Cubic15 Aquarium

GW特別企画でいつもと違う話題です。
銃と同じくらい、物心ついた時からの趣味のひとつがアクアリウムでして、15cmサイズの超小型水槽で熱帯魚の飼育が可能なのか、実は1年以上前から試みていまして、今回はその結果というか経過というか、「やってみたい!」と思ってもらった人の参考になるように具体的に書いていきます。今回は特に字多めです…

魚はここではベタにします。どんな魚か、見てくれはこの上の写真の通りですが、「ベタ」で画像検索していただくほうがいいでしょう。ではベタにする理由というと、エアポンプが不要で丈夫で飼いやすいうえ、見た目がきれいで熱帯魚の中でもトップクラスに人懐こいからです。(購入時の注意事項は最後のほうで)
手間暇を惜しまないなら、エアポンプ必須ですが、小型コイのボララス(マキュラータやブリジッタエ)やミクロラスボラ(ハナビとかアクセルロディブルー、本命はグリーンネオンか)とか各種小型カラシン(一押しはディープレッドホタル)に、残餌掃除のミニコリ(ピグミー、ハステータス、ハブロースス、コチュイ)を合計10匹以内で飼うことも可能だとは思います。冷凍赤虫などが必要で餌に苦労しますが、バジス(スカーレットジェム)や小型淡水フグ(アベニーパッファー)も飼えなくはないでしょう。
絶対にやめといたほうがいいのは、小型卵胎生メダカ(ミクロポエキリア、エンドラーズ)で、丈夫でよく人に慣れ餌の選り好みもない優等生ですが、メスが地味で基本ペアでしか売っていないため、同じ水槽内にペアで入れることになり、そうすると無限に増え続けます。卵胎生なので卵ではなく稚魚で産まれてくるため、稚魚を殺処分するか別の魚に食わせるか、それができる人しか飼えません。

最初に用意した器具は三つ。15cmのガラス水槽、4Lまで対応の小型ヒーター、15cm対応のLED照明。ペット用品のネット通販最大手のチャームで三つ合わせて4800円ほどで購入できました。照明はなくてもOKですが、魚をきれいに観賞するためには必須でしょう。そのあとエアポンプを追加で購入しました。Amazonで1500円ほどのピエゾ素子タイプのものです。ピエゾ素子のエアポンプは静か(エアストーンから泡が出る音のほうが大きい)ですが、2~3年が寿命で交換が必要となるようです。あと近所のショップでエア流量調整つまみと黒いエアストーン、吸盤付きの模造水草「ベタのおやすみリーフ」を合計1000円ほどで買いました。
他に手元になければ揃えておいたほうがいいものを挙げておきます。ほとんどは百均にあります。
・魚をすくうアミ ・メラミンスポンジ ・水槽より一回り大きいくらいのトレイか板 ・鶴首スポイト ・漏斗

僕が購入した水槽はコトブキのクリスタルキューブのブラックシリコンで、プラ製のフタとラバーのシートが付属していました。オールガラス水槽の場合、底面もガラスなので、底に敷くゴムシートは必須です。ベタは殆ど飛び跳ねない魚なので、フタは必須ではないですが、水槽内に物が落ちたり、蒸発する水分から照明を保護するためにもフタはあったほうがいいです。購入した水槽にフタもシートも付属していない場合は別途ホームセンターなどで部材を購入して水槽に合う大きさに切って使用しましょう。また、水替えの際は水が入った状態で水槽を持ち上げると底が抜けてしまう恐れがあるため、水槽より一回り大きなトレイか板の上にゴムシートと水槽を載せておき、持ち運ぶ際は水槽を載せたそのトレイか板ごと持ち上げるようにします。水替えの方法がわからない方は最後のほうに詳しく書いておきますのでご参考してください。
ベタは神経質ではないので、照明の点灯消灯のタイミングは人間の都合で大丈夫です。僕は餌やりと鑑賞するときしか点けません。エアポンプはベタの場合はなくても飼えます。ただエアレーションがないと水が白濁りしやすく、水替えの頻度が増えるので、騒音と手間のどちらを選ぶかということになります。
エアポンプの有無は悩ましいところです。どうしても音が出るので、音が気になる場所に置く場合等はないほうがいいかもしれません。ベタはエアレーションなしでも死にません。ただ、ない場合は水の白濁りがひどくなります。

左はセットアップ直後です。水槽を15cmにした理由は、持ち上げることができる最大サイズだからです。小学生の算数と理科を思い出していただくとして、15cmキューブの重さは容量が3.3Lほどなので水だけで3kgちょいになります。入れる水を控え目にしても2.5kgほどで水槽の重さを加えるとやはり3kgくらいになります。これなら水が入ったまま持ち上げて運搬可能です(水槽だけを持ち上げるのはダメですよ)。20cmキューブだと水を控えめにしても6kgは超えるので簡単に持ち運びできなくなります。ということで15cmキューブ水槽にしましたが、12cmキューブがおそらくベタ飼育では限界です。これ以上小さいとさすがに見ているほうも狭くて辛く感じます。水作のベタコレクションケースというのもありますが、実際に飼ってみると容量1LほどのMサイズでさえ小さすぎてベタは調子を崩します。

毎日のお掃除に便利なのが鶴首スポイトです。これは理系な人にはお馴染みなものですが、液体を吸い上げたり注いだりするもので、Amazonとかで数百円で買えます。これを使って、底にたまったフンを吸い上げて掃除します。僕は500mlサイズを買って、鶴首のチューブを外してエアホースをつけて、その先にプラチューブを差し込みました。ベアタンクは底にフンやゴミがあるととても目立つので、ピンポイントで掃除できてとても便利です。フンやゴミを一通り吸い取ったらボトルがいっぱいになるまで水を吸い出して、ボトルの中をきれいな水に入れ替えて、漏斗を使って水槽に水を入れれば、部分換水もできて水替えの頻度を抑えられます。

設置場所については、大きな振動が生じる場所(ドアのすぐ横など)や、直射日光があたる場所は避けます。また殺虫剤は魚も死ぬので、スプレー式や燻蒸式関わらず、殺虫剤を使う部屋も避けましょう。水替えの際に持ち運べるよう、トレイか板の上に水槽を置きます。底面がガラスのオールガラス水槽の場合は底にゴムシートを敷いてください。水が入った状態で水槽を持ち上げると底が抜けてしまう恐れがあるため、水の入った水槽を持ち運ぶ際は水槽を載せたトレイか板ごと持ち上げるようにします。

左が1年経過後の状態。魚は2代目です。たぶんベタはこれくらいが最大サイズ。フィルター(ろ過機)がないので水替えの頻度で水質を維持します。結論から言うと、ベタ1匹単独飼育の場合、エアポンプもスポイト掃除もなし、だと2~3日に一度、エアポンプかスポイト掃除ありだと3~5日に一度、エアポンプもスポイト掃除もありだと1週間~10日に一度、が水替えの目安です。底砂を敷かない水槽をベアタンクといい、最も管理がしやすいです。さらに水替え頻度を減らすために、ゼオライトと活性炭を放り込みました。ゼオライトはアンモニアを吸着する石です。大きさや量は様々で販売されており、そこそこの量が数百円で買えます。活性炭は水の白濁りを抑えるものですが、効果は限定的なうえ、活性炭は3か月程度で交換が必要になるので、あまり高いものは避けましょう( 百均でも売ってます)。

ベタはあまり餌の選り好みはないので、購入するときにショップの店員さんに何あげてるか聞いて同じ餌を買っておくといいでしょう。もし迷ったらキョーリンの「ひかりベタ」でいいと思います。
ベタの寿命は2年前後で、店で販売されている状態で孵化後半年から1年ほど経っていますので、上手く飼っても1年前後で寿命を迎えます。
購入時の注意点としては、元気で好きな見た目の個体を選んで大丈夫ですし、どの品種でもとても飼いやすいですが、「ワイルドベタ」と呼ばれる品種改良されていない野生種は避けましょう。ワイルドベタは飼育難易度がかなり高いです。またベタは単独飼育です。一つの水槽に複数入れると激しいケンカをして、一番強い個体以外は死ぬことになります。複数飼育したい場合は飼育に慣れてきてから、複数水槽を用意しましょう。基本的に見た目の優雅なオスを購入すると思いますが、メスでも同様に飼育可能です。ただメスはケンカしないと思われがちですが、複数飼育すると弱い個体は執拗に追い掛け回されて衰弱して死にますので、メスでも単独飼育しましょう。また繁殖はお勧めしません。成長した稚魚はそれぞれ単独飼育が必要になります。また殖えすぎたり不要になった魚はショップでは引き取ってもらえませんし、池や川に捨てるなど言語道断です。

水替えの方法について詳しく書いておきます。まずカルキ抜きを持っていない場合は、水替えの前日の夜に水槽に入れる水の量より少し多めにバケツ等に水を入れて置いてカルキを抜きます。ベタはカルキが入っていても抜けるまで空気呼吸で耐えますが、可哀想なのでちゃんとカルキは抜きましょう。水替えをするときは必ずヒーターのコンセントを外してから行います。ヒーターに通電したまま水上に出すとヒーターは超高熱になって壊れます。火傷の原因にもなるで十分注意してください。
僕の水替え手順は次の通りです。まずヒーターのコンセントとエアポンプのホースを抜き、照明を外して、水槽はその下のトレイごと持ち上げて洗面所へ持っていきます。そこでフタを外して、魚をアミで掬って、カルキを抜いた水を入れた他の容器(プラケースやいらないコップ等)に移します。小さな容器(100本入り綿棒の空き容器がちょうどよいですよ)で水槽内の水を半分ほど汲み出して捨てます。それから水槽内からヒーター等の設置物をすべて取り出します(水を全く捨てずに取り出そうとすると水槽に手を入れた際に水があふれるので注意)。水が半分以下なら水槽を持ち上げても大丈夫ですので、そのまま全部水を捨てます。水替えの最中も水槽は固いものの上に置かないようにします。雑巾やマット等に置きましょう。そしてメラミンスポンジでガラスの内側をきれいにします。取り出した活性炭は3か月を目安に交換、ゼオライトは金属製のブラシかたわしで表面を削るように洗い、小さくなったら交換します。ヒーターなども汚れ具合によって掃除してから、元通り設置します。それから水槽を持ってきたときの状態、つまりトレイの上に戻し、カルキを抜いた水を入れて、魚を戻してフタを載せます。あとは元通りの場所においてヒーターやエアポンプをつないで、照明を載せて完了です。慣れれば作業時間は5分ほどで、これを7~10日置きに行っています。
水替えは工夫できるところが多いので、例えば水槽を移動させる前に鶴首スポイトで水を半分ほど抜いておくとか、自分でやりやすい方法を見つけていきましょう。

暑くなるころに、暑さ対策等を改めてご紹介できればと思っています。

アクアリウム

Posted by cray_red