはGuarderのエクステンドタイプ、スライドストップは余ってた指かけ部分が大きいやつです(たぶんEMGのSAI BLUのやつかな?)。
実はこれもスライド交換でいくつかのスタイルになるようにしてあります。メタルスライドにロングインナーバレルの自称サバゲー仕様、そしてストラトスブリーチのG17Lです。
いずれにしても、スライドが全部Gen3なので、エキストラクターの形状とかGen2になり切れていない部分がありますが、肝心の軽量化はというと、マガジン抜きで樹脂スライドで335gとなりました。アルミマガジンを加えると459gと、マルイ純正の703g(カタログスペック)から約35%の軽量化に成功しました。ただ同じくGen2スタイルのマルイのエアコキG17が369gらしいので、シャーシを前後ともアルミに変えてもエアコキには敵わない感じですね・・・。
ホールドオープンしたところ。MGC製はここまで下がらなかったけど、 とまだ10代だった頃の思い出が蘇るなあ・・・。 |
マガジンなしだとエアコキより軽い! 女性やお年寄りにも優しいユニバーサルデザイン。 50連でもアルミマガジンだと合わせて550g程。因みに電ハンG18Cは678gだそうな。 |
自称サバゲー仕様。サプレッサーに見える部分は先端までインナーバレルが入っているので、 事実上はバレルシュラウド。アルミスライドにスチールアウターなので、かなり重たくなる。 |
ストラトスブリーチのG17L。これは専用のガスルートパッキンが必要になるため、 運用上はマガジンを分けておくことになる。リコイルはCO2並みになるけど燃費激悪。 |
中身。リコイルスプリングガイドはKSCの樹脂製でスライド側には亜鉛のパーツはほぼない。 フレーム側はフロントシャーシのウェイトを切除したが、そもそも亜鉛なので重い。 |
おわかり頂けるだろうか? トリガーバーとシアの調整によっては、ハンマーが起きているのに、 トリガーがハンマーダウン時のポジションで止まる。ガバよりショートストロークトリガーになる。 |