■ ナイフ分解と手入れ (2008/05/03)

 ナイフの分解とお手入れについて簡単に触れておきます。
 分解するナイフに応じて工具をそろえます。エマーソンのように一般的なプラスドライバーとマイナスドライバーだけで分解できるものもあれば、トルクスドライバー(ベンチメイド等)や六角レンチ(ブレードテック等)、あるいは専用の冶具(マイクロテック等)が必要なものもあります。錆止めにオイル(後述します)とフォルダーの場合はピボットピンの固定にスレッドロック(ネジ止め用接着剤)も用意しておきます。
 写真上側は典型的なフルタングのフィクスドブレードのパーツ構成です。ハンドルを止めている2〜3本のファスニングボルトを外すと、ハンドガンのグリップパネルのようにハンドルが左右に外れ、それだけで完全分解終了です。ハンドルに隠れるタングは錆びやすいので、購入直後や使用後はドライオイルのような変質しにくいオイルで拭いておきましょう。
 写真下側はライナーロックのフォルダーのパーツ構成です。フィクスドブレードと違って、細かいパーツが多いので紛失に注意しましょう。ハンドルを分解する際は、ブレードは開いた状態でピボットピンを緩めてからハンドルのネジを外したほうが、分解しやすいと思います。殆どのフォルダーにはブレードとライナーの間に樹脂製のワッシャーがあります。かなり使い込んでも磨耗することは殆どありませんが、念のためこのワッシャーの表裏にオイルを軽く塗っておきます。またライナーはエアクラフトアルミの場合が殆どですが、ステンレスが使用されている場合は、錆びないようにオイルを塗っておきましょう。組み立てる際にはピボットピンをスレッドロックで固定するようにします。殆どのナイフはピボットピンを締める強さでブレード開閉時の抵抗の強弱を調整できるので、ちょうどいい位置で固定できるようにスレッドロックは必須です。
 オイルは機械用のオイルよりは、エアガン等でおなじみのシリコンやテフロン系のオイルが問題を起こしにくいです。できればナイフ用のドライオイルを用意したいところです。ドライオイルとは塗布した後、乾燥して皮膜を形成するもので、通常のオイルと違って塗った後がべたつかず、埃などが付着しにくいという便利なものです。中東の米軍兵士は砂が付着しないように、ライフルのボルトにもドライオイルを使用していると聞きます。日本でも国内の専門店の通販で一般的なナイフ用ドライオイル「タフグライド」が購入できます。ドライオイルは潤滑剤としては効果が薄いので、ピボットのあたりにはシリコンオイル等の通常のオイルを1滴点すほうがいいです。







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