ハイキャパて製品名は日本人しか使わないんですって。ガバみたいなジャパニーズガン用語ですね。最初にハイキャパなガバでガスブロ出したのはMGCだと思うんですが、ハイキャパという製品名を広めたのはWAですよね。ハイキャパCQBは今思い返してもいい銃でしたね…。今の銃と遜色ない動作性、まあ命中精度は雲泥の差ですが。そして平成が終わる随分前からハイキャパはマルイが人気になっています。一昔前までのマルイお得意戦法である、他メーカーがモデル化したものを研究して後発で出す、というやつでした。僕がマルイをずっと好きになれない理由の一つですね・・・。
数か月前toxicantのFI vanta9のキットを買いました。特価40%オフ!というフレーズに買ったものの冷静に考えるとなんとも高い買い物でしたが、なかなか問題だらけのキットで欠陥品と言っても過言ではない代物でした。で、放置していたんですが、春先に改修パーツセットが購入者に無料で配布されており、それを組み込むことでやっと本気出す子です。
初めて見たときから気になるあの子だったんですよね、これ。アイアンサイトが使えるオプティックレディな2011を探してたときにコイツを見かけたんですが、値段見て高い!となって完全スルーしてたんですね。
スルーしてる間にネット界隈ではまともに動かないと報告が相次ぎ、メーカーから改修パーツが後日配布されるというなかなか珍しい対応が取られることになりました。
そうして改修パーツの入手が難しい並行輸入品が半額程度に値崩れして販売されることになるなか、何故か国内代理店経由なのに特価で売られていたので購入した次第です。なお、樹脂パーツ(グリップとメインスプリングハウジング)がセラコートされている特注品で、改修パーツも後日送られてきました。
完成させるためにキットに不足しているパーツは、チェンバー、インナーバレル、チェンバーパッキン、リコイルスプリング、同ガイド、メイン(ハンマー)スプリングです。あとマガジンも。僕が付けたのはバレルとパッキンはいつものpdiで、リコイルスプリングガイドは軽量アルミのAIP、チェンバーもアルミ製のガーダー、スプリングは手元になぜか余ってたプロテック。メインスプリングはカウカウです。また、キットに含まれているものの別途交換したパーツとして、ガーダー製のトリガーバーとグリップセイフティです。マガジンはガーダー製の軽量アルミマガジンにしました。ガーダーのマガジンはグロックのもそうですが、キャッチの溝がマルイ純正に比べるとほんのわずか下になっているようで、ガスルートパッキンとノズルの密着度を上げる意図があるようですが、逆に動作不良(閉鎖不良)の原因になることが多く、今回もマガジンキャッチを加工する必要がありました。
まず、改修パーツが届く前に組み上げてみました。実は改修パーツに何が含まれるのか、この時点では全く不明だったので、とりあえず初期パーツで動作改善も考えます。組み立ては特にややこしいところもなく、大抵のガンマニアには何の問題もないでしょう。
で、撃ってみると、動作が超ショボい。春先で気温が20℃ないとしても、リコイルが弱すぎる。そしてトリガーフィーリングが最悪で、トリガーもなかなか落ちない。スライドストップは最大まで上がってもスライドの溝に0.5mmくらいしかかからず、短期間でのスライド変形は必至。
こんな感じで問題点は複数あり、どれも明確です。まずファイアリングピン(というかバルブストライカー)がロックされた状態での突き出し量が短い。このためマガジンからのガス流量が少なく全体的にモッサリしているわけです。次にトリガーバーの形状がおかしいのとシアが薄すぎてトリガーバーに押されてもなかなかハンマーから外れません。あとシアの材質がアルミなのも問題です。ハンマーはステンレスなのでシアの摩耗はかなりの速度で進行しそうです。そしてスライドストップは形状に問題があり、スライドの溝に殆ど引っかかりません。これは調整でどうにかできるレベルではないのでオミットしたほうがマシでしょう。またサムセイフティのロックが甘く、グリップを握る手に少し力を入れるだけでセイフティがかかってしまいます。
改修パーツは思ったより充実しており、上に挙げた問題点はほぼ解消します。送られてきた改修パーツは、形状が見直されたファイアリングピン、シア、スライドストップ、それらに合わせたシャーシカバー、スライドストッププランジャー、そしてシリンダーリターンスプリングでした。シアは材質もステンレスになっています。これらに組み替えれば、動作は雲泥の差でよくなり、トリガーフィーリングも改善、スライドストップもきちんとかかるようになります。
残る問題点はトリガーバーの形状と緩いサムセイフティですが、トリガーバーはガーダーあたりのものに交換すれば解決です。サムセイフティはプランジャーがハマる窪みが浅いので、これをドリルで深く掘ってやれば改善します。グリップセイフティはなぜかこのパーツだけ質の悪い塗装の亜鉛製だったため、ガーダーのステンレス製に交換しました。
アイアンサイトのみの状態。オプティック外した際のスライドカバーにつける。 背の高いアイアンサイトはブサイクに見えがちだが、これはかなりスマートな印象。 |
アイアンサイトを後ろから見ると、やはり背が高いことがわかる。 ヘイニー等で知られるようになったタクティカルフックがここで活きるとは・・・。 |
オプティックと併用できるリアサイトはオプティックマウントと一体型。 カッコよさには欠けるが、数少ないリアサイトありでオプティックが使える2011。 |
補修パーツ。長くなったファイアリングピン、ステンレス製シア、スライドストップ。 シャーシカバー、スライドストッププランジャー、そしてシリンダーリターンスプリング。 |
今回は中華なマルイコピーのハイキャパなガバです。この銃は最初見たときは買う気がまったくなかったんですが、諸々流れに乗せられる形で購入に至る感じでした。しかしこの消極的な買い物にも関わらず、モノはとても気に入ってしまったというわけです。
BULというメーカーはイスラエルのメーカーで、米国内ではM5をかつてキンバーが販売していたこともあり(マルシンがモデル化しましたよね)、無名ではないけどマニアしか知らんメーカーですね(HS2000とスプリングフィールドXDみたいな)。そのBULも2011フレームのパテント失効後速攻コピー組の一員で、2011フレームにオフィサーズ(3.5インチ)スライドを載せたものが今回のやつです。一応オフィシャルライセンスらしく、リアル刻印とのことですが、そこ拘る人たぶん少ないですよね、メーカー的に…。エアガンとしてはコンプなしでオプティックなしなのと、コンプありでオプティック付きの2つがあり、購入したのはオプティック付きのほうです。
この銃を買うと決めた理由は、オプティックレディ(ていうか付属)、一応アイアンサイトあり、スライドが樹脂、という点でした。オプティックはShield SightsのRMSのレプリカで、スライドにマウントを介して載ってますが、このマウントはそのRMS専用で一般的なRMR等の他のサイトは載りません。マウントは直接樹脂スライドに空けられたネジ穴に固定するので、強度的に不安しかないです。おまじないの御札ほどに効果があるかと、スライドとマウントの間に両面テープ入れました…。そしてこのサイト、最近珍しい自動調光でスイッチがありません。カバーをかけて光を遮ると電源オフになります。昔のoptima2000とかのスタイルですね。かなり明るめで、炎天下の屋外でも視認可能ですが、蛍光灯下の室内ではドットが大きすぎると感じるくらいです。自動調光の欠点はバリケードなどで射手(というか銃)がターゲットより暗い位置になった場合にドットが見えにくくなる点で、それはこのサイトでも全く同じです。なおサイト後部はリアサイトを兼ねており、高さの合うフロントサイトと組み合わせて使うことができます。
樹脂スライドはナイロン樹脂製とのことですが、確かにABSとは違う質感です。タニオコバが使ってたアモルファスナイロン(ポリアミド)なのかな…。ABSと比べて丈夫なのかわからないのが何よりも不安で、メーカーがスライド割れ保証を半年間付けているのが逆に不安ですね。同じスライドでco2モデルもあるので、強度はあるのかもしれないですが…。個人的にはアルミスライドは問題ないと思ってるんですが、法的にグレーなところなので、堂々と使える樹脂スライドでオプティックがローマウントできるやつ、という稀有な製品だと思いますよ。マルイのオプティックで良ければFN45とかM&Pとか選択肢はあるんですが…。
リコイルスプリングが一つ余分に付属してまして、組み込まれているものと強さが違います。実はリコイルがかなり強いので、耐久性のわからないスライドと夏場のことを考えて、強い方のスプリングに交換し、AIPのリコイルスプリングバッファを足しておきました。
外装は銀色のメッキがビカビカで下品なので、COWCOWの黒いアルミ製フラットトリガーと、AIPの黒いアルミ製マグキャッチと、5KUのスチールハンマーと、GUARDERの黒いステンレス製グリップスクリューとグリップセイフティーに交換しました。5KUのスチールハンマーは安いのにストラット付きですが、これはうまく動作しないので、ストラットは純正と付け替える必要があります。
一応マルイハイキャパのマガジンが利用可能ですが、付属のマガジンはリコールかかってます。尤もブサイクにはみ出るスタイルなので最初から使う気なしです。僕はガーダーの軽量アルミマガジンを使うので、マグキャッチを削り込んで、マガジン位置を調整します。他にもトリガーを調整しましたが、キレがすごく悪い。Vanta9でもそうでしたが、Toxicant製品のトリガーバーはペラペラですぐ変形してしまうので、今回もトリガーバーをガーダー製に交換しました。インナーバレルとチェンバーパッキンはいつものpdi製で、キビキビ動きよく当たるいい銃になりました。
箱出し状態。銀色のパーツがいかにもメッキという質感。 マガジンは純正ではなくガーダーのアルミマガジンです。 |
ホールドオープン。やはり小さい銃のホールドオープンは迫力があるなあ。 中華な人達は2011がショートリコイルするということを知らないようだ。 |
右側のAIP製アルミマグキャッチをガーダーアルミマガジンに合うよう削って調整。 左側は純正銀色マグキャッチ。これは突き出し量が少なく使いにくい。 |
付属マガジンを入れたところ。なんでこんなマグバンパーなのか理解できない。 リコールかかってるけど、ダサくて重いので絶対使わないので返送迷い中・・・。 |
樹脂スライド。表面はなめらかで妙なムラが見える。 スライドストップの溝は普通より倍くらい長めになってる。 |
リアサイトからの風景。付属ドットサイトはかなり青いレンズが入っている。 ドットサイト後端がリアサイトを兼ねるデザインになっている。 |