■ SpartanBlades Defensa (2022/08/09)



 さて、今回は心残りを払拭するために、1ドル130円以上という未曽有の円安の中で購入したものです。
 SpartanBladesのHarseyDefensaです。前回のAresでSpartanBladesのクオリティに満足していたのですが約8年前にSpartanBladesから新製品でWilliam Harseyデザインが登場したとき、欲しいと思いつつナイフ蒐集をストップさせてしまったのです。それがこのDefensaで、注文後8か月も経ってようやく届いた、念願の1本です。
 鋼材はS45VN。ブレードの厚みは5mm、エッジの長さはリカッソを除いて140o。角度の浅めなドロップポイントで、広めのフラットグラインドと相まって、ブレードはオーソドックスなデザインです。個人的にはリカーブドなら最高だったんですが・・・。ハンドルはとてもきれいなマイカルタで、Harseyデザインの特徴ともいえる隆起があって手に吸い付くような握りやすさです。



 うちにあるHarseyデザインのナイフを並べてみました。見てるだけで酒のアテになるなあ・・・。
 数年ぶりにアメリカのナイフ業界を俯瞰してみると、結構大きく変わっていました。まずStriderをはじめとする特殊部隊詐称事件の余波とコロナの影響で、タクティカルナイフブランドはかなり弱小化しており、Emersonを筆頭にカスタムナイフに注力する形でファクトリーナイフからは事実上撤退しているところが散見されます。COLDSTEELやSOGといったティーンエイジ向けのブランドは健在で、Benchmadeのような大手ブランドもコンスタントに新製品を発表していますが、ここ数年の間に発売された中で魅力的な製品は見当たりませんでした。またWEやCIVIVIといった中国ブランドの躍進が目立ちます。Proudly Made in Chinaというコピーもよく見かけるようになり、中国製=非高級品というイメージを払拭すべく、中国ブランドが努力していることが伺えます。とはいえ保守的な思想を捨てきれない僕なんかはまだちょっと中国製の高級ナイフには手を出す気がしないんですが・・・。
 鋼材のトレンドも変化しており、以前は高級ナイフの鋼材といえばS30Vだったのが、今はその2世代後の新素材であるS45VNに置き換わっています。またステンレス鋼材の価格が高騰しているのか、炭素鋼の割合が多くなっています。個人的には保管に気を付けないと錆びが浮く炭素鋼は可能な限り避けているんですが、錆以外においては理想的な鋼材の一つであるD2や、1095ハイカーボンの改良型の1095CroVanなどがミドルクラスのナイフでよく見かけます。






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