Bladetech MLEK/ProHunter

【初出 2007/07/16 2009/03/25】カイデックスホルスター屋さんになってしまったBladetechの代表的フォルダー3本をご紹介します。2010年まではナイフ製造をしていたはずなんですが、2025年現在、サイト名も Blade-Tech Holsters になってしまっていて、来歴にも「1995年に最高のキャリーギア製造のため起業」としか書かれておらず、ナイフを製造していたということを隠したくて仕方がない感じですね。MLEKは個人的にフォルダーとして一つの理想形だと絶賛しているだけに、メーカーの現状はあまりに残念です…。

Bladetechのナイフはハンティングナイフが中心で、LE向けと謳っていたのはMLEKシリーズだけでした。これはリードデザイナーの Tim Wegner が熱心なハンターだったためで、実際 Tim Wegner 自身がProHunterナイフ1本で巨大なヘラジカを解体する動画を公開していました。ProHunterシリーズは薄型軽量で携帯の負担がなく実用性も高いという、ハンティングには最適なデザインとなっています。対してMLEKは「Military Law Enforcement Knives」の略で、軍及び法執行用のナイフって意味ですね。ハンティングナイフではあまり想定されない「突き刺す」という用途に対応させるためにProHunterのポイントにスウェッジをつけて尖らせ、ブレードはやや幅広になっています。
刃長はエッジが86mm、ハンドルは123mm。ブレードの厚みは3.2mm(Magnumは3.4mm)。ブレードの鋼材はS30Vで、ハンドルはG10というオーソドックスな構成。ハンドル材の内側にライナーを埋め込むようにして、横から見てもハンドル材しか見えないようになっていて、ハンドル自体がとても薄くなっています。ヒルト(キリオン)が低く、MLEKはLE向けとしては人差し指の保護が頼りないですね。

うちのハンドルがグリーンの2本はExtremeというグレードで、ブレードにDLC(ダイヤモンドライクコーティング)と呼ばれるタングステンを含む黒いコーティングが施され、極めて高い防錆性を持っていると謳われていました。DLCは通常の表面酸化や塗装と違って、多少のムラがあり地肌がうっすら透けて見えます。ハンドルカラーはカタログではブラックとグリーン、あとオレンジがあったはずです。なお、このMLEKのExtremeはMLEK最後の世代となったMagnumシリーズです。