■ 余談:ナイフの海外通販についてのまとめ (2007/07/03 [修正:2009/03/03])

 多少このページの趣旨とは外れますが、何度か海外通販を利用しておりますので、これから挑戦しようかなという人のために、ちょっとまとめておきます。以下の内容は海外通販に関連したサイトで調べたものと、数度のみの実体験によるものが混在しています。いずれにしろ決して確実性の高い内容ではないことに留意ください。また、無駄にやたら文章長いので、興味ない人は読み飛ばしてください。
 まずは海外通販サイト等で得た情報をまとめます。ナイフに限らず海外通販を利用するに当たっては、その期間を1ヶ月程度は覚悟しておく必要があるようです。タクティカルナイフの場合、申し込むショップはほぼ確実にアメリカとなるわけですが、アメリカの商習慣はやはり日本のそれとは結構違いがあり、そのために手元に届くまでに時間がかかることになります。まず対応が遅いことを知っておきましょう。日本の通販は実に迅速に対応してくれます。概ね注文した翌日には発送、二日後には届きます。夕方の6時に注文したナイフが翌日の午前に届いたこともあります。アメリカのショップ相手の場合、当然時差がありますのでこちらで昼間に送ったメールや注文フォームは向こうには深夜に届くことになります。しかしそれを見ても返信が来るのはその翌日か二日後が大半です。また注文した商品が売り切れの場合もすぐに連絡が来ません。2週間ほどは入荷を待って(バックオーダー)「まだ待つか?」という連絡がくることが多いようです。ですので、注文から発送まで2週間以上かかるものであると思っておいたほうが無難です。発送後は国際運送会社(UPSやFedex等)の場合は翌日には出国、その翌日には日本の税関につき、税関を通るのに2〜5日かかって合計1週間前後で手元に届きます。国際郵便(合衆国郵便局 USPS:United States Postal Service の Global Priority Mail)の場合も2〜5日で日本に入りますが、税関の通過にはそのときの税関の混み具合によって1日から1ヶ月程度の大きな開きがあるようです。国際運送の場合は発送後1週間程度で届くうえ、発送伝票の番号がわかっていれば日本の宅急便と同じく追跡(Tracking)ができるので、なかなか届かないときなどは日本法人を通じて対応が容易です。また現在荷物がどこにあるのかリアルタイムにWeb上で確認でき、とても安心感があります。ただし送料は高くなる場合が多く、80ドル前後請求するショップもあります。国際郵便は届くまでの時間が読めないうえ、追跡はできないわけですが、送料は国際運送よりは安く抑えられます。ショップでの対応の遅さ、即日発送はまずあり得ない、バックオーダーという商習慣、運送の日数、というファクターが累積して注文から届くまで平均1ヶ月となるわけです。実際の日米間の送料は、荷物の大きさにもよりますが、書類封筒の場合だと国際郵便で10ドルが実際の送料です。ナイフは殆どの場合は箱で梱包されるため、概ね国際運送で50ドル前後、国際郵便で30ドル前後となる場合が多いようです。
 実際の経験から言うと、最短で3日、最長で14日で届いています。僕の場合は送料の安いところしか利用したことがありません。そのためUSPSの国際郵便かFedExのEconomyしか経験がありません。それでも発送から到着まで15日以上かかったことはありません。FedExの場合は先述の通りWebで荷物の現在位置をリアルタイムに知ることができます。ナイフの場合、税関で検査される確率が高く、一度税関で開封されてから再梱包された状態で届くことが多いです。また国際郵便の場合、関税が免除される場合があります。小包が小さいときは免除される傾向が高いようですが、厳密に基準等は特になく、基本的には関税を支払うことになります。ナイフの場合は関税は価格の3%で、これに消費税や郵便局の手数料が加算されます。実はこの関税の計算が僕には全然理解できません。一例を挙げると、190ドルのナイフ2本を買ったときに支払った金額は2300円でした。そのときの「国際郵便物課税通知書」によると、28255円に対する関税3%、関税を含めた金額に対して消費税が4%、1100円に対して地方消費税が25%、郵便局の手数料が200円、で合計2300円でした。28255円と1100円がどこからきた数字なのかは全く不明です。概ね、買った金額の5%程度を関税という名目で支払うことになると覚えておきましょう。極稀に幸運にも税関をスルーした場合、最短で3日で届く上に関税も払わなくて済みます。関税の支払いは、USPSの場合は届けてくれた郵便局の配達員に支払い、FedExの場合は後日請求書が届きますのでコンビニか振り込みか選んで支払います。
 また税関通過時のことも考えて、日本の法律では所持できない種類は勿論のこと、違法だと間違いやすいものも注文は避けましょう。飛び出しナイフや自動開刃、AutomaticとかSwitchBladeの表記があるものは日本では違法になるため、銃や麻薬を輸入するのと同じような行為になってしまいます。さらに2009年3月以降、刃渡り5.5cm以上の両刃のナイフ(剣)も所持禁止となっており、ダガーという表記がなくてもスローイングナイフやスピアポイント等の左右対称の形状は違法品になる可能性が極めて高いです。また刃渡り15cm以上のものも厳密にはナイフは対象外ですが、税関で止められてしまう可能性がありますので避けた方がいいでしょう。数量が多すぎると個人では輸入できなくなってしまうので、一度に購入する数量は10本以下が妥当です。僕は経験がありませんが、万一税関を通過できず「違法品」として取り上げられたナイフは、返送されるのではなく当局に没収されるため、手元に届かないばかりか代金も返ってきません。注文時は努々注意を怠らないように!

 ナイフは家具や衣類と違って、マイノリティであるため、販売する側としても手間とリスクを伴う海外からの注文を受け付けているところは実質的に少なくなります。サイトの表記上では国際注文可能となっているサイトは結構見つかりますが、実際に注文しようとしてもできないことが多いので注意しましょう。オーダーフォームに不備があったりして注文できない場合は、そのサイトでの注文を諦めるか、問い合わせのメールを送ることになります。問い合わせのメールについてはレスポンスは遅く、無視されることもしばしばです。特に日本人の下手な英文メールは、相手するのが面倒だと思われるようで返信があるのは50%程度です。簡単な単語で短い文章を書いて簡潔に要点をまとめたメールを心がけましょう。海外通販入門サイトやジェトロ(日本貿易振興機構)等にある例文メールを参考にして、送信前に翻訳サイト等でチェックしてから送るのがいいと思います(和英翻訳サイトやソフトで日本語から英語に「変換」した文章はほぼ間違いなく通じませんので利用しないように!)。またネット上での迷惑行為常連国であるばかりか国際的詐欺事件の常習犯輩出国として揺るぎないトップツーの地位を確固たるものにしている韓国や中国のおかげで、アジアからのメールや注文は一切ブロックしているところもあります。ちなみに注文後の問い合わせのメールはどこも迅速で、きちんとした返信がきます(当たりまえですが・・・)。
 支払いは当然クレジットカードになります。基本的に日本からの注文での支払い方法はVISA等のカード(いうまでもなく殆どのサイトではJCBは使えません)しかないので、その他の送金方法等を指定しているところでは日本からの注文はできないと考えてかまいません。またクレジットカードが利用できるサイトでもAVSという認証システムを用いていれば日本からの注文はできません。AVSとはアメリカにおけるクレジットカードの不正利用を防止するためのシステムで、要はカード所有者の登録住所と入力したZIP-Code(アメリカの郵便番号)を照合するというもので、アメリカのカード以外は判定不可で弾かれてしまいます(カード会社にも問い合わせてみましたが、システム上どうにもできないのでショップに直接問い合わせるようにと言われました)。
 価格や品揃えの面で、海外通販は日本国内の通販を利用するより有利なことが多いですが、届いた商品に問題があった場合、対処ができなかったり面倒だったり、リスクが大きいところもあります。それでもよくて、さらに時間がかかってもいいという場合は、海外通販を利用するのもよい選択肢です。特に円高が顕著なときは実際の購入価格も安くなりますが、ただ国内でも良心的な値段で販売しているところもありますので、海外通販が常に価格的に有利であると決めつけるのは避けましょう。送料や関税を加味すれば、1本や2本購入の場合は国内で購入するのとあまり値段が変わらない場合が多いです。どうしても国内では入手が難しいナイフがある場合や、複数本同じサイトで欲しいナイフがある場合、皆さんも挑戦してみてはいかがでしょうか。







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