■ Master of Defence NightWing (2007/08/01)


 今回は高いだけでダメナイフっぽいなあと思いながらも買っちゃって、案の定、ハンドルデザインの品のなさに閉口しちゃった「プロフェッショナルによるプロフェッショナルのための」ナイフです。
 Masters of Defence、通称MoDのNightWingです。国内では3万円以下で売られてるところはなかなかない、高いナイフです。MoDのナイフはデザインがどれもイロモノくさくて(Unitedほどじゃないけど)、全然好きじゃないんですが、その中で唯一許せるデザインなのがこのNightWing(ノーマルスパイン)なわけです。それもそのはず、これデザインしたのは Allen Elishewitz というカスタムナイフメーカー(企業じゃなく職人さん)で、彼の代表作といえば・・・そうです、ベンチメイド#140、Nimravusですね。ブレード長はリカッソ除いて130mm、デザインはニムラヴァスをシャープにしたような感じのクリップポイントで、とってもいいのですが、ハンドルが駄目すぎて実にもったいない!  写真を見て貰えばわかるとおり、ハンドル中央が盛り上がっているデザインで、かなりダサくて多少違和感があるものの、まあ握りにくくはないです。しかしインレイよろしくわざわざモールド掘って貼り付けてあるゾウリムシ型の滑り止めシールがあまりにもショボい。質感はホームセンターで売ってる、玄関の軒先の段差に貼る滑り止めシールです。昔、錆びたUZIのグリップを誤魔化すために貼ったことがあるので、間違いありません。そのまんまです。これが素手だと滑り止めというより、目の粗い紙ヤスリなので、痛いんです。それに何より、これの裏のノリが甘くて、端っこがすぐ浮いてくる。ラバーシートか何かで作り直して、張り直そうと思いました。本気で。
 ラインナップには同じモデルでスパインにエッジがついてるものとセレーションがついてるものがあるんですが・・・。実用性はもとより求めちゃいませんが、それでもスパインにエッジってなんのために?って感じです。格好良くもないし。それならこの長めのスウェッジに刃つけて長めのフォールスエッジにした方がデザイン的にもすっきりしたと思うんですが・・・。まあ、何にせよ、ノーマルスパインのものがMoDで唯一カッコいいデザインなのですよ。
 ブレード鋼材はS30V。勿論タクティカルナイフとして必須条件のフルタング。このナイフでデザイン以外に感心した唯一の点が、スパインやチョイル、タングの縁が丸めてあるところです。S30VのHRCは60程度なので、たかがこんな処理でもバカにならないコストがかかるハズです。手に痛い滑り止めシールとは矛盾している点ですが・・・。ハンドルは強化ナイロンともG10とも言われてますが、メーカーサイトがダウンしているようで調べられません。ただG10独特のパサパサ感というかキシキシ感がなくて、肌触りからすると強化ナイロンだと思います。リカッソに空いてる二つの穴はなんなんでしょうね。滑り止めシールでショボくなったハンドルを外してパラコードを巻けるようにしてあるのかな、とも思いましたがこの湾曲したタングに巻くのはちょっとしんどいかなあ。
 あまりのダサさに写真は載っけられませんが、外箱のデザインはアメリカンなオモチャっぽくてビックリしました。しかもそのままディスプレイ台に加工できるというギミックもあって、そんなんで部屋に飾っておくと、日本では誰も3万円クラスのナイフだと信じてくれないこと間違いなしですよ。


因みにMoDのキャッチコピーは、「FOR PROFESSIONALS, BY PROFESSIONALS」。もう笑うしかないですよ。なを、左上写真のトロにゃんはオイルでスタンプしたもの。





[トップメニューに戻る] [一つ前に戻る]