■ Ontario RAT-7 (2007/07/08)


 お、初めてシースナイフ出てきましたよ。しかもオンタリオRAT-7。蝶々の2本はまだかいな、というご意見いただきましたが、もうちょっと待ってください。ご意見といえば、ここばかりかなりの頻度で更新されてますが、僕自身かなりヒマなのと、意外にも評判がいいみたいなので、ついつい・・・。おまえのご託は正直どうでもいいから写真をデカくもっと載っけろという大変ありがたいご意見も頂戴いたしましたので、前回の記事は大幅に書き直しておきました・・・。
 オンタリオはSPEC-Plusシリーズが米軍制式採用なので、ガンマニアにも名の知れたメーカーです。ただ個人的に、そのシリーズはカタチが100%アーミーナイフという感じで全然好きになれないんですねえ・・・。ダブルヒルトっって品がない。やっぱりフルタングでハンドルは左右から挟むっていうのがいいと思いません?
 RATっていうのは Randall's Adventure&Training の略で、ランドールさんていうミリタリーなおっちゃんが南米ペルーの山奥でやってる、訓練施設のことだそうです。そのRATとコラボレーションでオンタリオが作ったのがこのシリーズで、ブレードの長さ等によって数種類のラインナップになっています。で、コレはその中でもたぶん2番目に長いブレードのRAT-7です。標準的なブレード長はRAT-5やTAK-1の12cmほどですが、ブレード幅があるので長い方がバランスがいいなあと思い、RAT-7を買ってみました。リカッソを除くブレード長は160mm。RATシリーズ最長のRTAKは250mmくらいですが、そこまでいくと長すぎてバランスが悪いんで、このサイズが限界ですねえ。(RTAKって Randall's Training&Adventure Knife の略だったハズ・・・。じゃRATじゃなくてホントはRTAなの??)
 ブレードの鋼材は高炭素鋼、1095ハイカーボンスチール。個人的かつ不完全な調査によると(なんじゃそりゃ)数値の大きい方が硬く耐摩耗性に優れるらしいですが、欠けやすくなるためエッジの角度を大きめにし、ブレードに厚みを持たせる必要があり、また硬度が高くてホーニング(研ぎ)が難しいので一般的なナイフには使用されません。耐摩耗性が高いので、いちいち研いでられないような用途、ペルーの山奥でアドベンチャーなトレーニングをするような場合は向いていると言えるでしょう。1055や1095ハイカーボンスチールは一般的にマシェット(マシェーテ;藪を切り開くための60〜90cmのブレード)によく使われる鋼材です。D2と同じくステンレスじゃないので、錆や酸には弱いようです。オンタリオのサイト見てみると、RAT-7にもD2バージョンがあるようですね(D2の方にはブレードにRATのゲリラみたいなトライアングルロゴ入ってますね。)ハンドル材はマイカルタ。マイカルタは樹脂と他素材を高圧で固めたもので、他素材として何を使うかで色や質感に大きな差が出ます。このRAT-7のはキャンバスマイカルタで、麻の布地がベースのため表面は粗めで手が滑りにくくなっています。付属のナイロンシースは特徴のない作りです。
 シースナイフの醍醐味(?)といえばフルタング。ブレードの鋼材がそのままハンドルエンドまで形作る構造で、高い強度を得ることができます。反面重量が嵩むわけですが、シースナイフはデカいので、フォールディングナイフと違って携帯性と軽量化よりも、その両方は諦めて強度とメンテナンスの容易さを重視するわけです。特にこのRAT-7くらいになるとマシェットのような使い方から、重量を生かして小枝から小さな薪を作ったり、動物の解体時には細い骨なら叩き切ることもでき、泥や血で汚れたらハンドル外して丸洗いという手入れの簡単さ、フォールディングナイフには真似のできないヘビーデューティなアウトドアナイフというよりはもはやサバイバルナイフですね。ま、こちとら鉄砲と並べて眺めて楽しむだけですが。


エッジはベンチメイドなどに比べると鈍め。用途や材質からすると妥当だけど・・・。リカッソにある刻印のとおり勿論米国製。気分の問題ですが、中国や台湾製のナイフはもう欲しくない。






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