■ Microtech Currahee Green Camo (2007/08/22)


 マイクロテックのナイフでは数少ない、そのまま日本で所持可能なナイフのひとつ、カラヒーのグリーンカモ、ハーフセレーションです。
 カラヒー!って叫ぶ兵隊さんの物語を知ってますか? 戦争映画や海外ドラマが好きな方ならご存知、Band of Brothers ですね。その第一話目のサブタイトルが「Currahee(和訳では『翼のために』)」です。ドラマはD-Dayの前夜にノルマンディーに降下し、上陸作戦を成功に導く大きな役目を全うした陸軍101空挺師団506連隊の結成直後(1942年)から終戦直前のイーグルネストまでにおける、第2大隊E中隊を追う実話に基づくもので、98年に大ヒットしたアカデミー賞5部門受賞の名作、Saving Prv.Ryan で主演したトム・ハンクスが自ら2匹目のドジョウを求めて、製作総指揮として参加したため日本でも大きく話題になりました。しかし前評判や撮影規模の割に内容が地味で、良くも悪くもリアルな戦争の風景を描きながら、TVドラマという制約からか映画に見られるような残虐な戦闘シーンも少なく、さらに日本の視聴者はWWIIにおける欧州の歴史の基礎知識が乏しいために内容が理解できない者も多く、日本ではイマイチ盛り上がらなかった不憫なドラマです。このドラマの主人公たち506連隊が結成直後に駐屯していたジョージア州トコアの基地で、毎日肉体教練のために走って登っていた山をカラヒーマウンテンといい、彼らは鬨の声として劇中に幾度かこの山の名前を叫びます。おっと余談長すぎた。
 で、そんなドラマや506連隊とは何の関係もないのになぜかこんな名前のナイフなんですが、海軍のボートチームに納入するために少数生産されたものをベースにしたマスプロダクションです。米軍特殊部隊BoatTeam20とかいう記述をたまに見かけますが、そんな特殊部隊はなく、マイクロテックが自社サイトで海軍のボートチームの一つを指して誇大している部分を誤解している人が多いようです。
 比較的錆びやすいD2鋼なんで、海軍でプルーフ済みなんて笑い話でしかないんですが、厚さ5.05mmで幅は最も広いところで5cmというブレードは頼りがいがありそうです。ブレードの長さは110mm程度と比較的短く、個人的には寸胴で物足りないイメージがあります。できればブレードはあと1インチほど長ければもっといいデザインになったのではないかと思います。ハンドルはキャンバスマイカルタで勿論フルタングです。ソングホールが円形ではなく細長く空いているんですが、ハンドルエンドで何か叩き割るときの強度を考えると良いとはいえないデザインです。またファスニングボルトが独自の冶具でないと開閉できないという愚劣の極みです。
 価格は国内では3万円以下で販売されているところは滅多にない高級ナイフです。MoDのNightwingと同じく、高い理由が全然わかんないナイフです。ヒルトのキリオンをもう少し低めにして、チョイルに指がかけられるようにし、ファスニングボルトを普通のレンチに対応させれば、アウトドアで大活躍しそうな感じなんですけどねえ。






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