WA M4A1

【初出 2008/04/01】WAのM4は現在のGBBなM4の開祖であり、僕が今までのエアガン人生で最も衝撃を受けた製品でした。2008年WA以前のM4のGBBといえば、すでに亡くなっていたJACやもう亡くなりかけのコクサイが出した結構ガッカリな出来のものしかなく、ハンドガンと同じく、マグナ以前とそれ以降で明確に違う、一種のシンギュラリティポイントだったと言えます。
うちの個体は、発売前に予約を入れて購入したもので、2回WAで交換のうえ、長年の間に外装は総取っ換えされています。外から見えるパーツでWA純正はチャージングハンドルとボルトキャリアくらいでしょうかね…。G&Pのフレームに、2011年に当時知られるようになったばかりの新鋭メーカーだったMagpulのMIADグリップと同じくNoveskeのKX3ハイダー、Vlterのクラブフットストック、という我ながら先見的なチョイスで、6.5インチの極短フロントになっています。内部パーツはWA純正のハードリコイルユニットというボルトキャリアとリコイルバッファのセットが組み込まれていて、ハンマーとシアは破損したためG&Pのスチール製に交換されています。インナーバレルは当時PDIが製造していたWAのガバ用6インチのものが入っています。ノズルはあえてマグナのままで、カスタムの定番である負圧化は行っていません。
サバゲーで何度か使いましたが、当時からガスブロ使いはイロ者扱いでしたね。またWAのM4のマガジンは未だに異色な存在です。まずガス漏れがひどい。WA純正は3年漏れないものは皆無で、設計に問題があるのか、コピー品となるG&PやS&T製もWA純正よりは長持ちしますが、だいたい同じところから同じようにガス漏れします。また前縁部のBB弾が収まる部分は樹脂でできていて、細いピン4本でマガジン本体に固定されています。ガス注入バルブが底面ではなく背面にあるのは、BB弾格納部が湾曲して底面にもあるためで、これによりGBBのM4では他にない50発の装弾数があります。

初めて手にしたとき、何もかもが今までとは一線を画す、本当に人生で最も感動したエアガンです。今ではこれを超えるGBBライフルはいくらでも存在しますが、全てはこの2008年のWAから少しずつ進歩してきた結果であり、85年のMGCのM93Rや91年のMGCのG17とマルイのFAMAS、93年のWAのM92FSと同じく、エアガンにおける大きなマイルストーンの一つでしょう。
2007年にWAがGBBのM4を発売すると発表した時、その少し前に同様の発表をしたタニオコバとの競作にわくわくしました。おりしもパテントで固める戦法をとるWAと、それを回避するためマルイ等の他社に開発したメカニズムを事実上無償提供したタニオコバの、因縁の対決かとも思われましたが、タニオコバ/KJの出来が散々で全く勝負にならなかったのが残念でした。上写真は2008年発売直後の箱出しです。レシーバーもフロントサイトもハイダーも樹脂でした。発売後銃口からBB弾がこぼれ出る「弾ポロ」問題の解決に時間がかかったり(購入後初期不良として2回交換した)、海外メーカーの台頭でお得意の訴訟戦法が通じなくなったり、懐かしい思い出がいっぱいですね。