■ Bladetech M.L.E.K. (2007/07/16)


 後でちらりと触れますが、ホーニング(研ぎ)もまともにできない人間にナイフについて語る資格なし、ということでバカでも研げるホーニングセットを買ったんですが、それ買うついでにMLEK買っちゃいました。本当はMLEK-Extremeのハーフセレーションが欲しかったんですが、なかなかない上に国内では3万円もするので、妥協しときました・・・。
 Bladetechといえば、カイデックスのホルスターでガンマニアにはお馴染みですねえ。といっても他のカイデックスホルスターよりもちょっと高いので、僕も欲しいと思いながらもひとつも持ってないんですが・・・。
 そんなメーカーなのでさぞタクティカルナイフもたくさん作ってるんだろうな、と思ってたら、タクティカルナイフのプロダクトは1つで3SKUのみ。MLEKとその廉価版MLEK-LiteとブラックコーティングのMLEK-Extreme。あとは全部(といっても大きく分けてあと3種類)ハンティングナイフとなっています。リードデザイナーの Tim Wegner が熱心なハンターなのがその原因のようです。で、今回のはそのMLEKです。
 MLEKとは「Military Law Enforcement Knives」の略で、軍及び法執行用のナイフって意味ですね。これまたガンマニアにはおなじみの言葉、Military and Law Enforcement use only 〜ってブレイディ法有効時のダブルカラムマガジンとかに刻印されてましたねえ。
 原型になっているのは Pro Hunters シリーズで、このナイフのポイントにスウェッジをつけて尖らせ、ブレードをやや幅広にしてあります。これはハンティングナイフではあまり想定されない「突き刺す」という用途に対応させるためです。
 刃長はエッジのみで86mm、ハンドルは123mm。ブレードの厚みは3.2mm。ブレードの鋼材は最近の高級ナイフで採用例が急増中の新型粉末鋼CPM-S30Vで、ハンドルはエマーソンと同じG10。右写真一番上は刻印のアップ。写真では影になってて見えませんが、サムホールの内側は仕上げがされておらず、かなり汚いです。特徴的なのはハンドルの方で、ライナーの上にハンドル材を重ねるというオーソドックスな方式ではなく、ハンドル材の内側にライナーを埋め込むようにして、横から見てもハンドル材しか見えないようになっていることです。このため、ハンドルがとても薄くなっています。右写真二つめはハンドルの厚みをEmersonのCommander(下)と比較したものです。ブレードの厚みはどちらも同じく3.2mmですが、ハンドルの厚みはMLEKが10.2mmでCommanderは13.0mmです。強いて例えるなら、MLEKはシングルカラムのガバ、CommanderはダブルカラムのCz75といった感じです。Commanderをはじめ、フォールディングナイフでハンドルが厚くて持ちにくいと感じたものは今までありませんが、もし携帯することを想定すればハンドルは薄いに超したことはありません。ただハンドルのデザインは工夫がなくてつまんないですね。ハンドルは全体的にクセのない丸みを帯びたデザインで、ヒルト(キリオン)が低く、人差し指の保護が頼りないですが、チョイルにもグルーブがあり、様々な持ち方に対応できるあたり、出自がハンティングナイフにあることを主張しています。また右の比較写真でもわかるようにオープン時にはハンドル内部はネジを覆う円筒形のスペーサー以外に何もなく、全く塞がっていないためメンテナンスの容易さをアピールしていますが、頑丈さというか堅牢さではハンドル自体の薄さも相まって決して万全とは言えません。タクティカルナイフは都市災害時におけるサバイバルナイフの役割もあり、ハンドルでガラスを割る等の用途も考えられる以上、ハンドルの強度もそれなりに重要だと思うんですが・・・。
 さて、最初に触れましたホーニングの件ですが、中古で買った方のCommenderを段ボールの開梱や山奥行くとき持ってって変な木の実切ったりしてたら、どんどん刃が鈍ってきて棒状のダイヤモンドシャープナーではもはや対応できなくなってましたので、自称アウトドア詩人の友人にホーニングを頼んだところ、ホーニングもまともにできない人間は2万円のナイフ買うより100円ショップのゴミナイフ200本買っとけとか屈辱的な言葉を浴びせられ、じゃあ自分でやってみるわと砥石借りてその場で頑張ったんですが、いやあ、全然刃がつきませんでした。後日あれこれ探してみつけたのが、スパイダルコのTriangle Sharpmaker というやつです。使ってみると値段も手頃で誰でもカンタンという評判は本当でした。要はホーニングの際に砥石とエッジの角度を適切かつ一定にするのが難しいわけで、砥石をその適切な角度に傾けておけばエッジは垂直に摺り下ろすだけという理屈ですね。僕のCommenderの場合、新品の状態を100とすればこれで95くらいまでは戻せました。ちょっと感動しましたよ。使い方解説のDVDが付属してるんですが、当然英語のみで字幕は一切なし(リージョン0なのがせめてもの救い)。言葉は全部わからなくても言いたいことはわかるんで一通り見てましたら、ホローグラインドやフラットグラインドとか説明してるところで、「イッツジャパニーズほにゃららハマグリバー」とか言ってて蛤刃ってそのまま英語で通じるんだとビックリしましたよ。






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