■ Benchmade Nimravas (2007/09/14)


 国内で最も有名なタクティカルフィクスドブレードといえばやっぱりニムラヴァス。バリソン蝶々のロゴはバタフライナイフのブランドとして有名になりましたが、ベンチメイドは昔から限定生産品にプレミア価格がつくほど人気の高いファクトリーナイフメーカーです。
 Nimravusとは古代哺乳類の名前。猫科の祖先として1000万年前に欧州を中心に生息していたとされるマカイロドゥス(サーベルタイガー)の一種(Machairodus aphanistus)で、化石がフランスと北米の一部で発掘されています。ベンチメイドのNimravusはAllen Elishewitzデザインの典型的タクティカルシースナイフで、ドロップポイント(ベンチメイドのカタログではモディファイドタントとされています)モデルのセレーション付きが米軍採用となっています。陸軍?海兵隊?わかんなかったんで調べてみたんですが、どうやらNSN取得して、兵士が装備品として選択できるようになっているようで、標準装備品として一律支給されるものではないようです。NSNとはナショナル・ストック・ナンバーといって米政府発行の備品管理番号のことで、兵士等が装備に選択して調達する際に利用するものです(NimravusはNSN#1095-01-466-8569)。
 リカッソを除くブレード長はプレーンで116mm、セレーション付きが112mm(内セレーションが24mm)。ブレードの厚みは3mmと薄め。ブレードの鋼材はD2、ハンドルはエアクラフトアルミ。Nimravusの鋼材はいくつかあるようで、旧モデルは154CMがスタンダードで今はD2に変わっています(ハンドル材も旧型はG10でツルツル、微妙にハンドルデザインも違う)。他にもM2ハイス鋼やATS-34を使ったものもあるようです。実はこのNimravusのショートバージョンNimravusCubのATS-34プレーンがかなり欲しかったんですが、国内外どこにも売ってないので諦めました。セレーション付きなら割と見つかるんですが・・・。NimravusCub自体がベンチメイドでは現在廃盤となっているので、もう入手は絶望的です。またこのNimravusについても比較的錆びやすいD2よりは154CMの旧型を探したんですが、見つかるのは国内の在庫で2万円以上の高いものばかり。仕方なく、新型のD2を海外通販で105ドルで購入しました。
 タントモデルは華奢なアーミーナイフといった感じですが、ドロップポイントの方はこれぞナイフといった形をしていて、やや小振りながらも非常に頼もしいデザインです。ドロップポイントモデルはタクティカルナイフとしては珍しく、普通にアウトドアでも使える実用的な形状をしています。ハンドルはFixedPresidioと同じくエアクラフトアルミに前後で向きの違う滑り止めが掘られていて、手のひらにしっかりと食いついてきます。好みが分かれるのはサブヒルトというかフィンガーチャネルの部分ですが、あくまで人差し指のサポートのみとなっているし、個人的には握りやすくていいと思います。鉄砲で言えば、ホーグ等のフィンガーチャネル付きグリップは許せないんですが、M16/AR15系ではM16A2以降の一つだけフィンガーチャネルがついたグリップが大好きというのと同じ感覚ですね。上の写真、そう思ってJACのM16A2引っ張り出してきて写真撮ったんですが、肝心のグリップ切れてますね・・・。
 付属のナイロンシースはなんとEagle製。ナイフ本体と揃って米国製です。今まで買ったシースナイフに付属のものでは抜群の出来です。ま、ミリタリーウェア着込んでウヘウヘする趣味はないので、シースはあまり重視しないんですけども。アウトドアで使うこと考えれば、ナイフそのものと併せて「いいもの」を身につけてるという満足感はバッチリ得られそうですよ。


出来がよく、デザインもよく、価格も割と手頃、シースもよく、なんといってもベンチメイド。タクティカルなフィクスブレードはまずコレから、と言っても良さそうな逸品ですよ、やっぱり。





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