■ ZeroTolerence ZT9 M4 Bayonet (2010/09/11)


 バヨネットです。ナイフを蒐集するガンマニアとしては意外なことに、バヨネットすなわち「銃剣」が今まで一つもなかったんですよねえ。今回はZeroToleranceとStriderのコラボで、M4に銃剣という「つけれるはずだけどつけたの見たことないなあ」という取り合わせです。
 バヨネットはライフルが槍の代替でもあった頃の遺物で、昨今子供向けのゲームでたまに見かける「剣に銃が組み込まれたらカッケーじゃん!ゲロゲロリ」みたいな発想というよりは、最終的に接近戦になったときには撃つより突き刺した方が手っ取り早い状況のための装備です。しかし銃剣が必須とされたのは塹壕が掘られた一次大戦時までで、それ以降は徐々に戦場では銃剣が必要になる状況が減少していき、現在では全く使われなくなってしまいました。しかしベトナム戦争時代に生まれたM16にはまだ伝統(?)が辛うじて残っていたため、バヨネットの取り付けが可能になっており、このM16から進化した現在の米軍制式ライフルであるM4にもそのままバヨネットが取り付けられます。
 左写真、一番上がM4に着剣した状態。実は手持ちのM16/AR15系のエアガンは全部で5丁ありますが、どれもバヨネットが取り付けられない。M203がついてるのが1丁、バレルが14インチ以下なのが3丁、延長レールでバヨネットラグが埋まってるのが1丁。そこで外装取り替えまくってセミの抜け殻のようにガワだけ形になるWAのM4のフロント部分に、10.5インチバレルを14インチバレルにするエアガンならではの延長バレルを取り付けて撮った写真というわけです。寸法が微妙に異なるので、実際は15インチほどになってしまっているようで、本来フラッシュハイダーの溝に填るはずのリングがフラッシュハイダーの付け根にきていますが、まあだいたいこんな感じになるということで。
 左写真上から2番目はハンドルエンドのバヨネットラグに噛み付く部分。スチール製(ODのハンドル材はG10)です。実は取り付けは僅かに寸法が合わず、取り付けようとしたWAのフロントサイトは樹脂製なので、削ってやって漸く入りました。WAの寸法が実銃とは違うのかもしれません。
 ハンドルは本来ナイフとして使うよりはバヨネットとしての機能を重視したものなので、取り外してパラコード巻きました。その際取り外した状態が左写真3番目。発射の衝撃に耐えられるように、各ネジの締め付けの固さは尋常じゃなく、分解にはかなり手間取りました。美しいまでにシンプルなフルタングですね。
 エッジの長さは160mm、うちセレーションは26mm、厚みは5mm。鋼材はS30V。表面はストーンウォッシュ仕上げで軍用ナイフという雰囲気を放つ肌です。左写真最下段ですが、このナイフには貝印の「KAI」ロゴがありません。セレーションなしモデルがない点もミリタリーナイフであると強調しているように感じられます。
 ちなみにZTはKenOnionとStriderがタイアップしたブランドだと言われている場合がありますが、ZTのサイトや海外の情報を見る限り、Striderが関係しているという記述は見当たりません。現在ZTでStriderとのコラボはこのZT9とコードカッターのみ、特にこのZT9は飽きのこないシンプルなデザインながら質実剛健、Striderデザインがあまり好きではない僕にも、実にグッとくる代物です。実売価格は200ドル超と、安いナイフではありませんが、まともな鋼材で卓越したデザインのバヨネットとしては唯一です。特にバヨネットはケーバーのような古くさく安っぽいものしかないため、M4好きなガンマニアにはたまらないアクセサリです。


タンのパラコードをStrider風に巻いてみた。実質ヒルトがないため重ねて巻くとバランスが悪くなったため下地の巻きはナシ。





[トップメニューに戻る] [一つ前に戻る]