−ナイフ関連用語 覚え書き−


いろんなところから勉強した用語集。随時修正中。いろんなサイトからのコピペが多いことはヒミツ。
おいおい体裁整えていくんで、今のところ読みにくくてすんまへん。


鋼材


・鋼材の性能
 ナイフ鋼材において特に重視されるのは、硬さ(耐摩耗性)、粘り(強靱性)、錆びにくさ(耐腐食性)である。硬さはロックウェル硬度C(HRC)で表記されるのが一般的で、硬いほどよく切れて刃持ちもいいが刃付けをする工具や機械の消耗も激しく生産性は落ちる(硬い鋼材を使用したナイフが高価なのは鋼材そのものの価格差よりも、加工の際のコストが反映されるため)。粘りは計測基準はJIS等によりあるようだが、一般的に用いられている尺度はない。粘りが強いと石等の硬いものにぶつけたとき、刃が欠けずに鈍る程度で済む。耐腐食性は主に水分による錆の発生しにくさを示すが、強酸による溶解や硬度の低下にどれだけ耐えうるかを同時に示す場合も多い。
 硬さは最も多用される鋼材の尺度なので、ロックウェル硬度について触れておく。
 ダイヤモンド又は球圧子を用いて、最初に基準荷重、次に試験荷重そして最後に再び基準荷重を加えて前後2回の基準荷重による圧子の侵入深さの差から硬さを求める。要はダイヤモンドを押しつけてへこんだ深さで硬さを計測する方法。
 圧子の形状や負荷によってHRA〜HRCまでの3つの計測方法に分けられ、鋼材の場合はそのうちHRC(150kg負荷で圧子は先端が0.2mmの円錐形)が用いられる。
 ナイフの場合はHRC60前後が理想的だが、実用上55以上あれば問題ないとされる。ただし64程度となると刃が鈍った際にホーニング(研ぎ)が難しくなるうえ、一般的に高硬度の鋼材は粘りがない。


・154CM
 高クロム・モリブデン含有のステンレス鋼。HRC59〜61。154CMは、AISI(米国鉄鋼協会)の規格番号ではなく、米・クルーシブル社の商品名。AISI規格では618番。JIS規格にはなし。クロム含有率15%、モリブデン含有率4%のため、15%と4%のCrとMoが入ってるという意味の呼称。
 元々はボーイング707のジェットエンジン軸受に使用され、ATS-34登場まで、最高のナイフ鋼材とされていた。高温でも強度を保ち、耐腐食性、耐摩耗性も高い。反面焼き入れ前から硬度が高く、加工コストは高くなってしまう。

・D2
 耐摩耗性の高い高炭素鋼。AISIの規格のままでD2、JIS規格ではSKD-11。HRC60〜61と刃持は良いがサビに対しては弱い。そのためコーティングなしでは実用性に難があり、鏡面仕上げが難しいためカスタムナイフでは殆ど使用されず、黒等の表面加工が施されている。

・ATS-34
 日立金属が開発した鋼材。モリブデン含有量が多く、HRC59〜64。理想的なナイフ鋼材として評価が高い。HRCが高く加工コストがかかるため、ファクトリーナイフではあまり使われず、主にカスタムナイフメーカーが採用している。なおATS-34の改良素材としてATS-55があるが、これはHRC60程で粘りを強めたうえ、より錆に強くしたもので、ダイバーナイフ等に採用されていたが、H1鋼などのさらに錆に強い鋼材の登場で現在は殆ど見られない。

・440C (SUS 440-C)
 マルテンサイト系ステンレス(クロム・炭素の含有率が大きく、焼入れの課程で高い硬度が得られる金属)。名称は規格番号のままでJIS・AISI共通。
 SUS440には含有炭素量に応じてA〜Cの3種があり、ナイフにはそのうち最も高炭素の440Cが使用されることが多い。耐腐食性は高いが、HRCは57〜58とナイフ鋼材としては低め。
 一般に食器等に幅広く使用されるオーステナイト系ステンレス(クロム・ニッケルの含有率が大きく、焼き入れをしても硬度が変わらない;SUS304/316等)より硬度が高いが耐腐食性では劣る(錆びやすい)。意外だと思われることだが、マルテンサイト系ステンレスは磁石にくっつく。

・AUS-8 (8A)
 愛知製鋼で作られているステンレス鋼。440Cより炭素、クロム、モリブデンの含有量が低いが、バナジウムを含有しており、HRCは56〜58。440Cより製造コストが低く抑えられ、だいたい近似の性能が得られるため、メジャーなメーカーが安価なナイフに使うことが多い。包丁ではクラッド材(ベニヤのような単純な3〜5層の接合鋼材)の芯として使用される(割込み包丁)。

・CPM S30V
 ステンレス粉末鋼。HRC58〜60。粉末鋼とは溶解状態で鋳造するのではなく、霧吹きのように吹き付けて微細な粉末状になった合金素材を焼き固める。鋼材中に原料、特に炭素が均一に分布するため、材料中の炭素量を増やしても巨大炭化物が形成されず、刃持ちがよく強靱で耐腐食性に優れた高炭素量の鋼材が製造できる。440Cより耐腐食性を含めた全てにおいて優っている。ファクトリーナイフにおいては、ATS-34よりS30Vのほうが採用例が多い。

・ダマスカス鋼 Damascus Steel
 独特の縞模様が特徴の鍛造鋼。2種類の金属を重ね合わせて造られる。鉄と鋼、或いはそれぞれと純度の高いニッケルとの組合せがある。
 元々は古代インドで作られた鋼で、別名ウーツ鋼。古代より高級刀剣の鋼材として珍重されてきたが、現在の鋳造法は古代のそれとは異なり、鍛造の際に異種の金属板を何層も重ね合わせるため、完成時には多数の金属層が積層され、古代ダマスカス鋼と同じく独特の美しい縞模様が現れる。

・ハイス鋼
 高速度工具鋼(High Speed Steel)の略。W(タングステン)を多量に含むタングステン系ハイスと、Mo(モリブデン)を含むモリブデン系ハイスがあり、ナイフ鋼材としてはAISIの規格でM1やM2など、モリブデン系ハイスが殆ど。HRCは61〜63と高いが耐腐食性は低い。つまり製造コストが高く、錆に滅法弱いのでナイフ鋼材としてはマイナー。

・VG-10 (V金10号)
 武生特殊鋼材製のステンレス刃物鋼。炭素量を増やした際の巨大炭化物形成防止のためにコバルトを多く含有させ、硬さと耐腐食性において優れている。HRC60〜62と硬く、粘りもあるが、やや錆びやすい。

・ZDP189
 日立金属の粉末鋼。HRCが66〜68と突出して硬く、錆にくさは440Cと同等という驚くべき特性を持つが、唯一の欠点として粘りがない。

・N690 (N690Co)
 オーストリアで開発された鋼材。コバルト含有量が多く、錆びに強い。特性は440Cに類似、コストが抑えられるため安価なダイバーズナイフにも使われる。HRCは58〜60。

・H1
 鋼材の必須元素である炭素を含まない刃物鋼。そのため全く錆びないと言われている。採用製品が少ないが、チタニウム系に代わってダイバーズナイフ等の最適鋼材になるかもしれない。

・9Cr13CoMoV/8Cr14MoV
 中国の特殊ステンレス。前者はVG-10を、後者はAUS-8をコピーしたもので、特性はそれぞれと殆ど同じ。



形状・構造・分類


・シースナイフ Sheath Knife
 シース(鞘)に入れて持ち運ぶナイフの総称。フォールディングナイフ(折りたたみナイフ)に対してフィクスドブレード(固定刃)ともいう。

・フォールデイングナイフ Folding Knife
 折りたたみナイフ。単にフォルダー或いはフォールダーとも呼ばれる。ブレードはピボットで回転してエッジ側からハンドルに収納される。ブレードが開いた際にロックする機構によって、ロックバックやライナーロックがあり、前者はアウトドアナイフ、後者はタクティカルナイフに多い。また少ないながらもこのロックを特に持たないものがあり、それらをスリップジョイントと呼ぶ。

・ファクトリーナイフ
 工場で大量生産されるナイフ。二束三文のゴミナイフから有名メーカーの逸品まで、殆どのナイフがこれに該当する。特にプレミアがついたりしない限り、現行商品で価格が5万円を超えることは希。

・カスタムナイフ
 職人が一つ一つ作るナイフ。カスタムナイフメーカーと言うと、企業ではなく職人のことを指す。実用性を重視したものもあるが、殆どはアンティークや美術品のひとつとして捉えられ、価格は安いものでも5万円程度、100万円を超えるものも珍しくない。

・ナイフの形状による分類
 ナイフはその外観形状によって概ねの分類がされる。以下に代表的なものを挙げる。

 コンバットナイフ:ミリタリーナイフのひとつになるが、より俗物的な形状のものを指す場合が多い。基本的にダブルヒルト。
 ボウイナイフ:クリップポイントでスウェッジが抉れたように窪んだ形状のミリタリーナイフ。
 ジャックナイフ/登山ナイフ/アーミーナイフ:このカテゴリーは存在しない。漠然とした分け方であり定義はできない。
 ミリタリーナイフ:軍や法執行機関が採用しているまともなものから、チンピラ志望の子供向けゴミナイフまで、玉石混淆のカテゴリー。
 アウトドアナイフ:キャンピングやトレッキング等の屋外活動において調理や木材の加工等に広く使用される実用ナイフ。
 ハンティングナイフ:狩猟において獲物にとどめを刺したり、大きな獲物を解体する際に使用される。ブレードは幅広で、鋭利さより頑丈さが重視される。
 サバイバルナイフ:本来は密林等に墜落・不時着したパイロットの生存性を高めるために装備された万能ナイフ。ミリタリーナイフに似るが、ハンドルが中空だったりバックに鋸刃がついていたりする。
 レスキューナイフ:消防士や救命士が持つナイフ。通常のナイフとは逆に婉曲した三日月型のブレードで、ポイントは丸められ、エッジの半分または全てがセレーションになっている。
 フィッシングナイフ:鱗を剥がしたり内臓を抜くために細身で長いブレードを持つ。トラウトナイフもこれの一種。
 タクティカルナイフ:厳密には定義されていない。ミリタリーナイフの中でも素材やデザインが洗練されたものをこれに当てはめたいと個人的に熱望中。


各部名称


・ブレード Blade
 刃体。ナイフで一番肝心なところ。ブレード鋼材については別項参照。

・エッジ Edge
 刃。ブレードの一辺にしか刃がついていないものをシングルエッジ(片刃)、ブレードの両側についているものをダブルエッジ(両刃)という。またロープや軟骨の切断に使用される波刃をセレーションという。

・バック Back / スパイン Spine
 シングルエッジにおける刃のついてない辺。ナイフにおける峰。スパインのほうが一般的。

・オブバース Obverse
 エッジを下向きにし、ポイントを左に向けてナイフを置いた時表側になるブレード面。普通この面のリカッソにメーカーが銘を入れる。

・ヒルト Hilt / ガード Guard
 ハンドルとブレードの境目のこと。ナイフにおける鍔となる突起をキリオン(Quilion)と呼ぶが、それも含めてヒルトと呼ぶことが一般的。ガードはヒルトの昔の言い方。

・サブヒルト Sub Hilt
 前方のメインとなるヒルトの後方につく比較的小型のヒルト。大型のカスタムナイフに見られるが、ファクトリーナイフではキリオンだけがサブヒルトの位置にあるものがあり、この場合は人差し指用のフィンガーグルーブとされることが多い。

・ダブルヒルト Double Hilt
 コンバットナイフやボウイナイフ等に見られる、キリオンがヒルト上下に飛び出しているもの。

・ポイント Point
 ブレードの先端。形状によって主に以下の4種に分けられる。
 クリップポイント(Clip Point):一般的なポイント。スパイン側は殆どの場合はストレートな形状だが、ボウイナイフの様に抉れた形状のものも含まれる。このスパイン側を、刃がついていない場合にはスウェッジ(Swedge)、ついている場合はフォールスエッジ(False Edge)と呼ぶ。
 スピアポイント(Spear Point):ダブルエッジナイフの上刃と下刃が対称か相似形で、槍の穂先の様な形状のポイント。
 ドロップポイント(Drop Point):シングルエッジのポイントがブレードのセンターラインに向って下っている形状。ポイントがブレードのセンターライン上になくても、まっすぐではなくスパインが緩やかに下方に曲がっていれば概ねこれに含まれる。
 タントポイント(Tanto Point):ドロップポイントに似るが、シングルエッジのポイントに向かうエッジの曲線がなく、直線的に曲がっているものを指す。殆どの場合ポイントはブレードのセンターライン上にくる。

・ネイルマーク NailMark / ネイルニック NailNick
 フォールディングナイフのブレードを開くために爪を引っかける溝。

・サムホール Thumb Hole
 フォールディングナイフのブレードを開くために指の腹を入れる穴。

・サムスタッド Thumb Stud
 フォールディングナイフのブレードを開くために指を引っかける突起。

・リカッソ Ricasso
 ブレードのヒルトと接する平面。エッジがなく、ここに刻印を入れることが多い。

・チョイル Choil
 リカッソ部分のエッジ側。一般的なナイフでは果物の皮むき等に便利なように指が当てられるように窪んでいる場合が多い。タクティカルナイフではヒルトのキリオンを大きくしてチョイルを設けないものが多い。

・ハンドル Handle
 柄。持つところ。フォールディングナイフの場合はブレードが折りたたまれて格納される。
 ハンドル材としては木材、動物の骨や角、各種金属が一般的だが、タクティカルナイフの場合、軽量かつ強靱で耐腐食性があり、経年劣化や温度変化による変形の少ない材質が好まれる。代表的なものは以下の通り。航空機用の特殊金属であるエアクラフトアルミ、布や木を何層にも積層してフェノール系樹脂などで加圧成型したベークライト板であるマイカルタ、グラスファイバー(ガラス)を含むエポキシ系特殊樹脂のG10、熱可塑性ポリアミドナイロン樹脂のザイテル。マイカルタやザイテルは比較的熱に弱く、エアクラフトアルミは炎天下や極地での使用には向かない。そのためタクティカルナイフのハンドル材は現在G10が理想的とされる。

・ライナー Liner/Locking Liner
 フォールディングナイフのブレードを開いた状態でロックする板バネ。ハンドルがエアクラフトアルミやステンレスといった金属の場合は、ハンドルの一部がライナーに加工されていることがあり、これは別にモノロックと呼ばれる。

・ソングホール Thong Hole
 ハンドルの後方に空けられる、ストラップやパラコードを通す穴。フルタングの場合は、ハンドルからタングの部分だけを露出させ、そこに空けることが多い。

・タング Tang
 ブレードにハンドルを取りつける部位。日本語では「なかご」「こみ」。ハンドルの半分ほどのナロータング、ハンドルと同じ形のフルタングがある。フルタングは2枚のハンドル材をリベットやファスニングボルトなどで両側から固定する形式で、構造上極めて頑丈で信頼性が高いが、ハンドル外周に鋼が露出するので、鋼材よっては錆が出やすい。また重量バランスを調整するため、ヒルトの部分からハンドル後方に向かって、タングの両側面を対称に薄くなるように加工したものをテーパードタングと呼び、カスタムナイフによく見られる。

・ピボット Pivot Pin
 フォールデイングナイフにおいてブレード開閉時の回転軸となるピン。

・ファスニングボルト Fastening Bolt
 フルタングナイフのハンドル材を、タングに固定するためのボルト、ナット。

・ガットフック GutFook
 ハンティングナイフのスウェッジから突き出たフック。獲物を内臓を引きずり出すのに使う。

・リカーブドブレード Recurved Blade
 Emerson等のタクティカルナイフに見られるブレードの形状で、ポイント付近のエッジは通常だがブレード中程のエッジが通常とは逆に僅かな凹の形に湾曲しているもの。本来はハーフセレーションが一般的なミリタリーナイフにおいて、セレーション部分の使い勝手をよくするためにこの形状になったが、セレーションをつけないプレーンエッジのモデルが市販される際にもそのままの形状で販売されている。まな板で何かを切ることを想定すれば明白だが、アウトドア等の実用には適さない。

・カランビット Karambit Blade
 ブレード自体が大きく凹に湾曲したもの。鎌のような形状で、対人戦闘には適しているとされるが、それ以外の用途にはまるで使えない。似たような形状でも、エッジが全面セレーションでポイントが丸められたものはロープやベルトなどの切断に最適で、レスキューナイフやダイビングナイフと呼ばれ、消防士やダイバーが使用している。


表面加工・仕上げ・その他


・焼き入れ/焼き戻し Quenching/Tempering
 炭素含有量の多い刃物鋼を加熱し急冷することでオーステナイト→マルテンサイトに変質させ、硬度を高める作業を焼き入れという。一般的にこの焼き入れ状態がHRC硬度が最も高くなる。反面粘りがなく刃が欠けてしまうため、再度加熱してから徐々に冷却することで粘りを持たせる作業を焼き戻しという。焼き戻しを行うと僅かに硬度が落ちるが、粘りがない刃物は実用的ではなく、通常はこの二つの作業は組み合わせて行われる。加熱冷却の温度等は鋼材によって最適値が異なる。

・サブゼロ処理 Subzero Treatment
 深冷処理とも言う。一般的には焼入れ処理した鋼を、焼きもどし処理をする前に、-73℃位の低温下で保持し、鋼の組織を安定させるために行なう熱処理の一つ。高温で焼きもどす鋼種(ATS-34や154CMなど)には必要がない。

・真空焼入れ Vacuum Hardening
 焼入れのための、加熱、冷却操作を真空炉内で行なう熱処理法。真空中で加熱されるために表面が酸化されず、きれいなブレードの表面が得られる。

・サテンフィニッシュ Satin Finish
 パフ仕上げのバフレースに、フラップホイルや不織布ホイールなどの研摩用具を取りつけてブレード表面を研磨し、エッジラインに対して直角に不連続のスクラッチ模様をブレード表面につける仕上げ法。

・サンドブラスト Sandblast
 熱処理でブレード表面に付着した酸化皮膜を除去するためや、ブレードが光を反射するのを防ぐために、砂や微小の鋼球を高速でブレードに吹き付けて表面を削る作業。

・パフ仕上げ Buff Finish
 モーターにパフと呼ばれる柔らかい布製の円盤をつけ、外周に研摩材を塗り、パフを回転させて加工対象物の表面を研摩し、鏡面や梨地などに仕上げる方法。

・フラットグラインド Flat Grind
 エッジまでのブレードの断面がX字型になる様に両ブレード面をまっすぐ(フラット)グラインドする方法。少しの歪みもなく完璧にフラットに仕上げることは非常に難しく、メーカーの技量が問われるが、たいていはサテンフィニッシュやヘアライン処理で粗が目立たないように仕上げてある。ブレードに強度が要求されるタクティカルナイフでは標準的。

・ホローグラインド Hollow Grind
 ブレード面をエッジに向かって凹状に削るグラインド法。見栄えがよく、切った食材が張り付きにくくなるので、アウトドアナイフによく見られる。


ファクトリーナイフの主なメーカー


・Emerson
 エマーソン。元ベンチメイドのデザイナーErnest R. Emersonが、1997年に独立して起こしたメーカー。プロダクトの殆どがタクティカルフォルダー。タクティカルナイフという言葉を使う場合、必ず念頭に置かなければならない存在。

・Benchmade
 ベンチメイド。有名デザイナーを数名抱え、世界的に有名な総合ナイフメーカー。プロダクトクラスを色で分類しており、タクティカルナイフは概ねBlackClassに含まれる。Nimravusシリーズはタクティカルなフィクスドブレードの代表格。

・Bladetech
 ブレードテック。ホルスターやマグポウチといったガンアクセサリーのジャンルで有名。ナイフのプロダクトは少ないが、それでもナイフメーカーとして高く評価されているのは単純にスゴイ。

・Ontario
 オンタリオ。ヘビーデューティなフィクスドブレードといえばここ。SpecPlusシリーズはミリタリーナイフの典型。マシェットや鉈のようなジャングルで振り回すデカいブレードはもはやナイフと呼ぶのは躊躇う。

・Microtech
 マイクロテック。誰が呼んだかナイフ業界のロールスロイスという異名を持つが、垢抜けないデザインに高い価格設定は頷けなくもない。フィクスドブレード以外のプロダクトは基本的にオートマチックかスイッチブレードなので、購入の際には気をつけること。

・Master of Defence
 マスターオブディフェンス、通称MoD。なんともアメリカンな粗暴を絵に描いたようなデザインが特徴。フォルダーは当然のごとくオートマチックだし、フィクスドブレードもスパインにまでエッジがついてるものが多い。

・Spyderco
 スパイダルコ。まん丸のサムホールが特徴。タクティカルナイフとしてはデザインが温和しすぎてマイナスでも、登山家やアウトドア用途には好まれる。そのためカラフルなハンドルのラインナップも多い。

・Cold Steel
 コールドスチール。ニンジャ〜ラブ〜を地で行くたるんだセガールみたいな社長が率いるイカしたメーカー。ナイフに「根性」っていう商品名つける抜群のセンスはここかUnitedだけ。一説によるとストから供給停止になったという鋼材CarbonVが正体不明ながらも評価が高かった。

・Gerber
 ガーバー。アウトドア関連の総合メーカーだが、出自はキッチンナイフであり、やはりナイフがメイン。タクティカルナイフに含まれるようなデザインも散見されるが、他社からのインスパイアが多すぎて独自色に欠ける。

・Buck
 バック。フォールディングナイフの老舗として、日本でも有名。最近ではStriderとタイアップしてStriderデザインのプロダクトがあるが、基本的にタクティカルジャンルには注力しておらず、全製品数から見ても数も少なくまともなものはもっと少ない。

・United Cutlery
 ユナイテッド。ナイフ業界を代表するイロモノメーカー。映画やゲームの名を冠したファンタジーナイフという前代未聞の新ジャンルの担い手。タクティカルナイフとしては、かのColtやなぜかハーレーダビッドソンのブランドでそこそこいい感じのナイフを製造している。

・CRKT
 コロンビアリバーナイフ&ツール。ガーバーのスタッフの一人が独立して作ったメーカー Kershaw の幹部が独立して作ったメーカー。高品質なアウトドアナイフで有名だが、意外とタクティカルなデザインも多い。

・Zero Tolerance
 ゼロ・トレランス。略称ZT。貝印の米国法人KAI.USA傘下のKershawからスピンアウトしたタクティカルナイフブランド。設立間もないが、注目度は高い。

・Mission
 ミッション。ベータチタニウムで錆びずに軽いナイフを製造している。チタンそのものが高価なので製品も安いプロダクトは殆どない。海軍採用例もあり、雰囲気や独自性では頭一つ抜き出ている。

・SOG
 ソグ。ボウイナイフやミリタリーナイフの見かけだけの低品質ナイフを安価に製造するメーカー。脳みその足りない中高生が世界的に有名なナイフブランドと勘違いして持ってることが多い。






「ナイフの各部名称について」写真が用意でき次第更新します。








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