■ Benchmade Skirmish (2008/05/01)


 去年末から更新頻度が落ちていることでわかるとおり、手の届く価格で欲しいナイフが本当になくなってきたわけです。タクティカルデザインで200ドル以下で販売されている高品質のもの・・・、思いつく中でとりあえず買っておきたいのはBladeTechのProHunterExとベンチメイドのSkirmish、どちらも年末より探しており、漸く見つけて注文してありますが、Skirmishが先に届いたのでご紹介いたします(ProHunterExはバックオーダーになった模様)。
 国内の販売店でもついこの間まで見かけなかったのですが、海外通販サイトとほぼ同時期に取扱店が増えていますので、ベンチメイドでの生産に問題があったのかもしれません。国内での販売価格は25000円以上しますが、海外通販では160ドル前後で販売されています。数量限定生産のモデルもありますが、国内外の通販サイトでは見かけたことがありません。通常品はシルバーとブラックのブレードがあり、それぞれハンドルのカラーリングが違います。シルバーブレードのほうは全体的に派手で、ブラックブレードは落ち着いた印象があります。ブラックは断然タクティカルぽくて、ずっと探していたわけです。因みに、タクティカルぽいデザインですが、BlackClassではなくBlueClassなので実用性よりもデザインを重視したモデルとなっています。
 デザイナーは Neil Blackwood。検索すれば一発でカスタムナイフのオフィシャルサイトみつかりますが、実にいいデザインのナイフを作っています。カスタムナイフとしてもSkirmishがあり、これのマスプロダクションがベンチメイドのこのナイフのようです。ブレードのデザインは装飾をかねたサムホールをもつリカーブドで、大柄で厚みがあり実に頼もしい印象があります。鋼材はこのクラスでは一般的になったS30V。きれいに黒染めされています。ハンドルはなんとチタン。軽量かつ強靭という点ではエアクラフトアルミ以上の材質で、S&WやSTIが銃のフレームに使っているほど、軽さと丈夫さを兼ね備えた金属ですが、いかんせん高価なので一般的ではありません。またこのチタンの強靭さを活かして、メカニズムはモノロックになっています(右写真上)。ライナーロックに似ていますが、ハンドル材がライナーを兼ねるもので、以前紹介したH&KやS&Wのナイフと同じ構造です。エッジの長さは110mm、ハンドルの長さは132mmとフォルダーにしては大きなブレードを持っており、ハンドルの終端にある三つの穴はデザイン上の装飾でソングホールではなく、ブレードを閉じると塞がってしまいます(右写真中)。ブレードの厚みは4.1mmもあり、フィクスドブレード並みの頼もしさです。そしてハンドルの厚みは11.7mmしかなく、しかもチタンなので軽い。MLEKのときにコマンダーと厚みの比較をしていますが、ハンドルはその中間の厚みでブレードは双方より25%も厚いわけです(右写真下)。コレは実にいいナイフですね。ハンドル材はG10がベストだと思いますが、局地で使うことのないアーバンタクティカルというジャンルで考えた場合、強靭かつ軽量のチタンは十分にアリかも知れませんね。ブレードが1インチ短く、全体的に小ぶりに纏まったMini-Skirmishもあり、ナイフとしてのバランスはこちらのほうが上かもしれませんが、フルサイズのこれほどの頼もしさは得がたいものがあります。
 ハンドルの銀色の丸いものは写真ではなにかビーズのようなものが埋め込まれているように見えますが、実際は半球の凹みできれいにポリッシュされています。ただデザインとしてはちょっと残念な印象がありますね。ちなみにシルバーブレードのモデルはこの穴に色がつけられているようで、かなり悪趣味なケバケバしさとなっています。ピボットピン以外に、両側の強靭なチタンハンドルを結ぶものは細いピン2本のみで、アウトドアで使用したあともメンテナンスがかなり楽ですね。問題はアウトドアで使うようなナイフではないということだけで・・・。






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