■ Benchmade Fixed Presidio (2007/08/09)


 ベンチメイドがニムラヴァスの大ヒット後、その面影を色濃く残して作り上げた隠れた名作がこのフィクスドプレシディオです。共通のデザインを持つフォルダーに同じくプレシディオシリーズがあり、そのフィクスドブレード版としての製品名のようです。特徴はなんと言っても150mmのエッジと85mmのフォールスエッジです。基本はクリップポイントですがフォールスエッジを長くすることでスピアポイントに優るほど「突き刺す」ことに有利になっています。ハーフセレーションのモデルもありますが、その場合フォールスエッジにもセレーションが入るので、スマートさが完全に損なわれてしまって、別物の印象を受けます。デザインはベンチメイドの筆頭デザイナーの一人、Warren Osborne で、先にも挙げたフォルダーバージョンはまた別のデザイナーが手がけています。オズボーンデザインのナイフはハンティングを視野に入れたものが多く、タクティカルなものは殆どありません。そんな中でコイツは別格で、ニムラヴァスと並んでベンチメイドでも最もタクティカルなナイフの一つになっています。
 特徴的なフォールスエッジ以外にも良い点がたくさんあります。ハンドルデザインは中程とエンドのふくらみのおかげで絶妙のグリップ感を得ることが出来、フィンガーグルーブのように持ち方を強制することもなく、ヒルトのキリオンもちょうどいい大きさで、ニムラヴァスと同じく手のひらによくフィットします。ソングホールはハンドルから露出せず、ハンドルエンドには何かを叩き割るときのためにタングが僅かに突出しています。このクラスでは当然のアメリカ製ですが、シースは中国製。
 ブレードの鋼材は154CM。ハンドル材はエアクラフトアルミ。エッジの長さは153mm、折り返してフォールスエッジが85mmあります。ブレードの厚みは5mmですが、幅が狭いために細長く見えます。長さは殆ど一緒のRAT-7と比べると、右上の写真のとおり華奢な印象さえ持ってしまいます。アウトドアナイフとしては無駄に長いブレードに手を添えることもできない鋭いフォールスエッジと、使い物にならない要素ばかりですが、ライフルと並べた際の銃との相性はバッチリですねえ。
 余談ですが、ベンチメイドとエマーソンは新品の状態でホントにエッジが鋭いです。今回の写真撮ってるときに指の先にポイントが当たったんですが、刺さった感じが全然しなかったので気にせずライフル置いてナイフ並べてしてたら、あちこちに血痕が見つかってティッシュで拭いてたら拭き取った量より明らかにティッシュが赤い(笑)。よく見たらティッシュ持ってる指からどんどん出血してる始末。こないだもエマーソンのフォルダー閉じるときに人差し指をエッジとハンドルで挟んで、軽く当たった程度だと思ってたらぱっくり切れてました。で、どちらにしても、切った時も切った後も、全然痛くないんですよ。鋭すぎて痛みを感じない、というマンガみたいな表現もあながちウソじゃないみたいですよ。






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